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#海外文学のススメ 記事まとめ

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お題企画「#海外文学のススメ」に投稿された作品をまとめる公式マガジンです。
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#文学

穏やかに輝く日々の結晶 -名作小説『晩夏』の魅力

    【水曜日は文学の日】       小説には様々な楽しみ方があるのが、その魅力の一つで…

神秘をかたどる -小説『フランケンシュタイン』を巡る随想

    【水曜日は文学の日】   人類の創作の中には、元の作品世界を超えて、ある種の人類共…

心の中を辿る旅 -小説『失われた足跡』の魅力

    【水曜日は文学の日】     旅をすることは、自分の内面を探検すること。それは、ロー…

うろ覚えで書いたフランス文学人名辞典 

十九世紀以前 フランソワ・ヴィヨン 犯罪者にして偉大なる抒情詩人ヴィヨンがその堕落の半生…

秋(空き)時間
6か月前
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オスカー・ワイルド『サロメ』界隈をあるく|西洋絵画も交えて

最近、フランス象徴主義つながりで、『サロメ』を再読(佐々木直次郎訳&平野啓一郎訳)したと…

アントニオ・タブッキを2冊、須賀敦子さんと

須賀敦子さんの翻訳は、翻訳的なノイズが全く感じられず、驚くほど滑らかでした。 本を開いて…

Nanao
1年前
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『星の王子さま』が教えてくれる、世界がちょっとだけ輝く秘密。

この物語は、ある1枚の絵から始まります。それはちょっとつばが長い、帽子のような絵。 皆さんは、何の絵に見えますか? 王子さまが教えてくれる、たいせつなこと。世界中から愛されるフランスの名作、『星の王子さま』。日本でも絵本や映画になったことで話題になりました。 絵本のようなタイトルと、ファンタジーなストーリー。登場人物の愛らしいキャラクターに、心をくすぐる可愛らしい挿絵。 一見子供向けの本のように見えますが、実は「大人のための童話」と題されるほど、多くの大人たちを魅了し

ひとつの瞬間は永遠になりうる——ローベルト・ゼーターラー『ある一生』【書評】

1931年の冬の日、オーストリア・アルプスの麓で、壮年のエッガーはふとした予感から、山小屋で…

既視の海
1年前
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音のない輪舞曲——アンナ・カヴァン『氷』【書評】

音のない輪舞曲が耳から離れない。 世界が氷に閉ざされる直前のモノクロームなパ・ド・トロワ…

既視の海
1年前
9

エスプリのきいた愛の物語——ダヴィド・フェンキノス『ナタリー』【書評】

拝啓 足早に2月が逃げ去っていきます。忙しいとは心を亡くすことだとは、よく言ったものです…

既視の海
1年前
6

つづれ織りのような人生と文章——パスカル・キニャール『約束のない絆』【書評】

拝啓 東京も明日は雪が降るというのに、今日は穏やかな青空がひろがっています。暖かさにくる…

既視の海
1年前
3

私はここに眠っていない。作品が全て「空の空なるかな」M・デュラスの世界

愛人/ラマン(河出文庫) 清水 徹訳 フュールステン広場にてフュールステン広場。それは広場と…

MAGUDARA
1年前
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【6通目】破滅にむかって時が静かにすぎる切なさ——ジョルジュ・シムノン『離愁』【…

拝啓 冬至が近づき、日がほんとうに短くなりました。寒さをまぎらわせるために、心温まる物語…

既視の海
1年前
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【5通目】小説が先か、映画が先か——ジョルジュ・シムノン『仕立て屋の恋』【書評】

拝啓 昨晩は今年最後の満月でした。ご覧になりましたか? ただ正直にいえば、満月よりも、ちょいと欠けた居待月のほうが、私の好みです。まだか、まだかと東の夜空にのぼるのを待ち焦がれる切なさでしょうか。 さて、あなたが映画も好きだと知り、一度たずねてみたいと思っていたことがあります。それは、映画と原作小説、どちらを先に観るか、読むか、というものです。それを考えさせられたのが今回のフランス小説であるジョルジュ・シムノンの『仕立て屋の恋』です。フランスにおける初版は1933年。でも