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経済 記事まとめ

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#日本

ドイツの産業空洞化~日本の二の舞はあるのか?~

産業空洞化を象徴するVW工場の閉鎖 9月2日、ドイツ最大手の自動車企業フォルクスワーゲン(VW)社がドイツ国内の工場閉鎖を検討しているとのニュースが大々的に報じられました: 従前より筆者はドイツ国内の経済活動に係るコストが上昇していることを背景に同国の直接投資フローが純流出に傾いている兆候に注目してきました。ドイツ企業の国外脱出は既に国際収支統計上では確認されつつあったもので、特に2022年から2023年にかけては海外からドイツへの対内直接投資が急減し直接投資全体では過去

経営者は嫌いだけど「日本には経営者が足りない」という人々

 今日のX界隈でにわかに昔の経済教室が話題になっていたので,脊髄反射.X界隈の「地方嫌い/ブルーカラー蔑視/学歴大好き」はこれまでも指摘されてきましたが,個人的にはこれに「中小企業経営者嫌い」を付け加えてもいいんじゃないかと思う.  当該記事では日本の生産性の低さを中小企業の温存に求め,雇用のセーフティーネットを整備したうえで低生産性企業の淘汰を進めるべき...といっているんだけど,これ本気で言ってるとしたらあまりの会計・税務知識のなさにあきれる.そして分かったうえで言って

進むインフレ税~その読み方~

顕著に進む財政再建 6月末に発表された1~3月期資金循環統計に関し、先のnoteでは家計金融資産の外貨性資産比率が過去最高を更新したことなどを取り上げました: しかし、同統計では家計部門以外に政府部門でも注目される動きが見られています。過去、noteでは「遂にインフレ税が始まったのか」と題し議論を展開しております: ここでは政府が望む、望まないにかかわらずインフレ税によって財政再建を進める状況に突入している可能性を議論し、非常に大きな反響を頂きまひた。今年1~3月期の資金

「五公五民」論にはちょっと注意が必要ですよの話

 世上は都知事選とか$1=¥160とかで騒がしいですが。。。このあたりの時事的な問題は【7月末まで絶賛全編無料公開!】なYouTube【飯田泰之つべ】での【7/2 ニュースと雑談】でお話しできればと思います.  そんなこんなで,今日は少し中長期的な経済論壇のテーマとしての国民負担率問題を取り上げます.国民負担率は (税負担+社会保険料負担)÷国民所得 です.上のように定義された国民負担率は令和6年(見込み)で45.1%.財政赤字を含めると50.9%となりました.これをう

#004 「100人の村」で考える適正価格

付加価値とは、仕事の金額的価値で、その分配が労働者の所得となります。自社の仕入れは、仕入先の付加価値の合計でもあります。 今回は、仕入れの適正価格はあるのかを100人の村で簡単なモデルを作って考えてみます。 1. 100人のラメン村ある世界に人口100人のラメン村がありました。 この世界にはラメン村ただ1つしかありません。 ラメン村の人々の主食はラーメンで、村人たちはラーメンを作る仕事に携わる事で生計を立てています。 ラメン村の人々は100人全員が働いています。 その

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日独GDP逆転の本質~為替要因だから気にしなくて良いのか~

為替要因だから4位で良いのか? 先月、2023年のドル建て名目GDPが確定したことを受けて、日本がドイツに次ぐ第4位の経済大国へ転落したことが大々的に騒がれました。今でもその余韻があって、断続的な報道が見られたりしています: このテーマに関しては昨年来、noteでも複数回議論しているもので、予想されていた未来が統計で追認されたに過ぎないと思っています。例えば下記は昨年10月のnoteです: しかし、公にテーマが周知される中、「円安による為替要因であり、4位転落は騒ぎ過ぎで

出生率向上に住宅ローン緩和が重要!? ~ファイナンス視点で考える少子化対策~

 出生数の急減が止まらないことが話題で、対策について様々な意見が出ています。一部の研究者からは、人口減少を食い止めるラストチャンスは既に過ぎたという声も聞きます。むしろ、人口減少時代に合わせた国作り、企業経営が求められているとの意見も出ています。今回は、時すでに遅しという声はあるものの、何が出生数の上昇に有効かをファイナンスの視点で考察していきます。 日本の出生率、実は低くない? 日本の少子化問題は欧米と比較され低い値やダメなことばかり話題になり、日本の政策は駄目だ!と一刀

対GDP比の企業と家計の民間債務がGDP600兆円換算だとアメリカよりも180兆円も多い日本の過剰債務の実態を考えます。低金利で借金に借金を重ねて経済を回す借金依存体質の日本経済を考えます。

経済学と金融理論、会計、マーケティング理論の知識をベースに記事を書いてます。 またニューヨークを拠点とした全米で上位1%に評価されているヘッジファンドの分析手法を参考にしてデータ分析し予想してます。 米国の経済学者やヘッジファンドの分析レポートも日々読んで参考にしてます。 私の記事はデータ分析と予想が中心で用語解説も交えながら進めてるので初めて株を取引する人でも直ぐに理解出来て予想は参考になると思います。 データの内容は個人投資家がほとんど見たことが無いか見ないデータ

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日本は「仮面の黒字国」~「素顔」を知る努力~

統計上は経常黒字大国 2月8日、財務省が発表した2023年の国際収支統計は日本経済の現状や展望を議論する上で極めて有用な情報を与えてくれるものでした。過去1年ほど筆者のnoteでは国際収支関連の話題を中心に色々な議論を展開して参りましたから、この統計をもって一旦、総決算的な文章を書いてみたいと思います。 長文となりますが、「国際収支と為替需給」というテーマに関し、筆者の抱く問題意識を知って頂きたいゆえ、備忘録も兼ねて投稿させて頂きます: これまでのnoteをお読み頂いてい

米国の消費の強さ・日本との大きな違い

 ポイントは国民性とか消費意欲といったふわっとした話「以外」にあります...

日本が「医療費の安い国」でなくなった主因は、経済成長の鈍化

前回までの記事で、以前までは日本は「医療費が安くて、寿命の長い」世界がうらやむような医療先進国であったとご説明しました。しかしながら、近年ではそのような日本の地位は揺らぎつつあります。 はじめにほころびがでたのは、医療費の問題です。 2015年頃まで日本の医療費はOECD平均よりも低く、日本は「医療費の安い国」であると思われていました。しかし、2015年にこの状況は一転し、日本のGDPに占める医療支出の割合(GDP比)が11%を超え、加盟国中でアメリカ、スイスに次ぐ第3位

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日本の債務バブルとバブル崩壊の過程に入っているリセッション入りをデータ分析して行きます。バブル形成と崩壊のメカニズムについて考えて行きます。また財政破綻や財政の持続性も考えています。

noteではS&P500、ナスダック、日経平均の終値をEPS、PER、益回り、金利、イールドスプレッド、経済学や金融理論などから独自に理論値を算出し 何%割高 何%割安 と日々分析し解説しています。 ドル/円は経済学の理論と過去30年のデータと通貨の価値の本質から独自に理論値を算出し毎月、月末のドル/円を予想しています。 経済学と金融理論、会計、マーケティング理論の知識をベースに記事を書いてます。 またニューヨークを拠点とした全米で上位1%に評価されているヘッジフ

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日本経済がリセッションに向かっていると分かる歴史的なマクロ経済のデータを見て行きます。

noteで有料記事を書き始めて10ヶ月が経ちましたが読者は過去最高の125人まで増えました。 目標は100回でしたが達成出来たので200人に上方修正しました。 noteではS&P500、ナスダック、日経平均、ドル/円の理論値を算出し予想しています。 米国政府発表、経済指標、株、債券、為替、商品など20前後のデータを日々分析し解説しています。 S&P500やナスダック、日経平均の理論値は日々算出し経済指標やマクロ経済の基礎データを日々分析してます。 国債や社債市場も分

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「欧州の病人」から離れていく企業

直接投資に映る「ドイツ離れ」 過去のnoteではドイツ経済が長期停滞局面に入った可能性を取り上げさせて頂きました: 最近の日本では2023年のドル建て名目GDPの仕上がりに関し、人口規模で圧倒的に勝る日本がドイツに追い抜かれそうであることが話題ですが、「日本がドイツに追い抜かれる」という事実をもってドイツ経済の現状と展望が明るくなるわけでは全くないでしょう: 2023年、先進国では唯一のリセッション見通しに陥っているのがドイツであり、そのドイツにも追い抜かれてしまいそうな