唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)

慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『欧州リス…

唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)

慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『欧州リスク: 日本化・円化・日銀化』、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』、『「強い円」はどこへ行ったのか』。所属学会:日本EU学会。※コメントは個人的見解であり所属組織とは無関係です

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円の現在地~24年上期の振り返り~

正真正銘の最弱通貨 早いもので本日から2024年も下半期に入ります。というわけで、2024年上半期を終えたところでの円の現在地を整理しておきたいと思います。 結論から言えば、円の現在地は悲惨な状況と言わざるを得ません。今回のnoteでは対ドルの変化率に限らず、実効相場や他通貨の動向も踏まえながら、今の円がどういった場所に立たされているのかを示したいと思います。これは前回のnoteでも強調しましたが、ドル/円相場の話ばかりしても見えてこないものがあります。多くの方に読んで頂き

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      「隠れ円安」の意味 ドル/円相場が再び160円を突破し、注目度が高まっております。この点、「隠れ円安」というフレーズを紙面上で目にしました。厳密には6月19日付の日本経済新聞における「『隠れ円安』進行、英ポンド200円突破 及ばぬ介入神通力」と題した記事がそれです: 調べて見ると、この「隠れ円安」という言葉は2023年11月および今年2月にも登場しており、周囲でも耳にすることが何回かありました。認知度は相応に高いようです。しかし、「隠れ円安」と表現すると仰々しく聞こえますが

      • 日本、米財務省「監視リスト」復帰の読み方~杓子定規の結果~

        為替政策報告書と監視リスト復帰 先週来、ドル/円相場は騰勢を強め159円台で推移している。FRB高官発言を受けて利下げ観測が後退していることが主たる材料であるものの、6月20日に米財務省より公表された為替政策報告書で日本が1年ぶりに「監視リスト」に復帰したことを円安材料と指摘する声も見受けられます: 米財務省は監視リスト対象になった国を含め、為替政策報告書では以下のような国々に関し、独自の基準をベースにして分析を進めております: しかし、実態を見れば見るほど、そのような解

        • EUによる財政是正措置勧告~フランス極右政党 vs. 欧州委員会~

          前回のnoteではフランス政局と金融市場について、QA方式で事実の整理を行いました。今後は財政規律を巡って欧州委員会とフランス極右議会の対立が市場の焦点となる可能性もあります。とりわけ先週、欧州委員会が7つの加盟国に対して財政是正措置勧告を出したことが話題になりました。「これは一体どういうニュースなのか」という照会も頂きましたので、今回簡単に説明します。 ※なお、メンバーシップは通常月5本ですが、今月はオマケで6本ということにて・・・(お約束しているので減ることはないですが

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          円の現在地~24年上期の振り返り~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          正真正銘の最弱通貨 早いもので本日から2024年も下半期に入ります。というわけで、2024年上半期を終えたところでの円の現在地を整理しておきたいと思います。 結論から言えば、円の現在地は悲惨な状況と言わざるを得ません。今回のnoteでは対ドルの変化率に限らず、実効相場や他通貨の動向も踏まえながら、今の円がどういった場所に立たされているのかを示したいと思います。これは前回のnoteでも強調しましたが、ドル/円相場の話ばかりしても見えてこないものがあります。多くの方に読んで頂き

          EUによる財政是正措置勧告~フランス極右政党 vs. 欧州委員会~

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          前回のnoteではフランス政局と金融市場について、QA方式で事実の整理を行いました。今後は財政規律を巡って欧州委員会とフランス極右議会の対立が市場の焦点となる可能性もあります。とりわけ先週、欧州委員会が7つの加盟国に対して財政是正措置勧告を出したことが話題になりました。「これは一体どういうニュースなのか」という照会も頂きましたので、今回簡単に説明します。 ※なお、メンバーシップは通常月5本ですが、今月はオマケで6本ということにて・・・(お約束しているので減ることはないですが

          EUによる財政是正措置勧告~フランス極右政党 vs. 欧州委員会~

          フランス政局と金融市場に関するQ&A~5つの視点で整理~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          既報の通り、現在の金融市場では俄かにフランス政局の行方が材料視され始めています。元々、EUから帰任し、マーケットに入り、直ぐに欧州債務危機が起きて、そこから色々なところに使って頂けるようになった筆者としては「懐かしい」という雰囲気を覚えます。恐らく少なくない市場参加者もそう感じているのではないかと察します: 簡単に今起きていることをQ&Aにしてまとめさせて頂きました。いつもとは毛色が違いますが、注目度は高いと思いますのでご参考頂ければ幸いです。

          フランス政局と金融市場に関するQ&A~5つの視点で整理~

          機関投資家級の存在としての家計~「皆やってるから」の破壊力~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          遂に2023年通年分を超えた「家計の円売り」 依然、円安相場が収束する兆しが見えてきません。こうした中、日経新聞からはオルカンを槍玉に上げるような記事も出てきました: 実際、どれほどの規模に達しており、それが示唆する未来としてはどのような展開が考えられるのか。今回の本欄で考えてみたいと思います。財務省統計から明らかになっている数字は「凄まじい」の一言に尽きます。

          機関投資家級の存在としての家計~「皆やってるから」の破壊力~

          対内直接投資に死角は無いのか~GDP vs. GNI~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          対内直接投資促進の「負の側面」 ドル/円相場は高値圏で一進一退を繰り返しながらも、依然、円安局面を脱死とは言えない地合いが続いております。米5月CPIはとりあえず加速せずに済んだものの、FRBの利下げ期待が増し、円高は進んでいるものの、「まだ150円台か」という思いを抱く向きも多いのではないかと察します: かかる状況下、本noteでは円安を新常態と捉えた上で円安抑止の処方箋に関して思索を巡らせてきました。その際、やはり王道としては対内直接投資の促進が期待されると強調してきま

          対内直接投資に死角は無いのか~GDP vs. GNI~

          「ほぼトラ」と欧州防衛~金融市場の目線~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          「もしトラ」で接近する欧州と中国 目下、利下げ局面入りが話題になるユーロ圏ですが、この点は以下の議論をご参照頂くとして、今回は若干毛色の違ったトピックを取り上げたいと思います。具体的には政治経済的な視点からユーロ圏の経済・金融情勢を読み解いてまいりたいと思います: 報道でも少しずつ取り扱いが増えている印象ですが、米大統領選が近づくに連れて、その市場への影響を問われる事案は確実に増えています。ドル/円相場について言えば、変動為替相場制移行後の経験則を踏まえ、円安・ドル高材料

          「ほぼトラ」と欧州防衛~金融市場の目線~

        記事

          フランス政局と金融市場に関するQ&A~5つの視点で整理~

          既報の通り、現在の金融市場では俄かにフランス政局の行方が材料視され始めています。元々、EUから帰任し、マーケットに入り、直ぐに欧州債務危機が起きて、そこから色々なところに使って頂けるようになった筆者としては「懐かしい」という雰囲気を覚えます。恐らく少なくない市場参加者もそう感じているのではないかと察します: 簡単に今起きていることをQ&Aにしてまとめさせて頂きました。いつもとは毛色が違いますが、注目度は高いと思いますのでご参考頂ければ幸いです。

          フランス政局と金融市場に関するQ&A~5つの視点で整理~

          貿易収支の近況~鉱物性燃料がなくても・・・~

          今回は珍しく指標解説のような記事も入れてみたいと思います(そういうのもたまには、という声もいただきましたので)。早押しクイズ的で賞味期限の短い記事はあまり好みではないですが、メンバーシップ外の記事として、また、備忘録として残しておきたいと思います。 今朝、財務省から本邦5月貿易収支が発表されました。収支は▲1兆2212億円と2か月連続の赤字で、水準としても4か月ぶりに1兆円台に乗りました: 輸出に関しては自動車や半導体製造装置、半導体等電子部品が軒並み前年比で2ケタの伸び

          貿易収支の近況~鉱物性燃料がなくても・・・~

          機関投資家級の存在としての家計~「皆やってるから」の破壊力~

          遂に2023年通年分を超えた「家計の円売り」 依然、円安相場が収束する兆しが見えてきません。こうした中、日経新聞からはオルカンを槍玉に上げるような記事も出てきました: 実際、どれほどの規模に達しており、それが示唆する未来としてはどのような展開が考えられるのか。今回の本欄で考えてみたいと思います。財務省統計から明らかになっている数字は「凄まじい」の一言に尽きます。

          機関投資家級の存在としての家計~「皆やってるから」の破壊力~

          FOMCを終えて~中立金利上昇と円安~

          利下げは最速で9月開始、遅くとも12月に着手 既報の通り、6月11日から12日かけて開催されたFOMCは現状維持を決定しました。簡単に備忘録として私の基本認識をまとめておきます。今回は目先のお話ゆえ、誰でもお読み頂ける記事です: メンバーによる政策金利見通しは年内利下げ回数(予想中央値)に関し、従前の3回から1回へ下方修正されています。6月7日の米5月雇用統計が強含んだことからこうした織り込みは既に進んでいました: しかし、FOMC直前に発表された米5月消費者物価指数(C

          対内直接投資に死角は無いのか~GDP vs. GNI~

          対内直接投資促進の「負の側面」 ドル/円相場は高値圏で一進一退を繰り返しながらも、依然、円安局面を脱死とは言えない地合いが続いております。米5月CPIはとりあえず加速せずに済んだものの、FRBの利下げ期待が増し、円高は進んでいるものの、「まだ150円台か」という思いを抱く向きも多いのではないかと察します: かかる状況下、本noteでは円安を新常態と捉えた上で円安抑止の処方箋に関して思索を巡らせてきました。その際、やはり王道としては対内直接投資の促進が期待されると強調してきま

          対内直接投資に死角は無いのか~GDP vs. GNI~

          「ほぼトラ」と欧州防衛~金融市場の目線~

          「もしトラ」で接近する欧州と中国 目下、利下げ局面入りが話題になるユーロ圏ですが、この点は以下の議論をご参照頂くとして、今回は若干毛色の違ったトピックを取り上げたいと思います。具体的には政治経済的な視点からユーロ圏の経済・金融情勢を読み解いてまいりたいと思います: 報道でも少しずつ取り扱いが増えている印象ですが、米大統領選が近づくに連れて、その市場への影響を問われる事案は確実に増えています。ドル/円相場について言えば、変動為替相場制移行後の経験則を踏まえ、円安・ドル高材料

          「ほぼトラ」と欧州防衛~金融市場の目線~

          ECBの読み方~利下げ局面入り~

          利下げ局面入りの宣言 今回は珍しく早打ちのような解説をしてみたいと思います(一応、欧州の専門家でもありますゆえ・・・)。どなたでもお読み頂けます。 既報の通り、ECBは7日開催された政策理事会で主要政策金利を▲25bp引き下げることを決定しました。利下げは2019年9月以来、4年9か月ぶりです。既にスイスやスウェーデンなど先進国中銀の利下げプロセスが始まっていますが、ECBもこれに加わった格好です。預金ファシリティ金利は4.00%から3.75%へ、主要リファイナンスオペ金利

          33年連続「世界最大の対外純資産」の意味するもの~誇りか、虚しさか~

          33年連続世界最大の対外純資産 5月28日に財務省から2023年末時点の「本邦対外資産負債残高」が公表されました。常に需給要因を円相場分析の中心に据える筆者にとっては極めて重要な統計であり、毎年定年チェックを欠かしておりません: 2023年末時点の日本の対外純資産残高は471兆3061億円と5年連続で過去最大を更新し、33年連続で「世界最大の対外純資産国」のステータスを維持しています。資産・負債の別に見ると、対外資産残高は前年比+11.1%の1488兆3425億円、対外負債

          33年連続「世界最大の対外純資産」の意味するもの~誇りか、虚しさか~

          「今度こそ違う」~副総裁講演に思うこと~

          結局、労働市場次第なのか 5月27日に行われた日本銀行金融研究所主催の国際コンファランスにおける内田副総裁の基調講演が債券市場で話題を集めています: 実際、今後の利上げ軌道を約束するかのような強い語気の目立つ講演という印象を強く受けました。内田副総裁は「現在の物価を巡る動向の変化が、不可逆的なデフレからの構造変化を意味するのか、あるいは、単に世界的なインフレによってもたらされた一時的な現象にすぎないのか」という自問自答から講演を切り出しています。 これに対する回答として、

          「今度こそ違う」~副総裁講演に思うこと~

          再び炸裂したECBのブログ砲~会合軽視 or 多様化~

          妥結賃金は加速、ECBは冷静な対応? ECB政策理事会が接近しており、利下げが確実視される中、照会も増えているので筆者の見解を提示しておきたいと思います。こちらの記事は誰でもお読み頂けます。 ECBウォッチの上で重要な情報として、5月23日はECBの「次の一手」を占う上で極めて重要なデータである1〜3月期妥結賃金が公表されています: 伸び率は前年同期比+4.69%と2四半期ぶりに加速しており、先行指数として注目されていた求人広告賃金(1~3月期平均で約+4.00%)からの

          再び炸裂したECBのブログ砲~会合軽視 or 多様化~

          FOMC議事要旨と円金利上昇に思うこと

          追加利上げ示唆も市場は落ち着き ECBの議論をしたところで、ちょうどFRBの議事要旨も公表されましたので、こちらも簡単なメモを作っておきたいと思います。直近の指標や金融政策運営については基本的にメンバーシップに限定せず、誰でもお読みできるものにして参りたい所存です(指標や政策運営の早打ち解説のようなコンテンツに有償の価値は無いと私は思います): 22日公表されたFOMC議事要旨(4月30日~5月1日開催分)からは改めてFRBの利下げが難しそうな実情が透けました。特にスタッフ

          ユーロ圏経済、「底入れ」は不都合な真実?

          ECBの先行利下げに何ら違和感なし 今回は欧州に目を向けてみたいと思います。情報が日米に偏るのは仕方が無いのですが、月に何回かは欧州にも目を配り記事を配信したい所存です(欧州関係は皆様、読める記事にしておきます)。 トランプ大統領再選、いわゆる「もしトラ」を控えて政治的な挙動が注目を集める欧州ですが、その件は別の機会に議論するとして、今回は「FRBに先んじてECBが6月にも利下げに踏み切る」というシナリオがほぼ確実視されている状況について考えてみます。これはユーロ圏消費者物

          ユーロ圏経済、「底入れ」は不都合な真実?