フランスの小説「星の王子さま」サン・テグジュペリの世界
「とても簡単なことなんだ。心で見ないとよく見えない。大事なことは目には見えないってことさ」
著者であるサン・テグジュペリと、小さな王子さまの孤独を知って、人は子供から大人になる。
“おとなは、みんな、最初は子どもでした(でも、そのことを忘れずにいるおとなは、多くありません)”
出典星の王子さま Le Petit Prince より
心で感じることのできた、子どものころのあなたへ。
ある日、この物語の語り手であり、挿絵も手がけるパイロットが、飛行機の故障でサハラ砂漠に不時着します。そこは、誰一人としてたよる者もいない、生死の境を彷徨うような世界でした。
星の王子さまと、象を呑み込んだウワバミの絵
筆者を思わせるこのパイロットは、子どもの頃にある絵を描いて大人に見せたことがあります。一匹の大ヘビの絵です。しかし、それを見た大人は、誰もつまらなそうに、これは帽子の絵だといいます。そこでパイロットが大ヘビの体の中を描いてみせます、上の写真です。
サハラ砂漠に不時着した次の日の朝、パイロットは不思議な少年の声に目をさまします。それが星の王子さまです。王子は、ボクの住んでいる星の草とりのための羊の絵を描いてとパイロットにたのみます。いくつかの羊の絵を描いてみせます。そして、あの大ヘビの絵も描いてみせました。王子は、その外見の絵を見た瞬間に、ボクは象を呑み込んだヘビの絵などは頼んでいないと言ってのけます。
一軒の家ほどの大きさの星からやって来た王子は、地球に来る前、様々な星を訪れていました。そこにいた大人達は、みんな、子どもの心を忘れた、毎日を、ただのつまらない“おとな”として生活を送っている人達でした。
王子の星では、一日に何度も日の出と日の入りを見ることが出来ます。小さな火山があって、それを煙突掃除します。バオバブの木が育ちすぎて、星を占領されそうにもなります。そして、大切にして風よけのつい立てを作り、ガラスのフードをかけて、愛していた一輪の薔薇の花もありました。
王子はバラのことを好きでしたが、バラの花は、その王子の気持ちを解ってはくれませんでした。
“砂漠はすこしさびしいね…”
“人間たちのところにいたって、やっぱりさびしいさ”
王子とパイロットは会話を交わし友達になります。王子はバラの花の秘密を教えてくれるキツネに出逢い、パイロットと一緒に砂漠に一杯の飲み水のための井戸をさがします。
最後にパイロットと王子さまの別れの日がきます。サハラ砂漠のその場所の絵をパイロットは描いて、残しています。この童話をじぶんは十三歳の時に読みました。そして、その最後の挿絵のことを考えて、涙しました。
星たちが美しいのは、目に見えない一本の花のせいなんだ…
出典星の王子さま Le Petit Prince より
砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ…”
出典星の王子さま Le Petit Prince より
あなたの心の中にも星の王子さまはいます。
何かのお役に立てば幸いと、綴って行く所存で御座います。ご厚情に感謝致します。