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真面目な人間が損をする世の中はイヤだ
中学3年生のとき担任だったK先生の口癖が、今だに頭をよぎる瞬間があります。
「真面目な人間が損をする世の中はイヤだ」
覚えているのは、言葉のみ。
どんなシチュエーションで、どんな人に向けられたものかは覚えていません。
ただ、言葉だけでも十分、先生の伝えたかったことはわかります。
「真面目な人間が損をする」
残念ながら、こういう状況が珍しくないということは、大人になってから気付きました。
社会のルールをしっかり守って、他人への思いやりもある、真面目な人。
一方で、悪人とまではいかないにせよ、「このぐらいなら許されるだろう」と、ルールを破る人。
後者のルール違反が見過ごされて、何も罰が与えられなければ、ルールを守った人は損をすることになってしまうんですよね。
たとえば、限定商品の発売日。
「○○時から整列を開始します。それより前は並ばないでください」
と、お店からアナウンスがあったとします。
しかし、規定の時間よりも前に並んでしまう人が、結構いるんですよね。それも、なかなかに高い確率で。
どうしてもその商品が欲しい人なのか、はたまた転売目的なのか。
そこで、お店側がしっかりとそのフライング人たちをチェックしていれば良いのですが、スルーされてしまった…なんてこともあるそうです。
(私は実際に遭遇したことはありませんが、Twitterなどでそんな嘆きを目にすることがしばしば)
ルールを守って並んだ人が結局買えなかったら、もう最悪。
まさに「真面目な人が損をする」構図の完成です。
シーンは違えど、こういう構図は決して少なくない。
あえて具体的には書きませんが、今のコロナ禍においても、K先生の言葉が頭に響く瞬間は多いです。
真面目な人には称賛を、ルールを破った人には罰を。
当たり前のことですが、それが本当の意味で当たり前になれば、世の中がもっと生きやすくなるのではないでしょうか。
それが目に見えにくくても、真面目な人のおかげで世の中が回っているのは間違いなくて、もし真面目な人が「真面目にやってるのがバカらしい」とさじを投げてしまったら、それはきっと大変なこと。
ズボラを自称する私も、社会のルールに関してはおそらく「真面目」な部類。
正直「バカらしい」と思うことはありますが、K先生の「真面目な人間が損をする世の中はイヤだ」という言葉を思い出すと、少しほっとします。
K先生、元気かな?
中学卒業以来会ってないけど、数年前教育実習で母校に行ったとき、どこかの学校の副校長先生になったことだけは聞きました。
今でもどこかで、この言葉を伝え続けていてほしいなと、心から思います。
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