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何とも思っていなかった人と付き合ったきっかけを振り返る夜

昨日、振られました。
あまり悲しくありませんでした。

彼氏だと思っていた人は、私のことを「気の合う人」としか思っていませんでした。彼氏にとって、私は不都合な真実だったのでしょう。

彼氏、もとい元彼ですが、ルックスがいいわけではありませんでした。
身長が180cmあったことが、私にとっては嬉しい事実だったことは確かです。顔のつくりは濃くて、お世辞にも整ってはいない感じで、清潔感はあるものの、丁寧に手入れをした顔ではありませんでした。肌も年齢相応、ちらかというと脂質や毛穴が目立つ方。


お世辞にも好みではない外見の方と、なぜお付き合いをしたのでしょうか。
今夜はそのことを、振り返って考えてみようと思います。


振り返ること今年の1月。
仕事の相談を都内某所でしたことがきっかけでした。
1軒目で仕事の話を終え、ホテルに誘われたのですが、丁重にお断りをしました。ここまでは正しい振る舞いでした。


彼は手をつないできました。
私は「ホテルには行かないけれど、もう1軒飲みに行こう」と誘いました。


彼と2人で飲むのは初めてで、それまでは数人で会うことばかりでした。



1軒目では「恋愛の方は」と聞かれたり、「家族は」と聞かれたり、ああこれは恋愛初期におこる事情聴取だなと思った覚えがあります。子どもの頃から今に至るまでの経歴調査。この流れで相手の気持ちをわかっていなかったといえば嘘になります。


下心が思いっきりある相手と、よく2軒目に行ったと思います。外見は特に好みではなかったのですが、生理的に拒否感をもよおす相手ではなかったのです。(これ大事!)


また1軒目で仕事の相談に乗ってもらっている負い目もありました。彼に対して、無下に扱うこともできませんでした。


2軒目はベトナム料理の店で、ベトナムのお酒とスイーツを頂きました。酔って帰れなくなったり、終電を逃すわけに行かないので、会計も早めに済ませました。


お店の階段を降りて、駅に向かおうとしたその時。


不意に彼が私のことを、思いっきり強く抱きしめてきたのです。
何事かと慌てふためき、「どうしたの、大丈夫」と声をかけました。
それでも強く強く、抱きしめられたまま1分以上いたでしょうか。


彼が腕をゆるめたときに、「もう、どうしたの」と顔をあげたところで唇を塞がれました。ディープキス。案外、キスが上手。


イヤじゃない、
その感覚は、はっきり覚えています。


好きではない、でも、イヤではない。


彼は腕時計をみて、まだ22時前であることを確認して、私をホテルに誘いました。私は断ることもせず、ついていきました。そのときに私の気持ちは、「恋」という形になったのかもしれません。


なんて軽い女なんだ、と思われても仕方がないのですが、流れに任せました。服を全部脱がずに、とりあえずセックス。終わってから私のことを見る彼の視線は、今までに見たことのない穏やかな笑顔でした。


終電で帰宅した私は、すでに気が動転しており、ワンナイトなのかどうか確認できずにいました。それから役半月悩むことになります。



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