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こころの赴くままに訪れた街にはきっとその理由がある。いま世界一周出発前の予定ルートを改めて見て思うこと。

せっせと書きかけだったブログから転載作業を行っているところだが、ちょうど、どんなルートで旅をするかという所信表明をした記事に出くわした。あれから3、4年経つ。実際に自分が旅してきた軌跡は決して忘れることはないが、当初の予定に関してはすっかり忘れてしまっていて、改めて読んでみると自分でも驚いたのでnoteで一記事書いてみることにした。

ちなみに元の記事は出発前日の23時56分に投稿されていて、このときにやっと世界一周をするという実感が湧いてきたと綴られている。予定ルートを忘れている一方で、この感覚はよく憶えていた。

いよいよ明日朝の飛行機で、世界一周の旅の幕が開きます。
2週間に実感がわかないと吐露していました。それが昨日まで続いて逆に心配だったんですが…今になってやっと実感がわいてきました。びっくりするほど、ドキドキ、ワクワク、ビクビクしてます。心臓に手を当ててみると、これでもかというくらいに鼓動が速い。猛ダッシュしているときのボルトの鼓動ってこんなんなんだろうな、多分。


予定は未定

私は「世界一周航空券」と呼ばれる、大手航空アライアンスが販売する航空券と現地手配のバスやLCCを組み合わせて旅をした。「世界一周航空券」には出発時点で全ての区間を予約していかなければならないルールがある。ただ出発後も日付やルートの変更は可能で、実際に何度か変更も行った。

出発の時点での予定はこんな風だ。

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(オレンジ=世界一周航空券、ピンク直線=陸路移動、ピンク曲線=LCCなどその場で手配する飛行機)
5月中旬~6月中旬:中国
6月中旬~7月後半:ラオス、ベトナム、タイ(カンボジア、ミャンマー)
7月後半~8月後半:インド、ブータン、ネパール
8月後半~9月中旬:トルコ、エジプト(ジョージア ※カタールは乗り継ぎのみ)
9月中旬~1月頭:ヨーロッパ、モロッコ
1月頭~1月初旬:アルゼンチン、チリ
1月初旬~1月中旬:南極
1月中旬~2月後半:チリ、アルゼンチン、ブラジル
2月後半~3月初旬:ペルー、ボリビア
3月初旬~3月後半:メキシコ、キューバ
3月後半~4月中旬:アメリカ(ニューヨーク基点)
4月中旬~5月初旬:アメリカ(ロサンゼルス基点、ハワイ)
5月13日までに帰国

旅の予定と実際に行ってきた旅は、割と序盤から乖離がある。
ラオスとベトナムが予想外に居心地よく、カンボジアとミャンマー、ネパールに行く時間を確保できなかったし、当時はISILが今よりも忙しく活動を行っていて、「行きたい」という思いだけで強行したところで、初海外に等しいバックパック旅の知識や経験では安全をカバーできないと中東は泣く泣く諦め、代わりにインドに50日ほど滞在。南米は思っていた以上に大きく、移動に時間がかかったり、パタゴニアでのトレッキングが楽しくて、結局ブラジルは丸々カットした。

もちろん予定や計画が大事だと身につまされた瞬間もあったが、どんなに予定を立てたところで所詮は自由気ままな放浪旅というやつだし、現地で出会った人の話や自分の興味関心によって訪れたい場所も変わってくる。それでも毎回後ろ髪をひかれる思いでその街や国に行かない決断をしていたし、今になって「やっぱり行っておけばよかったな」と思うこともある。
けれども振り返ってみると、「"なんとなく"ここはいいや」と飛ばした次の街や国、「"なんとなく"ここに行ってみようかな」と訪れた場所でのいい出会いや思い出がたくさんあるのだ。


こころにしたがって旅をしてみれば…

自分でもとても驚いたのだが、当初はカナダを旅する予定が全くなかったようだ。正確に言うとナイアガラだけニューヨークから日帰りで訪れる予定だった。

予定が変わったのは文字通り本当のたまたまで、「デリー→カタール→イスタンブール→ロンドン」というルートを「デリー→コロンボ→ロンドン」に変更したので世界一周航空券の搭乗可能区間が1つ余ってしまったため。アメリカにかなり時間を取っていたので、ニューヨークとロサンゼルスの間に挟める都市を探し、なんとなくバンクーバーに飛んでみることにしたのだ。渡航を決めたところで最初は興味がわかなかったので旅人に出会うたびに「バンクーバーって何がありますか?」「どこに行けばいいですか?」という主体性も何もない質問を繰り返したことをよく憶えている。


人生とは不思議なもので、そんなカナダが今では私が一番恋焦がれる国になってしまった。


つまるところ、これは何かに導かれた結果なのだと思う。自分の意思が強かったか、なんとなくだったのかに関わらず、”こころが赴く”というのは何かのメッセージなのかもしれない。こういう神秘的な考えは信じる半分、茶化す半分で生きているけど、世界一周の旅中やその後のワーキングホリデーではそう思わざるを得ない体験を本当に多くした気がする。

小説『アルケミスト』にも、”本当に自分が望んだことに対しては宇宙が力を貸してくれる”というような文章があり、まさにそんな体験もあったし、カナダに導かれたのは、私の”レジェンド”には、どんなかたちにせよカナダが絡んでいるのだと、今回出発時点でのルート計画を振り返って思った。


海外なんかじゃなくても、バックパッカーじゃなくても。日帰りでも、近所の街歩きだとしても、もしこれからなにかしらの"旅"にでる人は、そういえばこんなこと言ってる奴がいたなって、自分のこころの声を聴きながら旅をしてくれたらとても嬉しい。

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