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【気になる生態】 #14 桁違いの"貯食"「ホシガラス」

自然丸ごと貯蔵庫にして冬を超える鳥たちがいます。

彼らは餌が少なくなる冬を前に、貯食という行動を取ります。

せっせと色々なところに餌を一時的に隠して、必要になったら取り出すというシステムです。

その中でも今回注目したのがホシガラス

カラスということで雑食ではあるのですが、主に松ぼっくりの中身を割りその中の種子を好んで食べます。

どのくらいの数を貯食するのでしょうか。

標高2000m以上の山地に住むホシガラス。

以前冬を越すために特に貯食の数がすごいということを聞いたことがあり、今回改めて調べてみることにしました。

毎年、32,000個ものマツの種子を貯食。その1ヵ所当たりの貯食個数は平均3.7個、ということは貯食場所は8,600ヵ所以上に及ぶ。他の動物にとられた分を差し引いても、種子は大量に残り、発芽する。マツの種子は、長距離分散型貯食によって、ハイイロホシガラスのエサとなる食べ物も増えるから、両者には共生関係があり、これは「共進化」の結果だとしている。
     http://www.forest-akita.jp/data/bird/61-hoshi/hoshi.htmlより引用

この文章にホシガラスの全てが集約されていました。

まず、貯食する数。32000個!?

圧倒的な数字はもはや想像することができません。

実際にこの数全てを食べるわけではないので、予備の数も含まれているんでしょうね。

しかもそのひとつひとつの場所を記憶しているというから驚きます。たまに忘れられることもあるようですが、8割近く正確に貯食の場所を探し当てるようです。

やはりどの種類のカラスも頭がいいんですね。

冬場の雪が降った地面でも貯食した場所を探し当てることができるのも本当に記憶力が驚異的な証拠。

人間が行ったことある場所にもスマホのマップを使う時代なのに、そんな多くの場所をどのようにして覚えているのでしょうか。

しかもホシガラスなどは、ただ貯食した場所を覚えているだけでなく、すでに回収した場所の記憶や無くなっていた場所の記憶、貯食した餌の種類の記憶までしているようです。

ホシガラスは、天敵となるヘビなどが活発になる前の季節に子育てを済ませるためと言われていて、そのために貯食という行動が必要になるということです。

そしてそんなホシガラスが食べなかったり、忘れられたおかげでマツも繁殖できるという生態系の形。ヨーロッパでは「森を再生する鳥」とも呼ばれています。

動物と植物が支えあって生きているということを改めて感じることができました。

ちなみにですが、ホシガラスの巣は高地にあるということで大変見つけにくく、他の鳥の巣がほとんど見つかる中で、最後まで見つからなかったひとつだったそうです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!


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