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【気になる生態】 #23 青く輝く”清流の宝石” 「カワセミ」

近所の大きな公園には池があり、カワセミの撮影スポットになっています。実は都心にもカワセミは生息していて、休日には高そうなカメラを持った方たちがその美しい姿をフィルムに収めようとベストポジションを探しています。

私も度々見かけることがあり、遠くからでもわかる青とオレンジの組み合わせはとても美しいです。清流の宝石と呼ばれるカワセミですが、私はこの色を見るといつもアイスのブルーシールを連想します。

日本に生息する鳥の中でも抜群に色味が綺麗だと思います。

実は青色の部分は実際は青色ではなく、光の干渉によって美しく見えるそう。このような色のことを構造色と言うらしいです。

CDのキラキラした部分も構造色による発色になります。自然界で言うとモルフォ蝶の羽も構造色です。コガネムシなども同じですね。

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色に特徴がある動物は餌を食べることでその色の美しさを維持するのですが、構造色を取り入れているカワセミは光さえあれば異性にアピールできるというメリットがあります。

青さが時間帯によって変わるので、多くの方が写真に収めたくなる理由もわかります。そんな人間にとっては美しく見えて見つけやすいカワセミですが、自然界では青もオレンジも保護色となっていて天敵にみつかりにくいそうです。

どのカワセミも同じような色味なのかと気になったのですが、世界には95種類もカワセミの仲間がいるそうで、青色だけでなく赤いカワセミもいるようです。これは保護色にはならなそうですね。

しかしどの種も特徴的で可愛らしいです。

そして、カワセミは餌の取り方も特徴的です。

水面が見える木などに留まりダイビングして魚を捕まえます。この時に役立つのが体の3分の1ほどある長い嘴です。

この嘴は水や空気の抵抗を減らすために鋭い四角すいの形をしています。そのためカワセミが水に飛び込む際は水飛沫がほとんど上がりません。

この抵抗減らすことのできる構造は、走行の抵抗を減らすために新幹線の先端などに活用されています。身の回りの人間の技術にカワセミの嘴の利点が使われているのは面白いですね。

また嘴は、餌を取るためだけに活用されるだけでなく、巣穴を掘る際にもうまく使われます。

水辺近くの土の崖にこの嘴と脚を使って50cm~1m程の横穴を掘って巣を作ります。この時カワセミは嘴だけでなく短い足を使ってスコップのように穴から土を掻き出します。

一見ずんぐりむっくりな体つきですがその一つ一つに意味があるのです。

これからの繁殖の時期はカップルになるためにオスがメスへ餌をプレゼントする求愛給餌という行動も見られるので、池などの水辺の近くに行った際はカワセミの姿を探してみようと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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