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ぼっち在宅介護 水分を入れたら、できる事が増えるんだなぁ…な話

暑いですね…

昨日は、非常に暑かったので、
高齢者に水分が足りないとどうなる?と入るとできる事が増えるって話をちょっと書きたいと思います。


父は、とんでもない高枕王でした。

首がない、顎がない
ストレートネック!


極度に高い枕を好み、首からぐいっと頭持ち上げ、寝ながらテレビを見ると言う、ガッチガッチのストレートネックでした。(一年前、まだ喫煙していた時の写真です)

それが、だんだん寝たきりになると、悪循環を生み出しました。
体や首を動かす事が減り、皮膚から筋肉、スジや血管までもがガチガチに固まり、枕を抜いても形状記憶合金みたいに首が浮く様になってしまいました。

以前の訪問散髪屋さん
後ろ髪カット、まったく困らなかった…


散髪時に、枕を外してもらって後ろ髪をカットするのも困らないくらい、首が固まっていて、枕から浮いていました。筋力で維持できているわけではありません。固まっています。
(訪問散髪も姿勢の維持ができなくなり、今は伸びっぱなしを私がたまに刈ります)

これのよくない連鎖は…
首の後ろが固まると首の前も固まります。
首の前が固まると、鎖骨や肩周りの肉も強張り、首まわりがだんだん動かなくなりまして、座位を取るとき、首から頭が垂れ下がり、背中が丸まります。

皮膚や筋肉自体がカチカチなので動きがとりにくくなり、ボーリング玉重さの頭を上げる事ができなくなりました。し、垂れ下がる頭を支えるのがつらくなっていきました。

すると、喉は常に圧迫され、飲み込みや嚥下に関わる顎周りの筋肉もかたまり…
どんどん食べることが下手になっていきました。


で、水分なんですが…
やはり、水分を取ることで、血液が流れやすくなり、脳へ新鮮な酸素がたくさん運ばれて認知力的にいい作用もあるのですが…
肌や筋肉にもいくし、口腔内や喉の中にも届くので、唾液も出やすくなるので嚥下もしやすくなったりします。


ただ、口から摂取をしようとしますと…これがなかなか難しくなってくるのです。

一度、体内、口腔内が渇き気味になると、口内に粘つきが出てきます。喉の奥で粘りのある痰や唾液が蜘蛛の巣のように貼り付き、新しい水分を飲もうとした時に、邪魔したり、押し返してきたりして、咽せてしまうのです。

そうすると、咽せるのが苦しいとかで
「飲むのが嫌だ、面倒くさい」となったりします。


あと、たくさん飲むと、トイレに回数行きたくなるため、「トイレが近くなる、面倒くさい」と、飲みたがらなくなったりもします。
ショッピングや外出がお好きな方は特にそうなるのではないでしょうか。


水分が一度たりなくなると、
脳の方もクリアに稼働しにくくなるし、心の余裕がなくなり、嫌なイメージがつきまとったりするようですが、
体や内臓も水分不足でパリパリギシギシと干からびはじめますので、動かしつらくなっていろいろが億劫になってくるように思います。


で、昨今の暑さは尋常じゃないので、温度管理された部屋にいる父ですら、平熱が上昇しています。水分を摂っても摂ってもなかなか追いつかないようで、様子を見ながら点滴も足していただいております。

すると、やはり、頭も冴えていますので、理由を話して、
⚫︎点滴を入れること
⚫︎鼻から粘りのある痰を吸引すること
⚫︎リハビリを受けて、首元を緩めること
⚫︎自分でもいつも以上に水分を摂ること
⚫︎カロリーのある食品も摂ること
を理解して受けてくれています。


これがなかなか「脱水状態」までいきますと、いちいち「イヤイヤ」状態に陥るのです。
これが介護においては一番厄介…
もう、理由なんか無茶苦茶なんだけど、全拒否になったりします。すると「脱水」がより進むと言う負のループに入りはじめるのです。


父は、昨日、土日を前に、点滴を入れることにしました。
早め早めの対処が、血管のしなやかさもキープしてくれますので。
(ま、点滴をし過ぎると血管の劣化ももちろん進みますので、介護される側の体調や介護レベルで決めていくところにはなるんですけれど…)


で、十分に水分があると、体のパーツの動きもいいようで、排便が摘便でなく非常にうまくできました。

摘便というのは、高齢になったり、麻痺の方など、自然排便ができない人の肛門から指を入れて、大便を摘出する医療行為になります。

高齢者の場合は、消化するのに時間がかかるようになったり、水分が足りなくなったりで、古い固い便が肛門を塞いでしまうことがあります。そうすると、高齢者自身の腹筋力や腸の運動だけでは押し出せないため、看護師さんにお手伝いいただいて排便するのです。


昨日の父。
なんと!最初から最後まで、ほぼ、自力で出せてしまいました!
もちろん、私が遠慮なくグイグイと腸マッサージをしたからなんですけれども。
看護師さんが、指を入れずとも、父の腹圧だけで、しっかりと押し出してきたらしいのです。

ここにきて、驚きです!ありえん!

しかも、お腹を壊したとか緩いのではなく、形ある便をしっかり出せたらしく、看護師さんが、驚いて感動していました。


もちろん、腸マッサージなしにはできないし、最後の最後は看護師さんが残便をチェックしてくださったりもありましたけれど…

肛門というのは、腸とかとすごく連動してるようで、出したいものがあればあくし、無くなってくるとしまってくるそうなんですけれど、その動きにスムーズに腹圧をかけられるのは筋力が戻ってきているからと、頭がタイミングを計れているということと、腸がそれなりに消化をし動く機能があるということなんです。

が、これは、いずれのパーツにも水分がある程度あってくれなくては、維持もできないし、しなやかに稼動もできないってことがありまして。

父の身体を眺めていると、そういう全てが連動しているんだー!ってことをすごく感じますし、水分が摂らなければ人は生きれないなーっも思いますし、人体の60%が水分だという事実も「そうなんだなぁ…」とつくづく思ったりします。


そうそう、脳血管性認知症になった母は、トイレに行くこと、水分を積極的に摂ること、オムツや紙パンツの利用、全てを嫌がり手を焼きました。

今思えば、すでに水分不足で、脳が「イヤイヤ」域まで達していたのかなぁと思います。

クーラーも嫌、デイサービスも嫌、病院も嫌。とにかく、人にあれこれ決められること全てが嫌でした。

時に乱暴な言葉吐いたり、荒れたり…
できないことをやりたがったり…
父や他の高齢者さんやスタッフさんを悪く言っては自分の地位を高めようとしたり…
お菓子が止まらず、ご飯を食べなかったり…
トイレに行くのに、ズボンを脱ぎながら歩き転倒して圧迫骨折したり…

じわじわと体の水分バランスが変わってきて、母の人体が炎症状態、すでに火事状態だったのかもしれません。


あー、あの時、早くにしっかりと水分を摂らせたり、点滴をしてあげれていれば、ちょっと進行が違ったかなぁと思ったりします。
今思えば、母は長年、便秘でした…


介護にきてくださるスタッフさんに聞くと、まだまだエアコンをされないお宅もあって、熱風が扇風機でブンブン回されていたりするそうです。

これって食品乾燥機と同じ原理ですよね…
どんどん体が乾いちゃう。

エアコンの風が嫌な方も多いとは思いますけど…この危険な暑さの中では、好みを言ってる場合ではありません。

が、水分が足りなくなって、脳も身体も炎症していたら、いくら話しても理解が追いつかないんではないかと思うのです。

まずは、水分をしっかり補給して、脳や身体を眠らせてあげる事が先なのかもしれません。

ギリギリまで我慢をさせますと、受け入れを拒否することも多くなります。
父がそうでした。
理解できなくなっていた時期がありました。

父は…認知症じゃないかもしれませんが、認知力はしっかり下がってはきてるとは思います。
(どっちも認知症だし、どっちも認知力の低下ですけどね)
でも、彼に伝わるようにシンプルに説明すると、必要なことと判断すれば受け入れます。


父は父だし、他の方はそれぞれで、いろんな条件や特性は違うのでしょうけれど…

もし、ちょっと困った!という事が続いてる介護をされている場合は、まずは水分補給!
水分補給のみを頑張ってみると…違ってくるのではないかなぁと今日思いました。

飲んでくれなきゃ、病院で点滴してもらうとか、往診してもらうとか。



介護される側もそうですが、介護する側も水分補給を忘れずに。

介護する側も、トイレが面倒ならば、こちらが紙パンツを履いてもいいくらいかと思います。
水分大事です。


エアコンのリモコン操作でいちいち戦う前に…水分補給、または、点滴をしてみてはいかがでしょうか。



追記)

今日は点滴で体がしなやかに
リハで首が真っ平らになって、爆睡中


今週の父は、外が暑くなればなるほど、部屋の中にいるのに、しっかり水分を摂ってよく眠ります。食事も効率的に摂取しています。

本能的に省エネモードに入っている模様です。

でも、声を掛けたり話をすると、しっかり反応も返しますし、好みもはっきり言えます。

鼻からの吸引は2回まで。3回目はしたくないらしいです(笑)

この後に及んで、ナチュラルに生命維持装置がしっかり動いているようで、見ているのが面白いです。

以上、水分摂取を第一優先にしているお話でした。

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