高山 遥

はちみつという団体で演劇をしています

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サカナの居る風景

作・高山遥/短編戯曲/登場人物:5人 以下からダウンロードをお願いします。

    • マームとジプシー『equel』をみた。

      2024/3/30 私の母校である、桜美林大学に併設されている劇場、ストーンズホールにて、マームとジプシーの新作『equel』を観ました。以下、感想です。 【公演詳細】 マームとジプシー「equal」 作・演出:藤田貴大 出演:荻原綾 尾野島慎太朗 成田亜佑美 波佐谷聡 召田実子 吉田聡子 <町田公演> 日程:2024年3月30日-31日 3/30(土) 16:00開演 3/31(日) 14:00開演 会場:桜美林学園桜美林芸術文化ホール ストーンズホール (町田駅・

      • ダイとアッコのラジヲ時間 Ⅰ

        深夜不定期に放送される架空のラジオ番組「ダイとアッコのラジヲ時間」 の放送後記。 パーソナルティのダイさんとアッコちゃんが、リスナーの皆さんから寄せられたメッセージを拝読します。 ダイ  さ、11時を回りました。     ここからは、皆さんから届いた、お便り         を紹介していきます。 アッコ はいっ ダイ  今週のメッセージテーマ…! 「私は、この曲で恋を乗り越えました」 ダイ   やっぱり恋愛に音楽はつきものですか      らねー。 アッコ  うんうん

        • 振り返る、我が4年間。

          先日大学を卒業した。 自分にとって重要だと思った作品、映画、演劇、本、音楽を6つピックアップ。 4年間で小屋入りした全22団体についても振り返る。 〇演劇 『夏の砂の上』作・松田正隆/演出・玉田真也     (2022年1月13日~1月23日@北千BUoY) 『バッコスの信女 ‐ ホルスタインの雌』 作・演出 市原佐都子 (2020年9月24日~9月27日@KAAT神奈川芸術劇場大ホール) 『青春の門~放浪編~』上演台本・演出 鐘下辰男     

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        • 戯曲
          5本

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          「すずめの戸締り」を観た

          深海誠監督の映画「すずめの戸締り」を観た。 コロナ第八派の影響は思ったより大きいようで、私もいつも通りに身動きが取れなくなった。仕方なく、いそいそと、こそこそと出かけた近所の映画館で観た。深海誠監督の映画「すずめの戸締り」。 予備知識も何もなく観たら、まさかのロードムービーだった(ロードムービー大好きなので一人で沸きました)。 高校生のスズメは、ある日旅をする青年草太と出会う。草太は、日本各地にある「後ろ戸」を閉めて回る「閉じ師」をしているのだと言う。その「後ろ戸」が開

          「すずめの戸締り」を観た

          誰も知り合いのいない所に行く。

          「誰も知り合いのいない所に行きたい」と常々思う。生きているとなんとなく「あっちの方に行けば皆んないる」とか「あそこに行けば答えがあるっぽい」みたいな気分で走り出してしまうことが多々あるのだが、そういう走り方をし始めた途端に、発する言葉の全ては他者とコミュニケイトする(した気になる)ための道具でしか無くなってしまう。探求の道具であることをやめてしまう。 そもそも、「みんな」なんてどこにいるというのか。 今仮に「みんな」と呼ぶことができる「みんな」が居るとして、あるいは在ると

          誰も知り合いのいない所に行く。

          春の朝、ベランダで

          春の朝、ベランダで 深夜のワンルーム。 開け放たれた窓から入ってくるそよ風が、息も詰まる静けさを和らげてくれる。 ソファにもたれている女。 虚空を見つめている。 風を感じているのだ。 女  ……。 「がちゃ」という音。 男が帰ってきたらしい。 男  ただいまー。 女  ……。 どたどたという足音をたてて男が部屋へ。 男  あれ。 女  あ、お帰り。 男  健吾は?(ビニール袋を渡して) 女  帰った。(財布を出そうとして) 男  なんだ結局帰ったのか。(テーブル

          春の朝、ベランダで

          「君が隣を歩くことについて」

          インスタントフィクション/作・高山遥 久しぶりに観た空の赤。 まるで別の惑星に来たみたいに感じる。 建物の出口で、 「やっと終わった」と思っていたら、 後からやって来て君が「あっという間だったね」と言った。 こんなに近くにいるのに、言葉だけがなんだか遠い。 僕の右側から、小さめの犬が、小さめの足をぽてぽてと動かしながら歩いてくる。 もっと頭のいい歩き方があるはずなんだけど、こうやって歩いたほうが愛されやすいことをこの犬は知っている。 飼い主と思われる女性は、右手にリード

          「君が隣を歩くことについて」

          インスタントフィクション「12月」

          作・高山遥 夕方には顔を出すと言っていたのに、結局あいつは来なかった。 タイムカードを押して店を出る。 西から吹く風が冷たい。 レポート課題の締め切りを思い出した。 ため息をつく暇もない。 コンビニに寄って暖かい飲み物を買う。 レジに並ぶ。 開いた財布の中には、今朝祖父から貰った一万円が。 「これでうまいもんでも食え」なんて言いながら渡されたけど、正直使い道に困る。 コンビニを出てしばらく歩くと駅前の大きな交差点に出る。 街はキラキラして浮かれているけど、明日になればまた

          インスタントフィクション「12月」

          夕日がとっても赤いから

          短編戯曲/作・高山遥/登場人物:4人/時間:5分 【場所】  ・公園 【人物】  ・男      三十代くらいのサラリーマン  ・女      中年。犬を散歩している。犬は本物だとノイズが大きす          ぎるので、ぬいぐるみ等小道具として作られたものがい          いかもしれない。  ・男子高校生  ・女子高校生 夕暮れ時の公園。ベンチが複数。 サラリーマン風の男が歩いてきて、ベンチに座る。荷物を残して立ち上がり、いったん舞台上から消える。カバンの中の

          夕日がとっても赤いから

          Teenager Forever ②

          作・高山遥/登場人物:9人/時間:十分 【場所】  某公立高校の体育館ギャラリー  複数の教室、空間を行き来する。 【人物】  ・マユミ     ・ケント  ・サキ      ・ケイスケ  ・宮田      ・ヨシキ  ・ムネト     ・先生  ・ユリ 【1】 高校二年生秋の球技大会。十月ごろ。男子バスケの決勝戦。 女子生徒の黄色い歓声とスポーツ男子がコートを駆け回る音とともに開幕。 ギャラリーにはすでに他の競技で敗北したマユミ、サキ、宮田が観戦している。 3人はあ

          Teenager Forever ②

          Teenager Forever ①

          【短編戯曲】 作・高山遥/登場人物:5人/時間:約5分 【場所】 地方 図書館のエントランス 【人物】 ・ムネト ・マユミ ・サキ ・白川 ・図書館の職員(司書) 場所は図書館のエントランス。 カフェのようなおしゃれな感じ。大きい窓がある。 同じ高校に通うマユミとサキが勉強している。 マユミ  いやだからさ、分母も分子もn二乗で割ればいいの。 サキ   5は? マユミ  いや項数は関係ないもん。 サキ   あ、そうだっけ。 マユ

          Teenager Forever ①

          学生寮

          作・高山 遥/登場人物:4人/時間:約5分 【1】 永沢、渡辺、谷は同じ寮の同じ部屋に住んでいる。 3月末のある日、午前中。 永沢はその日の夕方に退寮するため、荷物をまとめている。 渡辺は外出している。 谷は歯磨きをしている。が、やがて口をゆすぎ 永沢  なんかあんの今日 谷   え? 永沢  早いじゃん、起きるの。 谷   だって永沢さん朝からごそごそうるさいんスもん。 永沢  いやお前に言われたくねえわ。ああでも絶対こんな早起きしなくてもよかったなあ。 谷、髭を剃

          僕たちの居る風景

          「僕たちの居る風景」 作・高山 遥 【場所】 美術大学の学生食堂 【登場人物】 ・赤井 ・松田 ・なおこ ・食堂のオバちゃん 【1】 食堂のオバちゃんは舞台後方で食器洗いをしている。 赤井はチーズインハンバーグ 松田は豚の生姜焼きを食べている。 赤井  四限終わった後ってさ、まだ作業する? 松田  する。 赤井  画用紙一枚貸してくんない? 松田  画用紙? 赤井  うん。 松田  いいけど、 赤井  じゃあ取りに行くわ。 松田  あでも今日いつもと場所違くってさ、H

          僕たちの居る風景