#5 奇跡が起きた!
誰も話す人いないので、サザンの思い出書きまくってやろう!というこのブログ
時は世紀末、1999年のお話です
ボインボイン!
前の年、98年にベスト盤「海のYeah!!」購入によりサザン生活をスタートさせた僕
99年に入っても「海のYeah!!」熱は冷めることなく、約半年ほど聴き込みます
サザンを教えてくれた友人Uとは中学卒業後は別の高校へ進みましたが、連日のように電話で話し込み、様々なサザンの魅力や数々の伝説についてレクチャーを受けます
これが僕のサザン観の基礎になりました
この頃、「イエローマン〜星の王子様〜」がリリースされます
正直この99年の時点でこの曲を消化しきれたわけではありませんでしたが、高校1年の少年をザワつかせるキャッチーさのある曲でした
1番よく思い出すのが、この曲のリリース直後のある日、Uと買い物に出かけた日の夜の光景
買い物を終えた帰り道、何か食べて帰ろうと入ったラーメン天下一品
ラーメンをがっついていると有線からイエローマンが流れてきました
ほとんど聴いたことがなかったので、Uに「今回の曲どんなんなん?」と尋ねると「ん〜、なんかまた桑田がボインボイン!!とか言うてるわ!」との答え笑
僕よりも格段に音楽に詳しいUをもってしても、この曲のカオスな世界観は理解し切れていなかったんでしょうね笑
この部分が流れるとUが「ここ、ここ!」と言い、僕は「ほんまや!!ボインボイン言うてる!」
なんとも微笑ましい男の子同士の会話(ノスタルジィー)
HAPPY!!
「海のYeah‼︎」をしゃぶり尽くした僕は次なるアルバムへと触手を伸ばそうと目論みます
目をつけたのは、近所の中古CDショップにあった「HAPPY!」でした
もちろんこのアルバムの存在は知っていました
法被が付録に付いたベスト盤で、サザンファンは皆この法被を着てライブに行く
この当時の僕はそういう認識でした
つまりは、サザンファンにとってのマストアイテムであり、この法被を持っていなければライブにも行けない
サザンのライブの通行手形、そんなものだと感じていました
その「HAPPY!」は開封済み中古品だったこともありプレミア価格はついておらず4、5千円だった気がします
"え!?めっちゃプレミアって聞いてたけど、割と普通の値段やん!"
お金のない高校生にとって開封済みなんぞはどうでもいい話で、この値段であの憧れの法被が手に入るのなら夢のような話でした
数ヶ月睨めっこした後、お金が用意できたところで購入
これがまた軽々しく手を出してはいけない大変なアルバムでした
何がかと言いますと、僕にとって未知のジャンルの音楽が溢れていたことです
このアルバムは桑田さん自らが中心となって選曲したこだわりのラインナップで、メジャーなサザンのスタンダードナンバーはほぼ網羅されているものの、それ以外の曲は、「亀が泳ぐ街」、「女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)」、「東京サリーちゃん」、「愛は花のように(Ole!)」など、桑田さんの音楽性の幅広さを爆裂させた、キャッチーなヒット曲とは対極に位置するディープな選曲
15歳の少年にとって、これらの曲が耳に馴染むのにはそれなりの時間を要しました
今思えば、なんとか聴き込みましたが、わかった気になっただけで、ホントのカッコ良さは理解できていなかったです(できるわけがない笑)
僕はこのアルバムによって、サザンのとんでもなく幅広い音楽性をまざまざと体験しました
"このバンドの音楽はお前のようガキが簡単に理解できるようなもんではないよ"
そう言われているような気がしました
しかしそれが逆にサザンの音楽の奥深さを感じて、ワクワクしました
サザンのライブに行こうや!!
そんな99年も暮れに差しかかりつつあったある日、Uがとんでもないことを言い出します
U「年越しライブいこーや」
僕「は?横浜行くってこと!?」
U「そーや」
僕「え!?、、そらええとして、チケットなんて取れんのかいな?」
U「知らんけど、もうすぐ一般発売日やから、朝ローソン行こうや」
僕「わかった、、」
高校生とは言え、関西に暮らす15歳の少年にとって横浜は遠い遠い町でした
その町で毎年サザンの年越しライブが行われている事は知ってはいましたが、自分が行くなどとは考えたこともないくらい遠い世界のお話でした
世代的にも、サザンのライブに足を運んでいるのは自分よりもっともっとお兄さんお姉さんたち、というイメージがありました
例えるなら、田舎の高校生が東京のディスコに行くとか、カジノに行く、そんな感覚でしょうか
そして、この時の一般発売の方法が、当時はまだプレイガイド店頭か電話予約が主流だったと思うのですが、どういうわけかローソン内に設置されているロッピーで販売ページに直接アクセスするというシステムでした
僕は内心"またこいつは無謀なことを言うな チケット取れるわけない"と思いつつ、Uのテンションが下がるのを不憫に思い、話に乗っかりました
来たる一般発売日、学校が休みだったので土曜か日曜だったと思います
"取れるわけない"と内心思っていた僕は、乗り気になれないまま眠たい目を擦りUの家から最寄りのローソンへ向かいました
そしてロッピー前にスタンバイ
定刻になり画面の「サザンオールスターズ 晴れ着DEポン」をタップします
焦る僕「え!?どーする!? どの日にすんの?? とりあえず12月27日でやってみよ」
日程をタップし、枚数2枚を選択
、、、、
、、、、
やはり繋がらずその画面のままフリーズ
僕(やっぱりな、、そらそーや)
「あかんな、もっかいやってみよ」
最初の画面に戻り、再び12月27日をタップし、枚数を選択
、、、
次の瞬間、最終確認的な画面が出現!!
僕「え!!?? なんこれ!? いけたってこと!!??」
U「わからん!!とりあえず急げ急げ!!」
無我夢中でタップすると、レジでの支払いを指示する画面に
「え、、取れた、、てこと??」
「ウソやろ??、、」
半信半疑のままレジへ
淡々とした口調で金額を言う店員
お金を払う僕たち
夢を見ているかのような気持ちでローソンを出る無言の二人
、、、
、、、、
、、、、
「ええーーーー!!! 取れたやん!!!!」
奇跡が起きたのです
あまりに興奮し過ぎて、気持ちの整理がつかず何故かそのまま解散して家に帰りました笑
横浜行きが決まったUと僕
そしてこのライブがその後のサザン人生において、大切な大切な宝物になることをまだ僕は知る由もありませんでした
(続く)
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