乞うご期待

滲むどころじゃない汗を
誤魔化すために忍び込んだ
真夜中のプールサイド
それでもやっぱり怖くなって
流動体の月を眺めるだけだった
.
水底を這う魚は
抱きしめるその温もりで
火傷をする
.
必要に駆られた
乞うご期待も
度が過ぎたサプライズ
きらきらに着飾る
あの子が笑っている
執拗に盛られた
乞うご期待が
連れてくるサドンデス
ぼろぼろに疲れて
あの子と眠ってみる
.
.
弱みどころじゃない癖を
誤魔化すために黙り込んだ
明け方のプールサイド
そろそろしっかり寒くなって
流動体の月も小さくなっていた
.
星空を舞う魚は
吐き出したその溜め息で
火傷をする
.
唐突に撮られた
乞うご期待と
繰り返すサスペンス
真っ直ぐに縁取る
その手が曲がっている
一番に見つけた
乞うご期待を
突き止めるサイキック
今さらに焦って
その手で掴んでみる
.
.
私もあの子も水なのに
あの子も私も独りなのに
混ざり合えないまま
.
必要に駆られた
乞うご期待も
度が過ぎたサプライズ
きらきらに着飾る
あの子が笑っている
執拗に盛られた
乞うご期待が
連れてくるサドンデス
ぼろぼろに疲れて
あの子と眠ってみる
.
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梅雨という名前が、似合わなくなっただけなのかも。