ぐしゃぐしゃ

あの日の勇気に
花束を贈りたくて
もう何の涙かも判らない
ぐしゃぐしゃの顔で
笑ったんだ
.
.
雨のち晴れの天気予報
物憂げな面持ちは
まだ謎のままにしておきたい
不透明な窓硝子
.
割れた雲の隙間から
眩しく覗く青
きっと今日も知る
.
この手の限りに
花束を掴みたくて
もう何の気持ちかも判らない
ぐしゃぐしゃの胸で
守ったんだ
誰かのためにもならない
甘い強がりを
許してくれたこと
忘れない
.
.
雨でもいいと思いながら
懐かしい言い訳は
まだ夢のままにしておきたい
不釣り合いな明け烏
.
鳴いた町の帳から
優しく戦ぐ花
やっと空を見る
.
その目の形に
輝きを加えたくて
もう何の魔法かも判らない
ぐしゃぐしゃの部屋で
眠ったんだ
自分のためにもならない
苦い泣き虫を
信じてくれたこと
忘れない
.
.
あの日の勇気に
花束を贈りたくて
もう何の涙かも判らない
ぐしゃぐしゃの顔で
笑ったんだ
.
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おかえり、アイスクリン。