飛ぶ鳥

聴いてもいない音楽で
二つの耳を塞いで
読んでもいない文庫本で
狭い視界を遮る
.
他人事のままにした
一面のトピックは
半日と経たずに忘れられる
.
迷い込んだ森には
そもそも入り口がない
ファンタジーも
時と場合によっては
武器にだってなる
今はまだ一人でも大丈夫
多分きっともう一人で大丈夫
.
.
起きて間もない一本で
無口な部屋を満たして
迚も酔えないアルコールで
遠い昨日を裏切る
.
透明な色にした
言い訳とテロップも
半分は勝手に持って帰る
.
持ち堪えた空から
遥々飛ばされてくる
テレパシーも
時と場合によっては
雨になって降る
傘は差さなくたって大丈夫
多分ずっとそのつもりで大丈夫
.
判りきった明日なら
間違えようなんてない
ミステリーも
時も場合によっては
不意に泣けてくる
だから一人でも大丈夫
ここでやっとまた一人になれたから
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勝手に朝が来たんだよ。僕は呼んでもいないし、約束もしてないのに。もっと夜と話していたかった。カーテンだけでは防ぎきれない、圧倒的な光の多さ。もういいよ。おやすみ。僕は瞼の裏の夜に逢いに行った。