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部屋にこもって社会と接続する方法

高校生のときからずっと同じ部屋で、今も寝て起き仕事をしている。仕事とプライベートを分けるために、寝室に仕事道具を持ち込まないほうがいいという話を聞いたこともあるけど、私はベッドの上でノートパソコンを抱えて仕事をすることもままあるので、寝室に仕事道具を〜を提唱している人が見たら呆れかえるかもしれない。

仕事モードに自分をどうしても持っていけないときに、ベッドの上で仕事をすることで、今はプライベートな時間なのだよと自分を錯覚させながら文字起こしをしてることが多い。そうしているとだんだんと頭が動くようになってくるので、仕事机(かつての勉強机)に向かって、仕事モードで仕事をすることができる。

私は1週間を通してみてもコンディションの波が大きいし、1日の中でもグラグラと変わるので、スケジュール的には今これをやりたいのだが、具合が悪すぎてどうにもできないというときがある。そういう時に無理にパソコンに向かっても、何もできないまま具合は悪くなり時間は過ぎていくという最悪な状態になるので、最近は諦めて一度ベッドに倒れて、好きなラジオを流しながらぼんやりとしている。

そうすると具合は良くなってくるのだけど、当然〆切までの時間を犠牲にしているので、どこかでめちゃめちゃ集中して仕事をしなければならない。普通の集中よりは、周りのことが見えにくくなりやすいような、そういう少し強めの集中に入ることで、具合の悪さを自分で受け入れながら、仕事もどうにか落とさないようにする(具合悪い時点で早めに仕事相手に連絡を入れるようにはしている)。

このちょっと強めの集中状態は、私がずっといるこの部屋でしか保てない。
人によっては自室よりも喫茶店に行ったりするほうが捗るタイプもいるみたいだけど、私は喫茶店に行くと、人の移動(横を通るとか後ろを通るとか)がめちゃくちゃ気になってしまったり、仮に他に空席があったとしても、私がこの席を使っていることで本当に使ったほうがいい人が使えていないみたいな思い込みに囚われてしまって何も出来なくなってしまう。
学生の頃、勉強をするために塾や図書館の自習スペースを使ったときも、同じ感覚に囚われて、集中するどころかあらゆる自意識で頭の中がごちゃごちゃになったりしていた。

外は無理だから家でめちゃめちゃ集中したい私が、集中モードに切り替えるためのスイッチの1つとして使ってるのが、QuizKnockの「勉強LIVE」シリーズ。

長めの集中が必要なときはこの150分動画を何度も再生している。ポモドーロテクニックを利用しているので、25分集中5分休憩を繰り返すのだけど、25分間は本をめくる音とか、パソコン使う人の回はタイピングの音とか、そういう作業音しか聞こえない。なので、これを流しながら文字起こしだってできる。
集中しすぎて、この動画を流してることを忘れているときもあるから、文字起こししてる間に「はい!25分終わり!」という元気な伊沢さんの声が入ると頭が認識できなくて「この男の人の声何?!」とパニックになるときがある。でもそれぐらい集中できてるということでもある。

自分の席に安心して座りながら、誰かの作業音も聞こえる、25分経ったら勝手に教えてくれる、最強の自分のための図書館的自習スペースの完成である。

本当は、あまりこの強めの集中状態になる前に、もう少し日々の負荷が均等になるような仕事の仕方をしたいのだけど、今の自分の具合を無視せずに仕事もするとしたら、このスタイルを取るのが一番いい。休息が必要なときには思い切って休んで、回復してから集中してやるべきことをやるのが、今の私にとってはやりやすい。

持続可能ではないかもしれないけど、目の前にある大荒れのメンタルをやり過ごしながら、「社会人」としての私を維持するためにはこれが最適解という感じがする。

自分がずっと分からないから、試行錯誤していくしかないし、社会と接続することをなるべく諦めないようにしないといけない。

何故、社会と接続し続けなきゃいけないのか、ということについては自分の中に抱えている疑問の1つではあるのだけど、それは一人ではどうにもできないので、専門家と一緒でしか扱わない。

それにしても、不登校だった頃は家にいて仕事ができるなんてことを全く想定もしていなかったから、とにかく大人になるには外に出なくてはいけないと思って絶望していた。だから、コロナ禍という異常事態の中で、それに精神をすり減らされてはいるけれど、家にいても仕事ができる環境がたまたま生まれたことは、ひきこもり気質の私にとっては心の安寧を保つ要因になっている。ただ、このまま外に出られなくなりそうという不安も最近生まれているから、難しい。生きるのは相変わらずずっと難しいな。


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