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夏が終わっても、これからの僕はまだ始まったばかり。

夏の終わりに一句。

またひとつ 新たな旅へ 晩夏かな

先日28歳の誕生日を迎えた。毎年毎年、僕の誕生日を迎えるころ、夏の終わりを告げる。暑いのは嫌いで、人混みが多くなる夏の時期は嫌いだが、自分の誕生日を迎えるといつもいつも「また今年も夏が終わってしまった」と、惜しんでしまう。その日も普通に仕事をこなし、5時のチャイムを合図に今日も退勤。見上げた空は真っ赤に染まっていた。

刻々と色を濃くしていく夕焼けは夏の終わりを予感させ、僕はまた1つ歳をとって気持ちを新たにこれからも頑張っていこうという想いもある。そんな一句である。

自分の誕生日であることをTwitterで発信したところ、多くの方から祝福の言葉を頂いた。

インターネットでの繋がりでしかないのに、「おめでとう」というお言葉を頂けるのは何と不思議なことか。「読書が好きな者同士」であること以外、素性のわからない相手とこうして繋がっているのはインターネットの良いところである。もしこれがインターネットではなく、第3の居場所としてコミュニティ化できればなおよし。

個人的に、たまに僕のエッセイに登場する仲良しのフォロワー様が長文のLINEを送ってくださったのは、めちゃめちゃ嬉しかった。

「夏の終わり」を感じさせる楽曲も数多あるのだが、代表的な曲といえばフジファブリックの「若者のすべて」だ。

今や音楽の教科書にも掲載されているようだ。夏の終わりという時間の切り取りがうまく、文学的な歌詞に惚れてしまう。

この曲は、僕が高校生のときに、TSUTAYAでたまたま視聴していたとき、「久々に良い曲に出会えた!」という思い出がある。最新の高校の教科書に掲載され、夏の終わりが近づく哀愁を謳った歌詞に今の高校生は「この曲はエモい!」と思うのだろう。僕の年代でいうところの「木綿のハンカチーフ」を「エモい!」と感じる感覚に近いような気がする。

フォロワーさんは「音楽の教科書で知るんじゃなくて、ふとした瞬間に出会う曲だから良い」と言っていた。本当にそうだと思う。

個人的に夏の終わりに聴くと感傷に浸ってしまう曲をいくつか紹介しよう。

アニメ『ひぐらしのなく頃に』の挿入歌として使用されていた曲。凄く暗調なのにとても優しくて癒しをくれる曲だ。

「春の木漏れ日の中で」と始まるこの曲はてっきり春に聴くのがいいのかなと思っていたけど、僕は夏に聴くのがいい。心に響く懐かしい時代の詩を彷彿とさせる。

「夏の終わり」ってだけで寂しい感じするのだけど、こういった日常を謳った歌は、晴れた夏の日に聴くのがいい。

どの曲も夏の楽しさも、夏の寂しさも表現した曲で、曲中に夏を感じさせる仕掛けがあって良いと思ったので、ついでに紹介したかった。

特別、「夏の終わり」がエモく感じてしまうのは、僕の誕生日と重なるからである。小学生時代から高校生にかけて、夏休みがもうすぐ終わるという時期に自分の誕生日を迎えると、「あ、もうすぐで夏休みが終わる…」と、少々鬱っぽくなってしまい、嫌気をさしてしまう。

しかし、28歳の誕生日を迎えた今、これからの人生に想いを馳せる。年齢を重ねるにつれ、年齢の重みを感じるし、「また1つ歳をとってしまったなぁ」という嘆きもある。成熟した大人にまだなれていないなぁと思う反面、もっと、もっと、永久に平和で、最期を迎えたとき、「また生まれ変われるなら自分になりたい」と思える生き方をしようと思い始めたのである。

それは「夏の終わり」という、時間の区切れの中での終わりがあっても、僕のこれからはまだ始まったばかり。

だから

またひとつ 新たな旅へ 晩夏かな

という、俳句を詠んでみたくなったのでした。

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