生乳を残さず使いきれるありがたい保存食!似ているようで違う、私たちのチーズの特徴
こんにちは。ノースプレインファーム営業部の鈴木です。
私も前回の記事の道坂農場長と同じ、道外から移住してきました。出身はイチゴや餃子で有名な栃木県。仕事で千葉にいたこともありますが、ノースプレインファームに入社し、今ではおこっぺ歴8年目になりました。
営業という仕事柄、私は催事で販売を担当することもあるのですが、よくお客さまから「ノースプレインファームのゴーダチーズとセミハードチーズは何が違うの?」「ハードってどんな味?」「全乳でつくった、の"全乳"ってどういう意味?」など、数多くのご質問をいただきます。
確かに、私たちの作っているセミハードタイプのチーズは、青カビ、白カビタイプとは違い、見た目だけですと何が違うのか分かりにくいですよね。
ちなみに、ナチュラルチーズだけでもこんなに沢山の種類があります。
さまざまなタイプのチーズがある中で、私たちは「軟質チーズ(フレッシュタイプ)」のモッツァレラ(パスタフィラータタイプとも)と「半硬質チーズ(セミハードタイプ)」のゴーダをつくっています。
そこで本日は、私たちがつくるセミハードタイプのチーズのうち、基本のゴーダチーズ、セミハードチーズ、ハードチーズの特徴についてお話したいと思います。
ノースプレインファームのチーズづくりについてはこちらの記事もどうぞ↓
丸いチーズを作りたいという気持ちから生まれた「おこっぺ有機ゴーダチーズ」
ノースプレインファームで、チーズづくりが始まったのは1991年。
代表の大黒は青年期にアルプスの牧歌的な生活の中でチーズを美味しそうに食べている「アルプスの少女ハイジ」の1コマに深い感銘を受け、その憧れから、いつか自分のミルクでチーズ製造をしたいと熱望していました。
世界に多様なチーズがある中で、「ゴーダチーズを作る技術を習得できれば、あらゆるチーズ製造の基本になる」という考えのもと、オランダのゴーダチーズを参考に私たちのチーズづくりがスタートしました。
そして、最初に出来上がった「ゴーダチーズ」。熟成期間は3ヶ月~半年ほど。熟成期間を考慮し脂肪分を調整しています。
クセが少なく、食べると口いっぱいにミルクの旨味が広がるフレッシュでクリーミーな味わいが特徴です。その後、自社牧場の有機認証取得にともない、有機の規格で「おこっぺ有機ゴーダチーズ」になりました。
ノースプレインファームのチーズってどんなチーズですか?
と聞かれたら、一番最初にこちらの「おこっぺ有機ゴーダチーズ」をお勧めしています。
スタンダードな味わいでありながら、ミルクの旨味と熟成の絶妙なバランス。そのまま食べても、料理に使ってもおいしいチーズです。
原料の牛乳が新鮮だからこそ出せる味だと私は思っています。
ありふれたチーズですが、奥の深いチーズでもあります。
●おこっぺ有機ゴーダスモーク
続いて、先ほどご紹介した「おこっぺ有機ゴーダチーズ」を北海道北部の中川町の桜のチップでスモークした「おこっぺ有機スモークチーズ」をご紹介します。
スモークに使用しているチップは、中川町で木工作家をされている高橋綾子さんと知り合ったのがきっかけで使い始めました。作品を作るときに削った木片を燻煙材として使用しています。
桜の種類は「えぞやまざくら・しうりざくら」など。桜のチップはやさしいく甘みを感じられる香りです。
スモークすることで、ゴーダチーズのクリーミーさと牛乳の旨味に加え、嚙むごとに燻製の風味が口の中で広がります。ゴーダチーズをある程度熟成させた後に、スモークをかけています。
ミルクの風味が味わえる、全乳でつくった、「季節の有機セミハードチーズ」
次にご紹介するのが「季節の有機セミハードチーズ」です。
こちらのチーズでは「全乳でつくったとはどういう意味ですか?」と、よく質問されます。
確かに…全乳とは何ぞやという感じですよね。
簡単にご説明しますと、チーズを作るときには、熟成期間や作りたいチーズによって脂肪分を足したり抜いたりすることがよくあります。
しかし、この「季節のセミハードチーズ」は脂肪分を一切調整せず、搾った生乳をそのまま全て使用しています。それを「全乳でつくった」という表現でお伝えしています。
全乳を使うことで、夏は青草の風味が感じられ、冬は脂肪分が上がってコクがでる、など季節ごとの味の変化が楽しめることから「"季節"のセミハードチーズ」という商品名になりました。
短めの熟成期間で、クセがほとんどなくミルクそのものの風味を感じられます。そのまま食べるのも美味しいですが、サラダの上にのせたりサンドウィッチに挟んだり。小さなお子さんも食べやすいと評判の味です。
●有機セミハードチーズの桜のチップ燻製
続いて「有機セミハードチーズの桜のチップ燻製」のご紹介。こちらは「季節の有機セミハードチーズ」をスモークしたチーズです。
こちらのスモークも先ほどお話した「おこっぺ有機スモークチーズ」と同じ、中川町の桜のチップを使用しています。
「有機セミハードチーズの桜のチップ燻製」と「おこっぺ有機スモークチーズ」。見た目は似ていますが、食べ比べていただくと、違いにビックリされると思います。
「有機セミハードチーズの桜のチップ燻製」は全乳でつくっているため、スモーク感もありながらフレッシュなミルク感も感じることができます。
「おこっぺ有機スモークチーズ」はスモークの香りとミルクの風味、熟成の旨味のバランスを楽しむことが出来ます。
スモーク好きの方はもちろん、スモークチーズ初心者の方にもお勧めしております。ぜひ食べ比べをして感想を聞かせていただけますと大変嬉しいです。
こだわりの長期熟成、かむほどに旨味が広がる「おこっぺ有機ハードチーズ」
最後に、かむほどに旨味とミルクの風味が口いっぱいに広がる、「おこっぺ有機ハードチーズ」のご紹介です。
「おこっぺ有機ハードチーズ」は「おこっぺ有機ゴーダチーズ」をベースに作りました。とはいえ、まったく同じレシピではなく、長期熟成に適した工夫をしています。
ハードチーズといっても、ヨーロッパの硬質チーズとは違い、大きさや熟成方法はゴーダチーズとほぼ同じです。
「おこっぺ有機ハードチーズ」は原料乳の良さを感じながらも、1年以上の熟成によって生まれた味の深み、コク感があります。口の中で軽く転がしながら食べていただくと、きっとその旨みを感じていただけると思います。
このチーズには、白い結晶がところどころに見られることがあります。長い熟成の過程で、たんぱく質が分解されて旨み成分のアミノ酸として現れたものです。安心してお召し上がりください。
多くのチーズは常温(15度~20度)で食べることにより、本来の味を楽しめます
本日ご紹介した5種類のチーズは、そのままお召し上がりになる場合は常温で食べることをお勧めしています。
冷蔵庫から出したてのチーズは、味も香りも感じにくく、チーズ本来のおいしさを楽しむことができません。
※フレッシュタイプのチーズは冷たい状態でもおいしいです。
また、加熱するお料理などに使っていただくと、溶けたり焦げたりすることでより風味が強くなり見た目も楽しめます。
チーズはちょっとの工夫でよりおいしく食べられます。保存の方法、賞味期限の考え方など、いろいろな情報がありますので試してみてはいかがでしょうか。
本日は文字数の関係で、全てのチーズをご紹介できませんでしたが、私たちのつくる基本の三つのチーズの特徴について、ご説明いたしました。いかがでしたでしょうか。
同じセミハード系のチーズでも、熟成期間や脂肪分を調整することにより、様々な味を楽しむことが出来ます。
チーズは長期保存でき、生乳を残さず使いきれる先人の知恵から生まれた食べ物です。これからも、牛からいただいた恵みを最後の一滴まで大切に使い、チーズづくりに励みたいと思います。
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