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牛乳って、搾ったミルクをパック詰めするだけじゃないの?牛乳の「殺菌」のお話

みなさんは、乳牛から搾ったミルク(「生乳(せいにゅう)」といいます)が、どのようにして「牛乳」という商品になるのかご存知ですか?

「え? 牛乳って、搾ったミルクをパック詰めするだけじゃないの?」
もしかしたら、そう思われた方がいらっしゃるかもしれません。

けれど実は、生乳が「牛乳」として商品化されるまでには、牧場で搾って工場に運ばれた後、検査、殺菌、また検査、など、いくつもの工程を経ています。

創業以来、こだわり続ける「低温殺菌」

生乳が牛乳になるまでの工程で、もっとも大切なのが「殺菌」。牛から搾った生乳には、環境中の微生物が含まれることがあります。そのため食品として販売するには、人にとって有害な微生物を殺菌することが法令によって義務付けられているのです。

殺菌することによって、安全性が高められるだけでなく、牛乳の賞味期間を伸ばせるというメリットも。

殺菌の方法は、大きく分けて3つあります。

低温殺菌(63度以上で30分以上加熱する方法など)
高温殺菌(75度以上で15分以上加熱する方法など)
超高温殺菌(120〜150度で1〜3秒加熱する方法など)

文字通り、殺菌するときの温度と時間によって分けられるのですが、このうち、ノースプレインファームで採用しているのは、低温殺菌。パスチャライゼーション」、「パスチャライズ殺菌」などと呼ばれることもあります。

牛乳に含まれるたんぱく質は、加熱温度・時間によって変性します。

同じくたんぱく質が多い卵が、加熱の温度や時間によって風味や食感に差が出る(半熟卵や固ゆで卵など)のをイメージするとわかりやすいかもしれないですね。

たんぱく質が多い卵は、加熱の温度や時間によって風味や食感に差が出る

それと同様に、牛乳も殺菌の温度や時間によって味の差が生じます。

具体的には、殺菌方法が高温であるほどたんぱく質が焦げた風味が出てきます。しかし低温殺菌では、たんぱく質の変性が少なく、生乳本来の自然な味に近いまま、有害な微生物を殺菌することができます。

牛乳も殺菌の温度や時間によって味の差が生じる

低温殺菌は時間がかかり、生産効率が良いとはいえない方法です。そのため、現在、日本で市販されている牛乳のほとんどが、一定量の原料を連続的に殺菌できる超高温殺菌を採用しています。

けれど、ノースプレインファームでは、「搾りたての生乳のおいしさと安全性を両立させる」ことにこだわって、創業以来ずっと低温殺菌を続けています。

おこっぺ有機牛乳」について、お客さまからよく、「さらっとして飲みやすい」「舌触りがよい」「後味がすっきりしている」といった感想をいただきます。

おこっぺ有機牛乳

社内には搾った生乳の風味をそのまま確かめることがあるスタッフもいるのですが、そのスタッフたちも、同じような感想を言います。そんなとき「低温殺菌」だと、自然な生乳の味に近いんだな、と実感します。

「自然のままのおいしさ」を目指してあえて省いたこと

さらに、生乳が牛乳になるまでの工程には、一般的に「ホモジナイズ(均質化)」という処理をします。

ちょっと難しい話になりますが…牛乳中の脂肪分は、「脂肪球」という、粒子の状態で含まれています。

その粒は、自然な状態では大きさがバラバラ。そこで生乳に圧力をかけて、この脂肪球の大きさを小さく一定にそろえるのが、「ホモジナイズ」という工程です。

ホモジナイズの主な目的は物性を均一にすることで、飲むときの味が安定するメリットがありますが、人工的に圧力を加えることで、生乳本来の味からは少し離れてしまいます。

放牧地でのびのびと過ごす牛

また、ホモジナイズをして低温殺菌の場合、酵素の働きによって独特の臭みが出ることもあります。そのためノースプレインファームでは、牛乳のホモジナイズは行っていません。これをノンホモジナイズ製法といいます。

ノンホモジナイズ製法なので、時間が経つと上部に「クリームライン」という生クリームの層が浮かんできます。これは生乳を静置しても同じことが起こります。

初めて「おこっぺ有機牛乳」を飲まれた方は、浮いてきたクリームに驚かれるかもしれませんが、これは、ミルクが濃いのではなく「搾りたての生乳の状態」に近い証拠だと感じていただけたらと思っています。

ちなみに、この層はいわば「自然に得られた生クリーム」。飲む前にやさしくボトルを振れば混ざりますし、そのクリームをすくって、コーヒーに入れるなどして使っても、とてもおいしいです。

自然に得られた生クリーム

牧場の搾りたての牛乳のおいしさを味わってみたい。そんな方にはぜひおこっぺ有機牛乳をおすすめします!

オホーツクおこっぺ有機牛乳

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