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学校給食の牛乳は「おこっぺ有機牛乳」です

はじめまして。ノースプレインファームに併設している、直営店ミルクホール店長の雨宮です。今年、31歳になります。

普段はミルクホールで働いています

私は興部町の出身で、小学校の頃に給食で瓶入りのおこっぺ牛乳を飲んでいた世代です。牧場育ちの私は、家でもおこっぺ牛乳、給食でもおこっぺ牛乳。そんな環境が当たり前でした。

2013年ごろまで瓶で販売していました

牛乳の味に衝撃を受けたのは、中学校から札幌で寮生活をし、朝食に紙パックの牛乳が出た時のことです。まずい訳ではないし、飲めなくはない。
でも、これは私の知っている牛乳の味じゃない。

ノースプレインファームのおこっぺ牛乳が学校給食で提供されたのは

興部町で、ノースプレインファームのおこっぺ牛乳が学校給食で提供されたのは1995年のことです。

ノースプレインファーム代表の大黒が小さいころの学校給食は、大手メーカーの調整乳が給食で提供されていたそうです。「どうして地元の牛乳が地元で飲めないのだろう?」と感じた疑問を出発点に、「地元のものを地元の人に」という当時の目標の一つが、学校給食への参入でした。

当時は、農業の大規模化や分業化の政策上で新規メーカーの参入はさまざまな困難があったようですが「地元の牛乳が地元で飲めないなんておかしいんじゃないか?」という大黒の思いが通じ、乳製品の製造ができるようになり、町内すべての保育所・幼稚園・小中学校でおこっぺ牛乳を飲んでもらえることになりました。

その後、牛乳の消費拡大を目指して町内外の関係者で開発し、当社で作り始めた生キャラメルが2006年に大流行。
地域の素材を使い、じっくり育て、地域に根付く商品にしたいという思いとは裏腹に、爆発的な売れ行きとなり、人材や設備を投資せざるを得ない状況になりました。

地域の素材を使い、みんなの力でできた生キャラメル

ほどなくブームは去り、ピーク時の売り上げは半分以下に急降下し、人員の削減や事業の整理を余儀なくされ、給食事業も牛乳の容器を変更した2013年に断念することとなりました。

苦境を救ったのは、有機JAS認証の取得

酪農での有機認証は、飼料に化学肥料や化学的な農薬、遺伝子組み換え技術などを使用せず、一定の期間有機的管理を行った畑から育った「有機飼料」がスタートです。

その有機飼料を85%以上与えるなどした牛から搾った生乳が「有機畜産物」となり、有機認証の原料を95%以上使用し、食品添加物などに頼らずに製造したものが「有機加工食品」です。

昔からノースプレインファームが続けてきた酪農に、有機JAS認証という新たな価値づけができることを当時の社員たちが提案し、取得に動きだしました。

2013年に、有機飼料(牧草)、その後有機畜産物(生乳)と有機加工食品でも有機JAS認証を取得し(現在は有機飼料は有機畜産物に含まれている)、おこっぺ牛乳は「おこっぺ有機牛乳」として販売ができるようになりました。

ノースプレインファームの有機牧草地

反響は予想以上で、いままでとは異なる販路が広がったことにより、経営は徐々に安定していきます。

学校給食の再開への道

しかし、給食事業の再開に関しては、大黒はかなり慎重に考えていたそうです。給食の牛乳は入札制で、小さな会社では採算が合いません。

私が入社した2016年には、まだ興部町の学校給食は大手メーカーの牛乳でした。小さいころに当たり前に飲んでいたおこっぺの牛乳を、一度会社の都合で辞めてしまった経緯を聞き、興部町出身者としては、出来ることなら再開したい気持ちもありましたが、簡単にはできない事情も良くわかりました。

2019年に、学校給食の再開についての意見を集めた際に、私も含め同じ世代の社員たちが、自分たちが子どものときに当たり前に飲めていた地元の牛乳を、自分たちの子どもにも飲ませていきたいという強い思いがあり、学校給食再開へ動き出します。

興部町立興部小学校

経営への影響はどのくらいなのか?
配達は自分たちでできるのか?
やるとしても採算度外視しなければできない?
そもそも地元の方に受け入れてもらえるのか?
など問題を考えると尽きません。

しかし、町の子どもたちや保護者の方々の「おこっぺ牛乳を給食で出してほしい」という声もいただき、会社の原点をもう一度見つめなおし、2021年4月から8年ぶりに学校給食事業の再開を果たしました。

牧場でとれた牛乳を低温殺菌し、ボトルに充填

有機牛乳の学校給食への提供は道内2例目。
毎日の提供では道内初のようです。

再開してすぐに、直営店の常連の中学校の先生から「おこっぺ牛乳、残った分はじゃんけんで取り合いになってますよ」と教えていただいたり、保護者の方から「子どもが毎日おこっぺ牛乳が飲めることを喜んで帰ってくる」などの話をしていただきました。おこっぺ牛乳を通して、地元の学校や子どもたちの様子が知れることにとても感動しました。

ノースプレインファームの冷蔵車で学校へ届けます

ノンホモならではのクリームの浮上や、低温殺菌の風味への違和感がある生徒さんもいるようですが、牛乳の風味は本来多様性のあるものです。

大好きな興部町

興部の子どもたちが、成長してどこか別の地域に行ったとしても、おこっぺ有機牛乳を見かけたときに「ふるさとの牛乳は美味しい」と心に残る存在であれたら嬉しいです。

オホーツクおこっぺ有機牛乳


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