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易経

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#哲学思想

2.坤為地(こんいち)~大地を駆ける牝馬②

六十四卦の二番目、坤為地の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n5a6725f708ad

主爻主爻は六二です。乾に対して絶対的に柔順であり、乾の剛強なる元気のはたらきを受けて、そのはたらきを遍く四方八方に広げるものです。

初六霜を履みて堅氷至る。
象に曰く、霜を履みて堅氷とは、陰始めて凝(こお)るなり。其の道を馴致(じゅんち)すれば、堅

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1.乾為天(けんいてん)~昇り窮まり堕ちる龍②

六十四卦の一番目、乾為天の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n74ced87cf070

主爻主爻は九五です。龍としての修養が十分に出来上がり、天に飛び上がるべき色々な条件が備わって、雲に乗り、高く天上に飛び上がっているのです。

初九潜龍、用ふる勿れ。
象に曰く、潜龍用ふる勿れとは、陽、下に在ればなり。

(地の底に)潜み隠れる龍。これ

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64.火水未済(かすいびさい)~永遠の未完成②

六十四卦の六十四番目、火水未済の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/nc3befd89ba77

主爻主爻は六五です。九二と九四の補佐を得て、その柔順中正なる徳は光り輝いて天下に遍く行き渡ります。

初六其の尾を濡らす。吝。
象に曰く、其の尾を濡らすとは、亦、極を知らざるなり。

(子狐が川を渡ろうとして)尾を濡らす。(未熟にして)恥ずべき

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63.水火既済(すいかきさい)~物事の成就②

六十四卦の六十三番目、水火既済の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n073a2e6a4d50

主爻主爻は六二と九五です。六二の妻は九五の夫の元へと向かう途中で盗みに会うも無理に追わずして取り戻し、九五は隣村が盛大なるお祀りをするも真心をもって質素を旨とします。

初九其の輪を曳く。其の尾を濡らす。咎无し。
象に曰く、其の輪を曳くとは、義

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62.雷山小過(らいざんしょうか)~小さな負荷②

六十四卦の六十二番目、雷山小過の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/nb0f0dc78cc36

主爻主爻は六二と六五です。六二は行き過ぎず控えめにして比する九三に会い、六五は九三・九四の賢人の補佐を得て恵みの雨を降らせます。

初六飛鳥(ひちょう)、以て凶。
象に曰く、飛鳥、以て凶とは、如何ともす可からざるなり。

(立身栄達を謀って)鳥

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61.風沢中孚(ふうたくちゅうふ)~誠実なる心②

六十四卦の六十一番目、風沢中孚の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n99f239077923

主爻主爻は九二と九五です。中正にして応じてはおりませんが、応じない者同士が時間をかけて感応すれば、同じ徳が一緒になって、その効果は一層大きくなるのです。

初九虞(おもんぱか)れば吉。他有れば燕(やす)からず。
象に曰く、初九虞れば吉とは、志未

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60.水沢節(すいたくせつ)~物事の節目②

六十四卦の六十番目、水沢節の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/ncbe81ded7472

主爻主爻は九五です。他の爻は自分自身だけを節制しますが、九五は自分だけでなく天下万民にも節度を与えます。

初九戸庭を出でず。咎无し。
象に曰く、戸庭を出でずとは、通塞(つうそく)を知るなり。

(行く手が塞がり通行できず)戸内の庭より外へは出ない

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59.風水渙(ふうすいかん)~四分五散②

六十四卦の五十九番目、風水渙の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n0b888af31414

主爻成卦の主爻は九二と六四、主卦の主爻は九五です。九二は艱難の中にあって落ち着き安んじ、六四は公明正大にして九五を補佐し、九五はその助力を得て天下和合を果します。

初六用つて拯(すく)ふに馬壮んなり。吉。
象に曰く、初六の吉は、順なればなり。

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58.兌為沢(だいたく)~和楽愉悦②

六十四卦の五十八番目、兌為沢の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n7640e008759b

主爻成卦の主爻は六三と上六、主卦の主爻は九二と九五です。六三と上六はそれぞれ九二と九五に媚びを売りますが顧みられず、九二と九五はその誘惑に溺れることなく中道を貫くのです。

初九和(やわら)びて兌(よろこ)ぶ。吉。
象に曰く、和ぎて兌ぶの吉は、行

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57.巽為風(そんいふう)~命令の発布②

六十四卦の五十七番目、巽為風の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n90410693c05f

主爻成卦の主爻は初六と六四、主卦の主爻は九五です。初六は六二を疑い順いかねて、六四は九五に順い功績を挙げて、九五は巽順の時にあって慎重に事を運び大なる吉を得ます。

初六進退す。武人の貞に利し。
象に曰く、進退するとは、志疑ふなり。武人の貞に利し

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56.火山旅(かざんりょ)~放浪の旅①

六十四卦の五十六番目、火山旅の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n3541eabbf46e

主爻主爻は六五です。放浪先にてお上に真心が通じて、遂に官職を得るのです。

初六旅にして瑣瑣(ささ)たり。斯(こ)れ其の災(わざわい)を取る所なり。
象に曰く、旅にして瑣瑣たりとは、志窮まるの災なり。

旅の途中にして、せわしなく落ち着きがない。こ

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55.雷火豊(らいかほう)~盛大の窮まり②

六十四卦の五十五番目、雷火豊の爻辞です。
卦辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n206f84ff2717

主爻成卦の主爻は六二、主卦の主爻は六五です。共に不応ですが、明晰なる六二の徳が、やがて不明なる六五の心に通じて大いなる喜びを得ます。

初九其の配主(はいしゅ)に遇ふ。旬(ひと)しと雖も咎无し。往きて尚ばるる有り。
象に曰く、旬しと雖も咎无しとは

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54.雷沢帰妹(らいたくきまい)~礼を失する②

六十四卦の五十四番目、雷沢帰妹の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/n351e04b7c58d

主爻主爻は六五です。皇帝の妹が、付き添いの女官よりも質素なる服装で九二の臣下に嫁ぐのです。

初九妹(まい)を帰(とつ)がするに娣(てい)を以てす。跛(あしなえ)能く履む。征きて吉。
象に曰く、妹を帰がするに娣を以てすとは、以て恒(つね)あるなり

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53.風山漸(ふうざんぜん)~着実なる歩み②

六十四卦の五十三番目、風山漸の卦です。
爻辞はこちらです。
https://note.com/northmirise/n/nac04088448c7

主爻主爻は六二と九五です。いずれも急いで進まず、あるいは酒食に楽しみ、あるいは三年の時を待つのです。

初六鴻(こう)、干(みぎわ)に漸(すす)む。小子は厲(あやう)し。言有れども咎无し。
象に曰く、小子の厲きは、義、咎无きなり。

大雁が(水際か

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