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日本で起こる性犯罪と周囲からの”目”について

皆さんこんばんは

そしてメリークリスマス !

シロクマです。

本日は"怒り"をベースに私たちの身の回りで起こりうる性犯罪に関して書いていこうと思います。

作品では、

"自分に対する怒り"
"他人に対する怒り"
"社会に対する怒り"

など、さまざまな"怒り"が表現されていました。

そんな中、特に印象に残っているシーンが、広瀬すず演じる泉(いずみ)が、米兵に犯され、"どうしようもない怒り"に直面する場面です。

怒りを表現している作品なので、"アンガーマネジメント"などを題材にしようと思いましたが、既にそうしたジャンルの記事はネット上にたくさん存在していました。

ですので、今回はセンシティブな問題になりますが、日本の性犯罪、特に沖縄で起こった事件を起点に記事を書いていきたいと思います。


米軍基地

そもそも、日本にどれだけの米軍基地が存在し、それらがどこに位置しているかを把握している人はあまりいないのではないでしょうか?


日本の主な米軍基地は、
青森、東京、神奈川、山口、長崎、沖縄にあります。


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特に、国土が全体の約0.6%の沖縄には、全国の米軍専用施設面積の約70.6%が 集中しています。

米軍基地には、「米軍専用施設」と「日米共同利用施設」の2種類があります。沖縄は"米軍専用施設"の比率が全体の70%を占めています。


米軍基地の賛成・反対意見はさておき、数値的に見て、米軍専用施設の負担が他県よりも沖縄に集中していることが見て取れます。

これだけ、多いとなれば、米軍基地が存在することで発生する"問題"や"犯罪"が、県民の"不安"や"苦悩"となり、最終的に"怒り"となって世に露(あらわ)になることは不可避だと感じます。


事実、沖縄で起きる幾つかの性犯罪は、米兵が日本人女性を強姦したことによって発生しています。


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米軍基地周辺で犯罪が発生しているように見て取れます。

※罪を犯した米兵は決して許されるべきではないと思います。しかし、この記事は彼ら(アメリカ)を批判するためのものではなく、こういった現状が日本に存在し、今でもなお、このような犯罪や恐怖に耐えながらも生活を続ける国民がいることを一人でも多くの読者に再認識していただきたいという思いです。


なぜ声が届かないのか?

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米兵が起因して性犯罪が起こったのであれば、それら全ての問題は正当に処置されるべきです。しかし、それらを正当に起訴し、処罰を求めるための基盤があるとは言い難いのが状態です。

その原因は"国政"や"国民の理解"にあります。

次は、これらの原因を探るべく、話を進めていきたいと思います。


日米地位協定(国政)

これは、日本に駐留する米軍の地位に関する取り決めであり、この協定こそが、日本とアメリカの不平等を引き起こす原因の一つとなっています。

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在日米軍の(1)基地の使用、(2)訓練や行動範囲、(3)経費の負担、(4)身体の保護、(5)税制・通関上の優遇措置、(6)生活、に関する特権を保証

日米地位協定の中でも、特に問題だと思うのが、「公務中の犯罪は米側が裁判権を持つ」と定義されているところです。

極論、米兵が公務中に起こした問題として事件や犯罪を扱えば、日本側がそれらを第一次裁判権を持って処理できない。つまり、強姦や死亡事故など、本来厳重に罰せられる事件であっても、米兵の罪が"軽い処分"や"無罪"で扱われているのである。


公務中であったか否かについての判断は,米軍の部隊指揮官が公務証明書を出すか否かに委ねられている。(=アメリカの主導権


日本側が「異議申立」をすることも可能ではありますが、これまで数千と事例がある中で、歴史上たったの二件しか確認されていません。


これでは、

被害者がどれだけ必死に抗おうと

親族や友人がどれだけ国や加害者に訴えかけても

米兵には決して届かない"壁"(日米地位協定)があるかのように感じられるでしょう。

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それならばいっそのこと、女性の将来を考えた"不起訴"という判断が、苦渋の選択肢として浮かび上がるのだと思います。



それじゃあ米軍基地を日本から撤退させればいいのではないか?


と考える方もいるかもしれません。


実際、1966年にはフランスが、1992年にはフィリピンが、米兵を自国から撤退させました。

しかし、これらの国と日本では決定的な違いが存在しています。


・フランスとフィリピン

これらの国々は①"同盟関係を規定する条約"と、②"米軍駐留に関する協定"を別々に結んでいます。

つまり、②を撤廃しても、①の条約を基にアメリカとの同盟関係を維持することは可能です。


・日本

一方、日本の安保条約では、①同盟関係と②米軍駐在が切り離せない構造になっています。そのため、米軍を撤廃させることは同盟関係の消滅も意味することになるのです。

現状、日本の自衛力では他国からの圧力を米軍基地の抑止力を無しに維持することは難しいと言えるでしょう。

上記のような背景が理由で、不平等な関係がいつまで経っても改善されず、このような問題が闇の中に消えて行ってしまうのだと思いました。


まずは、国家間の関係が原因でこのような状態を招いている現状を理解していただけましたでしょうか?


次に、前述したような国際問題ではなく、更にドメスティックな原因にフォーカスして話を展開していきたいと思います。


セカンドレイプ(国民の理解)

皆さんは"セカンドレイプ"と言う言葉を耳にしたことがありますでしょうか?

セカンドレイプ(性的二次被害)とは、

強姦などの性的暴行を受けた者に対して、第三者が、性被害の苦痛を思い出させるような言葉を投げたり、被害を受けた原因の一端が被害者自身にもあったというような中傷めいた発言をしたりして、精神的な苦痛を与えること。

です。


つまり、性犯罪を受けた女性に対して、根拠のない誹謗中傷がマスコミやメディアを通じ、被害者に精神的なダメージを与えることです。


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伊藤詩織さん (日本のフリージャーナリスト、映像作家)
2020年9月23日、TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出された。彼女による、性的暴力の勇敢な告発で日本人女性の人生を永遠に変えた。政治的権力に近い被告人は刑事訴追を免れたが、彼女は12月に民事訴訟を勝ち取った」


伊藤さんは自身の受けた性暴力を告発し、メディアを通して公表しました。


この行動は非常に勇敢なものであったと言えるが、その反面、セカンドレイプの被害に直面するきっかけにもなりました。


例えば、下記の画像は漫画家の はすみとしこ氏 がtwitterに投稿した一枚の画像です。

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この絵を描いた はすみとしこ氏 はフィクションであると主張するが、右下の男が持つ"CLAP BOX"は、おそらく伊藤詩織さんが執筆した"BLACK BOX"を真似たものであり、相関性がないとは考え難い。

つまり、一般人による誹謗中傷だけでなく、政治家や著名人から根拠のない言動で精神的な被害を受ける現状があるということです。


信じがたいですね...


・性教育

また、このような事象の背景には、日本の性教育におけるレベルの低さがあるように感じます。

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極端な話、私が知る限りの日本の性教育は、性に対する表面的な理解に留まっているということです。

実際は、"避妊具の重要性(性病の脅威)"、ジェンダーの多様性(LGBTQ+)、ケーススタディ(マイノリティーの理解)、生物学的な性と社会的な性、など昨今の世界では当たり前のように認識されている性に関する情報を"共通認識"として若者を含む全員が理解しておくべきだと思います。

日本の一般的な"教育"レベルは比較的上位に位置づけているかもしれませんが、"性教育"レベルは世界的に見てもかなりの遅れを取っていますね。


最後に


いかがでしたでしょうか。


身近に起こっているはずの "性犯罪" を、"他人事"のように認識していた人は少なくないはずです。


中には、男性側の意見として、女性が仕掛けた"ハニートラップ"ではないか?と考える方もいるかもしれません。


しかし、結果がそうであったとしても、女性が正当に意見を述べられ、社会からの理解が得られる環境はあるべきだと思うのです。


今までこのような性犯罪を、自身や身の回りの人に、置き換えて考えてきたことは多くはありませんでした。


例えば、沖縄にいる従姪(いとこめい)や、将来生まれるかもしれない娘が、同じような性被害にあったときに、昨今の"国政"や"国民の理解"に憤りを感じずにはいられません。


この問題は女性だけでなく、誰の身にも突然と降りかかりうるものであり、放置するべき問題ではありません。


この記事をきっかけに一人でも多くの方に”性犯罪の現状"を認識していただければ幸いです。



最後まで読んでいただきありがとうございました。






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