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コロナ禍で差が広がった大企業vs中小企業は、もはや地球問題

この記事を読んであなたが得る利益


現代における大企業と中小企業の、広がりすぎた差異の現実に関する理解。あくまで欧米における現実であるが、あなたはご自身の経験や実感から、日本で何が起こるかを想像できる。朝礼などで話すといい。

「欧米では、大企業と中小企業の差異が問題になっている。私はこれは非常に大事な現代の現実であると考え、将来こうなり、ああなると考える。そして我社はこう生きる」という具合。

さて、今連載から、この連載で読者のあなたは何を得るか、ということをまず記載することにしました。

別に記事のタイトルがそれを物語っていますが、これを書くことで、私が書いている現在進行系の経済知識がどういう価値を持つかに関して、自分も意外な発見ができて、読者の皆様にもよりわかりやすい情報をお届けする事ができるのでは、と考えました。

パンデミックで増強された大企業の強み

さて、この記事はウォールストリートジャーナル8月2日2021年、つい一昨日の記事で、タイトルはAs economy rebounds, big companies` clout grows(経済が再び勢いづき、大企業の強い影響が大きくなってきた)です。

これは、近年GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の大きな経済力が常に世界経済を牛耳っているかが、問題になっていることで、クローズアップされている現実です。

記事のポイントは以下です。

イノベーションのパターンが変わった


これは、パンデミック前の話だが、企業の生産性がなかなか上がらないのは、大企業と中小企業の差のせいである。イノベーションは、これまで企業から企業へひろがり、それが経済を成長させてきた。

しかし、近年は大企業が尋常でない利益をあげ、規格外の報酬で有能な人材をかっさらっていき、中小企業はなすすべもない。イノベーションは大企業だけでおこっているのである。

研究開発に強い大企業


5500ものアメリカとヨーロッパの会社を調査したマッキンゼーのレポートによれば、2020年の第3四半期から現在まで、研究開発における成長の2/3は大企業ないし、高度に生産的な企業から来ている。この時期、これら大企業の売上は少しも落ちていない。一方同時期、中小企業の売上は11%落ちている。コロナ禍でも大企業は無傷なのだ。

数字で明らかになった大企業の一人勝ち


IMF(国際通貨基金)の調べによれば、先進国経済において、業界における集中、つまりある業界のマーケットにおけるトップ20企業のセールス合計に対して、トップ4企業のセールスがどのくらい占めているかの割合は、2000年から2015年にかけて増えている。

1980年から数えると、最低30%以上伸びている。これはパンデミック前の数字で、パンデミック後はまだ調査がないが、おそらく60%超の伸びになるだろう。パンデミックがなくても56%の拡張という予想だ。

大企業規制の難しさ

しかし、これを政府機関がどう規制するか、については具体策がない、という。

ペンシル大学ウォートン・スクール准教授のタンバー准教授(Prasanna Tambour)は、「とてつもない量のイノベーションが大企業から起こっている。政治家がそれを規制しようと下手になにか政策を立てると、イノベーションを阻害しかねない」と政策でのコントロールの難しさを語る。

コロナ禍で差が開いた

パンデミックの間、大企業は強大な経済力とデジタル能力を盾に、自分たちのビジネスモデルを改革し、新製品をどんどん開発した。一方中小企業はサバイバルすることだけに必死になるしかなかった。

GAFA以外の大企業の例

ヨーロッパの例を上げよう。ドイツ・ボイス(Voith)はドイツのエンジニアリング企業で、巨大水力タービンの三大メーカーの一つ。海外の水力発電所の保守業務に携わる。

膨大なカスタマーデータを利用し、水力発電所のエンジンルームにおける不規則音を探知するアルゴリズムを開発、不具合を探知する技術を開発した。従業員は2万人以上、ミュンヘンとベルリンにオフィスをもつサービス会社を最近買収。現在は探知はリモートで行っている。

中小企業の嘆き

米ピッツバーグのオプティマス・テクノロジーズ(Optimus Technologies)。バイオディーゼルエンジンの部品の製造会社で13人のスタッフがいる。部品、素材の購入は大企業と競合になる。サプライヤーは大企業優先になり、苦戦。投資も採用も大企業相手では勝ち目がない。


野呂の分析:大企業問題は政治問題であり、社会問題でもある

他の連載記事にも書きましたが、各国政府は建前的には公正、公平な競争こそが、経済の健全な成長につながると信じています。特にアメリカはそうで、バイデン政権は大企業を締め付ける方向です。

しかし一方でトランプさんが非難するように、政府与党の民主党は裏でフェイスブックやツイッターとつながっているのでは、との見方があります。

一体どのくらい本気で取り組むのは少し不透明ですね。これは先程出てきた、ペンシルベニア大の准教授の先生が「政治家はどうしていいかわからない」は、本音でしょう。変に規制をすれば、イノベーションを止めかねないというわけです。

これも以前noteで書きましたが、特にアメリカは中国との覇権争いがあるじゃないですか、中国のときの同じで、僕はバイデンさんは本気で大企業を規制するつもりはないと思いますよ。

ヨーロッパはまた別の話で、僕の知る範囲ではEUは原理主義者で、規制ありきの姿勢で、大企業はある程度規制されるんじゃないですかね。

EUのメンバーは、EUという中心体のいうことを聞くようにできてますから。

しかし、現実は記事にあるように、まさに弱肉強食ですよね、ベンチャー、スタートアップが苦労して新技術を開発しても、すぐにM&Aかけられたり、巨額投資でその技術を超えられたりして成果を乗っ取られてしまいますよね。

人材が勝負と言ったって、巨額のヘッドハントの一時金をちらつけせれば、人材なんか取り放題でしょ。

まあ、世界がこの問題、攻めあぐねているんで、僕なんかがわかるわけないでしょ。(笑)

でもでも、これからみなさんと経済、時事問題を考えながら、考えていきましょう。

日本人の知恵でなにか出てきたら、世界に教えてやりましょう。とにかくこれは世界が直面する一番大きな経済、社会問題の一つであることは間違いないですよ。

大事なことは、今の国際的な経済問題って、社会問題、政治問題でもあるんですよね。

だから僕は、経済だけじゃなく、政治、社会問題もこの連載で取り上げるのです。トランプ、バイデン、中国、大企業ネタはこれからも追っていきましょう。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

ではまた明日あなたと会えれば嬉しいです。

                             野呂 一郎

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