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漫画家になりたい人必見! 漫画家になるために何をすればよいのか
はじめに断っておかなければならないことがあります。
それは漫画家というイキモノには複数の種類があるということ。
漫画で食べていく、あるいは副業にするとしても「どのような漫画家になるか」で10代のころから進む道すら異なってきます。
ここでは数多ある漫画家の中で、ごく一部の種類の紹介をしていきます。
【大きめの週刊/月間誌漫画家】
一般的に漫画と問われると、彼らを思い出すでしょう。ジャンプをはじめとした漫画専門週刊誌、特定のジャンルを集めた専門月刊誌など日本には多数の漫画専門雑誌があります。
そのため、多くの漫画家志望の方がこういった雑誌を目指します。
ところでこうした漫画専門雑誌の漫画家で専業で食べている人は日本ではごく一握りしかいません。
枠と目指す人の比率から言っても、プロサッカー選手や野球選手になるより、実は難しかったりします。
例えば週刊少年ジャンプで連載して大活躍することは、司法試験に合格して弁護士になるよりずっと難しいです。
何なら漫画家目指すより司法試験に合格して週刊誌の法律助言役を目指すほうが簡単かもしれません。
では、そんな超難関な漫画家になるためにはどうすればよいのか。
1、持ち込み/応募
何のコネもない人間ができる唯一の手段が「持ち込み」あるいは「賞への応募」です。中には専門学校やイベントでの出張持ち込み何かもありますが、別にそういったものを利用せずとも電話で約束して直接持ち込みが可能です。
そして圧倒的に持ち込みが可能なら持ち込んだほうがいいです。1対1で直接担当者とそれなりの時間を独占してフィードバックがもらえるからです。
デジタルが許されている雑誌も多いですが、主要大手は原則アナログです。
アナログ原稿ができないと、主要な会社から見向きもされません。
担当編集がついたら、育成が始まります。
育成といってもカネも出ないしコネもくれません。ただただ描いて担当編集者に認めてもらえるまで一生やります。
ある程度したら賞への応募を打診され、そこで賞を獲得してようやく読み切りで掲載されるか審査されます。
例え掲載されてもカネとしては二束三文なので、連載・単行本までこぎつけてしかもそれなりに売れなければ、食うことはできません。
2、師事
漫画家の中でも週刊/月刊雑誌はめちゃくちゃクローズドな世界です。どちらかというと師弟関係がある芸事の世界に近いです。
一般社会では絶対に許されない、あるいは一般的ではない用語、風習、通例、やり取りが当たり前にあります。
日本人がアメリカや韓国の会社で働くより、日本人が週刊漫画家になるほうが異文化を感じることでしょう。それくらい閉鎖的です。
雰囲気としてはお笑い芸人事務所に似ています。
担当編集者がつくと、暗黙のノルマだけは無駄にあるくせに、すべて無料・無報酬でやらねばなりません。そして人によってはフィードバックが無理難題です。(あまりにやばいなら他社に持ち込んで乗り換えも検討していいくらい)
掲載が決まっても原稿料は二束三文で、最初のうちは時給換算数百円にも満たないでしょう。
となると、お笑い芸人と同じで無報酬時代はとにかく仕事やバイトをやって食いつなぎつつ、師匠(漫画家)のアシスタントなどをやりつつ師事も受けながら、技術を高めていく必要があります。
そして大半は一生芽が出ることなく、30、40歳となりフリーターとして一生を過ごします。
芸事と異なり、師事したところで芽が出るかは本人次第です。
通常のフリーターと異なり、一応、漫画家先生に師事目的でアシスタントやっていれば、その先生のアシスタントとして低賃金ながら暮らすことはできるかもしれません。
ただ、アシスタントのやり方は先生事に異なることがあるので、いわゆる転職は結構厳しい場合もあります。一生を捧げる覚悟はあるか。
3、Web漫画投稿
大手出版社が主宰するWeb漫画への掲載を目指しますが、どのみち持ち込んでいれば「Webでどう?(ある意味飼い殺しします宣言)」という打診をされることもあります。
【中小漫画雑誌/非漫画専門雑誌の漫画連載】
こういった漫画雑誌や出版社の漫画でも、アニメ化されることもあります。「らき☆すた」がその走りとされ、以後多くのアニメ化がありましたが、最近はトレンドではなくなったため、なろう系小説側からのアニメ化の量が多く表の世界に出にくくなりました。
こういった冊子の担当からすると「ジャンプとかに持ち込むより簡単になれそうだからと持ち込むやつが多い」ということで、下に見られがちなのが困ったことだと言います。
ただ、だからこそ門番としての担当編集者の目が厳しいです。
個人的に最初に持ち込むなら大手漫画雑誌にすべきです。
というのも、これは一般企業もあるあるですが「大手は新人育成する余裕がある」のに対して「中小は即戦力以外採らない」という傾向があり、それは漫画業界でも同じだからです。
4コマ専門雑誌や漫画以外がメインコンテンツの雑誌は、とにかく即戦力を求めます。
つまり最初から高い画力と内容が必須で、少し面白そうだから担当ついちゃおう。みたいなことは一切ないのです。
特に絵のクオリティを求められます。
雰囲気系の4コマ漫画あたりはその傾向が強く、絵がただ上手いだけじゃなく、ものすごい高いレベルの内容である必要があります。
一方でそうした技術や能力が備わってさえいれば、確かに大手週刊漫画雑誌ほどの受賞歴や漫画家としてのキャリア、修行は求められません。
ゆえに能力が高い主婦や副業という人が結構います(というより、そうでもしないと給料の面で生活が成り立たない)
こういった雑誌も基本的に持ち込みです。
何なら出張持ち込みやまともな賞すらない出版社もあるので、持ち込みくらいしか間口がないところも結構あります。
【非漫画系の企業案件専業者】
ある意味、最もコスパが良いです。世の中の専業漫画家の大半がコレではないか、というくらいいます。
漫画家といえば漫画雑誌。と思われがちですが、実際の漫画家の大半はこういった漫画雑誌以外で活躍する漫画家です。
世の中に名前が売れることはありませんが、仕事になりやすいです。
また、工夫することで大手漫画雑誌の原稿料の10倍くらいの値段で原稿が売れます。その代わり、出版とか印税といった面は皆無なので、製作費だけでどうにかする仕事です。
最近は大半がカラーです。またデジタルも含め画材が自由なところがあります。
企業に抱えられる場合もありますが、フリーなら自ら営業して案件を獲得せねばなりません。
自治体の刊行誌、観光案内、企業紹介、あるいは漫画動画など他のクリエイティブと合わせたサービスや商材など、幅広く活躍しています。
閉鎖的で旧態依然とした漫画雑誌業界と異なり、DX、マーケティングなどの方面に明るい必要があります。
どちらかというと広告効果を狙った統計、SEOやリード獲得といった方面に強いと有利です。
こういった分野では営業代理店業務を行う中間会社も結構あって、こちらも闇が深いとか有象無象ありますが、それは需要があるからですね。
【アシスタント専業】
基本的にアナログができないと仕事になりません。
デジタル漫画家のアシスタントもありますが、ほとんどグラフィッカーやデザイン業と変わりません。
なぜならツールがアシストするのでベタ塗や消しゴムかけといった単純な人力作業が発生せず、アシスタントが必要な業務が少ないからです。
ということで高給取りのアシスタント専業者は多くがアナログもできます。
そしてほぼコネで成り立っています。漫画家になり損ねてアシスタントとして開花した人や、漫画家先生に見初められてそのまま就職した人などもいます。
【Web漫画家】
大手から中小まで、Web漫画は数が多いです。
実際にアナログ刊行されている漫画の数より、圧倒的にWeb刊行のほうが多いです。
その分ライバルも多いです。
閉鎖的な持ち込み頼りの漫画業界で、新しい芽を獲得したいがためにWebでの投稿・発行をする場を各社作っています。
Webは在庫や発行リスクがないので、いくらでも採用できるという利点があり、場合によってはほぼ自由に投稿できるポータルサイトもあります。
ただ、ここから専業でやっていく人は1万人に1人もいないくらいなので、多くは副業でやっています。
ポータルサイトに頼らずSNSで配布してグッズを売る個人活動家もいます。
【同人漫画家】
クライアントが存在せず、オーディエンスのみの珍しい場です。
クライアントや担当などの依頼や指示なく、自分の好きなものを描ける点が最大の利点です。
ある意味、お金のことを考えるなら本業を持ちつつ趣味で同人をやって頒布するほうが最もコスパがよく安定します。好きなの描けますし、別にやりながら持ち込みもできます。
頒布という行為は、著作権保持者が「訴訟を保留している(お目こぼし)」からできることで、本来は著作権法上違法です。
また、頒布が販売と書かない理由は本来の同人の意義が「趣味で描いて仲間内で見せ合う。そのための製作費をカンパしてもらう」という、つまり儲けを一切出さないという約束の上で法律上グレーなことを暗黙の了解でよしとされてきたことでした。
現代では、同人漫画だけで家を建てたり1000万円以上の年収をコンスタントに出している人もいます。
また、同人漫画家出身で、大手雑誌の商業連載を勝ち取った人もごく少数ながらいます。
ある意味、本業しつつ趣味でやりながらもチャンスを掴むこともできる。というのが同人活動だったりします。
もちろん法的にはグレーであること。個人活動とはいっても収入があれば税をクリアしないとならないことは注意が必要です。
漫画家を目指したいと漠然と考えている方がいれば、自分がどれが最適か選ぶのも悪くありません。
漫画家になるためには長期間必要なことが多いですが、10代でも50代でも、何歳からでも始めることができます。
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