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イラストレーターになりたい!という人が重視すべきこと

あなたはイラストレーターは明日から成ることができる。
それは事実です。

技術も知識も要りません。
名刺を作り、イラストレーターと記載してあなたの名前を書けば、明日とは言わず今日からなることができます。

そんなトンチは要らないから、早くイラストレーターのなり方を教えろ!という方もいるでしょう。
しかし、それはトンチでもなんでもなく、事実なのです。

名を馳せる有名イラストレーターも、なんでイラストレーターやっているかというと名刺に自分でイラストレーターと書いて名乗っているから。それだけの理由でイラストレーターで居られます。

青年向け週刊マンガ書きに向いてそうな頭の回転の良さをお持ちの人なら、以下のことが理解できるかもしれません。

「イラストレーターという職業は身分が一切保証されていない」「無資格営業できる=誰でもできる仕事」ということ。
そしてさらに言えば「幼稚園児から100歳以上まで、すべての人が誰でも参加でき、誰でもライバル」な仕事ということです。

誰でもできる仕事

医者や弁護士と言わずとも、ガソリンスタンドの管理者から交通誘導の人、ビルの警備員、学校の先生などもそうですが、これらは資格がないと成れません。

カフェやラーメン屋の開業も資格こそ必要ですが簡単に取れる資格だけで成れます。しかし、お金が必要です。何もなしに始められません。

ところがイラストレーターというのは、カネも資格も一切要りません。設備としては無料アプリでも始められるし、鉛筆と紙だけあれば始められます。
何ならイラストの技術が最底辺でも、売れっこのVtunerが描いた絵、というだけで高値で売れて流行ることもあるでしょう。

どんなに研鑽を積んでも、どんなにカネがあっても、どんなに経験があっても、時と場合によっては無意味だし、ある日突然、売れっ子になることもある世界です。

絵が上手くても半分は無意味

よく「イラストレーターになるために絵の技術を磨いている」という人がいますが、半分無意味です。
絵が優れていることは、半分は意味がありますが、もう半分は絵がどんなにうまくても無意味です。

なぜ半分無意味なのか。
というとイラストの発注理由の半分は絵の技量ではないからです。

例えばあなたに恋人が居たとして、あなたと恋人2人ともお腹が空いたとします。
そこで何か買って食べようという話になりました。

よほど金持ちの人でもない限り「じゃあ日本で最もおいしい高級フレンチに行こう」となることは無いでしょう。
慣れている相手なら、パパっと済ませられるごはんを食べるかもしれません。

初デートでお店を決めていたとしても、その決め手は実際の味ではなく、サイトの評価や場所、値段、相手の好みを考えるでしょう。

イラストも同じです。
最も上手い絵を選ぼうとする人は実はほとんどいません。
ちゃんと仕事をしてくれる「いつもと同じ発注相手」「大手の会社出身の実績のある人」「親兄弟」かもしれません。

あるいは値段の割には良い絵を描いてくれる人かもしれません。

いずれにしても発注する人は絵のうまさを見比べる時間も方法もそうありません。
ピクシブやXで最高の絵を描いても、それを見て発注する人はほとんどいない、ということです。

ではどうするか

むやみに絵を描いて「いつか上手くなるだろう」「いつか気が付いてもらえる日が来る」という白馬の王子様思考は危険だということです。

それができる人は、スポンサーがいたり画商や担当がいたりして、つまりあなたの絵をセールスしてくれる絶対的で実力も豊富な支援者がいて初めて成り立ちます。
「あなたは絵だけ描いていればいい。私が高値で売ってきてあげる」という人が備わっていれば、絵だけ描いていっても売れるでしょう。

ただ、そういった協力者を得るためにも、絵の技術のみならずそういった人と出会う機会を狙って、営業していく必要はあるでしょう。

支援者を見つけるのは相当一芸に秀でてないと難しいでしょう。
あとは会社に入ることを狙う、金銭を得られる営業活動を重ねる、正規ルートで持ち込みや売り込みを行う。これらは平行してやっていく必要があります。

絵のうまさも大事

そうは言っても、絵は上手くないとなりません。
上手いと有利になる。ではなく、上手くないとそもそもやはり不利オブ不利です。

もちろん絵のうまさではなく、芸風や作風で売る人も多数います(フリーイラストレーターだとむしろそっちの方が多いです)
とはいえ、やはり何の基礎もない落書きはなかなか売り抜けることが難しいのも事実。上手ければ絵の幅は広がります。

絵が上手くても半分は無意味。と言いましたが、逆に営業が良くても半分までしか有利にならないと思ってもいいかもしれません。
どちらも必要だと思っておくほうがよいでしょう。

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