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世界詩箱

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詩置き場です。
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記事一覧

世界詩箱 9 【自作詩】

黒い目猫の目に凝視められた  ——こわいこわい 猫の目は曼陀羅 上から下から手が生える 肉…

のり子
11か月前
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世界詩箱 8 【自作詩】

シャシャーンカクラハ私たちを見下ろして シャシャーンカクラ 古代の科学と哲学を 失った後の…

のり子
1年前
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世界詩箱 7 【自作詩】

触手触手がのびて——  個体と全体  個属と全属  透明で紫でぬれている触手は、  触手は熱…

のり子
1年前
7

世界詩箱 6 【自作詩】

夜雨宇宙の仕組みは目をつむってみると簡単なものである すべてがただあるだけで、みんなそこ…

のり子
2年前
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世界詩箱 5 【自作詩】

あなたという季節憧れのあなたという季節のなかの そのあたたかいうぬぼれの川のなかに このつ…

のり子
2年前
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世界詩箱 4 【自作詩】

悲劇詩歌は雨あがり 水彩色のそらの夕暮れに 大空に 煙草のケブリが 苦く吸われて 一周過去の…

のり子
2年前
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世界詩箱 3 【自作詩】

トコトコさん…こうやってみますと、やはり詩というものは ほつほつと浮かぶその火の言葉が 実にかろがろしく思えてしまったり きらきら見えるような これらの砂より 果てしなく遠くの かすりもしない次元を 自分勝手に走っているような あるいは幻想だけ 淡く見せかけて じっさいは実らない果実のようで やりきれない気がします 美しく見えるものと 美しくないとされているものに そのあいだに なんらの隙間もじつはなくって そういった一切が ほんとうはわたしの好きや嫌いで ならならと一様に

世界詩箱 2 【自作詩】

線香蝋燭線香蝋燭はパチリと電磁を、放つ 少年はひとたび瞬きをして つまり、びっくりした 線…

のり子
2年前
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世界詩箱 1 【自作詩】

猫畳に三毛猫が寝ころんでいる 小さな糸がぴゅうぴゅう飛んでく 白い糸 赤い糸 青い糸 畳は重…

のり子
2年前
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