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よみかけ。

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読みかけの本について、本と過ごす生活、日々のよしなし事と読書。 ——的な感じで書くエッセイです。 ルールは、「読みかけの本しか扱わない」「文字数、投稿頻度に規定なし」と決めました。
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#読書

杳子という小説 『杳子・妻隠』から

先に結論。 杳子は小説である。 これが私のこの作品の読み方である。 直後の感想 まず、この…

のり子
3か月前
6

読書会曼荼羅なるもの(多読の真髄)

随分まえに「読書界曼荼羅」なる単語がわたしのなかでほつと生まれた。定義らしい定義をこれま…

のり子
11か月前
17

適当読書指南

さてわたしのり子が、ここ二ヶ月続けていること。 『よみかけ』なるエッセイシリーズ。 本シ…

のり子
11か月前
55

尾崎翠・梶井基次郎 対 消費社会 

思わぬ再発見があったりして、文学の細部がもつ奥の深さを思い知る。 最近、金を使うという快…

のり子
11か月前
30

休肝日的なやつなのか、はたして

休肝日とかいう面白い言葉。 まず語感がいい。口なじみがある。加えて、この一語にその日以外…

のり子
1年前
13

生活にとっての幸せ、人生にとっての幸せ

今日もまた本の話をしてしまう。 毎度変化も、芸も、工夫もない手前味噌な話題作りである。 次…

のり子
1年前
19

本屋慕情

貧すれば鈍する。 わたしはこの夏、この言葉を知った。ある二種の出来事から。 お菓子と本。これらが教えてくれたのである。 1、お菓子を食べた。 わたしは日頃お菓子を食べない。ジュースも飲まない。コンビニに入るのは月に一度買うタバコを手にいれる時くらいだ。 この非美食性質はわたしのそもそもの嗜好というより、経験がつくったものだろう。わたしもサヴァランになれるならなりたかった。しかしその道を捨てることで、別のものを得ようとしたのだ。 心臓がヒリヒリするくらいお金に困った時

細胞だ、私は。

読書なる運動が、生活の中に組み込まれている人であれば多少、共感してくれるだろう。 生活環…

のり子
1年前
15

離別の讃歌

本好きは、本を溜める。 しょうがなく溜まってゆく。 それはもう資本家の金の如く。ケンドリッ…

のり子
1年前
30

モーツァルト、宮沢賢治、小林秀雄

ここ最近、モーツァルトばかり聴いている。 『クラリネット五重奏曲』 あるいは『フルート協…

のり子
1年前
56

下鴨納涼古本市

今年も参加した。 アート・ブレイキーのドラムの如く窓を打ちつける大雨をもたらした台風も去…

のり子
1年前
17

自慢したい部分、消えた部分

わたしはよく本を読みかけでやめる。 最後まで読めた本というのはそれだけで名誉である。のり…

のり子
1年前
30

グァテマラの少女

出会った時の衝撃と興奮たるや。 大阪。阪急百貨店で開催されていた古本市だった。最終日の、…

のり子
1年前
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整理整頓

脳みそと目玉がスクランブルエッグみたいになった。 きっとこのクソ暑いのと、部屋の散らかっているせいだ。 部屋は汚いが、本で散らかっているのである。私の部屋には汚部屋によくあるペットボトルや菓子袋などはない。ただ買ってきたまま放ったらかしの本と読みかけの本が散乱している。 昼前に起きて、部屋から逃げてリビングで一人学校の課題をしようと座っていたのだが、一文字も進まない。やる気も集中力もない。先週風邪を引いて以来、生きる気力ごと全て失ったみたいである。 何か少しでもできる