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よみかけ。

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読みかけの本について、本と過ごす生活、日々のよしなし事と読書。 ——的な感じで書くエッセイです。 ルールは、「読みかけの本しか扱わない」「文字数、投稿頻度に規定なし」と決めました。
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記事一覧

曽根崎心中EDM

2/11 近松門左衛門『曽根崎心中』を読んだ。 驚いた。あまりの衝撃にバイト先の食事会に遅れた…

のり子
2か月前
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天台のメンタリティ

ずいぶん長い間、天台宗がぼんやりとしていた。 自分なりにたくさんの本を読んで、さまざまな…

のり子
3か月前
10

シャーロックに関する事件

やっぱりシャーロック・ホームズが好きだ。 ロンドンの寒空、背の高い男女がコートの襟を立て…

のり子
4か月前
17

教養の壁

石川淳『江戸文学掌起』の「横井也有」の章からの孫引きである。 横井也有の鶉衣に大田南畝が…

のり子
5か月前
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読書会曼荼羅なるもの(多読の真髄)

随分まえに「読書界曼荼羅」なる単語がわたしのなかでほつと生まれた。定義らしい定義をこれま…

のり子
6か月前
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適当読書指南

さてわたしのり子が、ここ二ヶ月続けていること。 『よみかけ』なるエッセイシリーズ。 本シ…

のり子
6か月前
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尾崎翠・梶井基次郎 対 消費社会 

思わぬ再発見があったりして、文学の細部がもつ奥の深さを思い知る。 最近、金を使うという快楽があることを知った。 もう一ヶ月以上も前の話である。 バイトを終え帰り際にコンビニに目が引き寄せられた。 わたしは疲れていたのだ。単なる疲労というよりは、背中に毒の溜まったような疲労。こういう時わたしは頭がピリピリする。小さな頭痛なのだろうか。 気がついた時には夜の中に浮かぶ眩い店に入っていて、商品と光に包まれていた。お腹が空いた。家に帰ると晩御飯がすでにあることを知っていながら

休肝日的なやつなのか、はたして

休肝日とかいう面白い言葉。 まず語感がいい。口なじみがある。加えて、この一語にその日以外…

のり子
7か月前
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生活にとっての幸せ、人生にとっての幸せ

今日もまた本の話をしてしまう。 毎度変化も、芸も、工夫もない手前味噌な話題作りである。 次…

のり子
7か月前
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本屋慕情

貧すれば鈍する。 わたしはこの夏、この言葉を知った。ある二種の出来事から。 お菓子と本。…

のり子
7か月前
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休むと衰えるが珍しいことなのでそれもまた良し

本を読んでない。 たしか昨日に限っては一行も、一文字も読んでいない。 そんな日は、一体何…

のり子
7か月前
19

のり子'sリュック 夏の選抜

明日、家を出る。 行き先は和歌山県。祖父母の家だ。 五日間滞在することに決めている。 居心…

のり子
8か月前
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堕落者の末路

アニマル浜口が飛び出した。 私のスマホの中。 「気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだ!…

のり子
8か月前
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細胞だ、私は。

読書なる運動が、生活の中に組み込まれている人であれば多少、共感してくれるだろう。 生活環境の、あらゆる場所に本がある。 本棚、机は当然として。 ベッド、床、本棚の上やら横やら外、リビング、テレビの前、窓枠。 学校へ行くカバンの中、バイトへ行くカバンの中、それ以外に出かけるとき用のカバンの中。 人によってはトイレや洗面所にもあろう。 便座に座る僅かな時間に数ページ読めるものや、入浴中に読んでもいい(万が一、濡れたり湿ったりしてもいい)本というのが用意されてあるのだ。 そ