「炎(かぎろひ)。」

とは日の出前の東の空を赤く射し染める光(12年の『サライ』10月号)。同じ頃の西の空を「かへり見すれば月傾きぬ」と詠んだ柿本人麻呂は、沈む月に父の死を重ねた。私が生まれてすぐ曾祖母が亡くなったと聞かされてきたが、容赦なく移ろう人の世の儚さを思う。
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