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原っぱの野球とフォートナイト、これからの時代を生き抜くヒントがそこにはある

よく聞きます。

これからの世界は、答えがないと。先を見通せないと。

確かに、ほんの10年前まで、世界が今のようになるなんて予想していませんでした。

今、世界には40億人を超える人がスマホでインターネットにアクセスし、30億人を超える人がSNSでつながり合っています。

自動運転ももうすぐ間近です。これまで貴重だと思われていた処理系・分析系のスキルはAIが取って代わろうとしています。

これからの世の中で生き抜いていけるのか。自分の付加価値はどうやったら高められるか。いろんな不安がよぎります。

こないだの7月下旬(2020年)。長男(9歳)がどうしても、とせがむので、フォートナイトをダウンロードしました。

フォートナイトとは、100人のプレーヤーが生き残りをかけ1つの島の中でサバイバル(つまりは、撃ち合い)をするゲームです。2017年に始まったゲームで今ではユーザーが3億人を超えました。そして、Apple社に対し、App Storeの手数料が高い(30%)と、反旗を翻したことが大きくニュースとなっています。

長男と一緒にプレイする中で、「答えがない、先を見通せない世界での生き抜き方のヒント」が私には見えてきました。

そう、ビデオゲームからです。

ゲームより勉強の方が学びは大きいのだろうか?

みなさんは、ゲームをする子供に対して、ゲームをしないで勉強しなさい、外で公園で遊んできたら?などと言ったことはないでしょうか?

原っぱで野球をすることと、ゲームの中で戦うことは、私は同じだと考えています。

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私が10歳の頃はスポーツといえば野球でした。空き地で日が暮れるまで友達と野球をし、帰ってきたらご飯を食べてテレビでプロ野球のナイターを見る。それがある種王道サイクルだったのではないでしょうか。

今の王道サイクルは、「PS4/Switchでゲームをして、その後Youtubeを見る」です。

息子のためにフォートナイトをダウンロードするまで、私はこのゲームの知識はほぼゼロでした。ダウンロードしてスタートボタンの◯を押してやり始めるまで、サバイバルゲームと知らないくらいでした。

何が起きて、「答えがない、先を見通せない世界での生き抜き方のヒント」が見えてきたのか。今からそのストーリーを綴っていきます。

ゲームには、答えがない、先を見通せない世界での生き抜き方のヒントがある

フォートナイトのやり始め。デュオ(2人組み)ないしクワッド(4人組み)モードでプレイを始めました。上段が息子、下段が私。初日。二人ともあっさりと他のプレーヤーにやられてしまいます。すぐに死んでしまう。それの連続です。

翌週末。私はいまだに右に行くのも、左に行くのも、銃を打つのもあくせく苦労しているのを余所目に、息子はどんどんと突き進み、何やら理解できない言葉を発しながら敵を倒していくのです。

「なんでそんなことを知ってるのか?」私が尋ねると、

「ねこくんと、ネフライトが言ってた」と返ってくる。

「?」が10個くらい頭の中で飛び回りましたが、フォートナイトにおける日本を代表するプレイヤーであり、Youtuberがねこくんとネフライトなのです。世界で1位になったこともあるとか。

息子は、PS4でプレーをする。強いプレイヤーと出会い負ける。その後ご飯を食べたのちに、Youtubeで上手いプレイヤーの動きを見て学ぶ。様々な情報を仕入れる。それを翌日の自分のプレーで試す。

まさにPDCA+戦略立案、それを毎日毎日繰り返しているのです。

1ヶ月も経つと、私はもう足元にも及びません。野球のキャッチボールや、腕づもうなら、5歳から始めたとして、父親の背中を追い抜くには10年くらいかかると思います。

フォートナイトの世界では、1週間で追い抜かれていきます。父親の威厳もくそもありません。

最近だとこんな状況です。夕飯を食べた後、30分ほどでもゲームをしてみようかと息子を誘います。

「ちょっとフォートナイトでもしようか?」

すると返ってくるのはこんな言葉です。

「あのね、パパ、普通は親はゲームをしないで勉強しなさいっていうのよ。友達はそう言われてる。なんでゲームしようって誘うの?」

この裏側にある本音はおそらく、私が「足手まとい」だからだと思います(笑)

私と組んだペアだと、ビクロイ(1位になること、Victory Royal)が取りづらいし、画面が2分割になって視野が狭くなるためです。

フォートナイトのPDCA+戦略立案において、以下のことが子供達は学べます。

・島のどこに不時着し、どのように進んでいくかという地理的感覚
・島のどこに何があり、どこに宝箱があるか。記憶力向上
・どの武器を持つか、どのように撃っていくか、どうやれば有利に試合を運べるかとう戦略立案
・フォートナイトでは建築機能があります。それによって自分の防御のための壁や、高い場所から相手を狙うための足場を作るのですが、それを建築するにあたって、空間把握能力、3D設計能力
・エモート(キャラが様々な動きをするジェスチャー)を活用することで、一緒にオンラインでプレーする他者とのデジタル上でのジェスチャーコミュニケーション
・敵にあてるために、放物線の物理計算の感覚(球が山なりに飛んでいく武器もあるため、重力の影響、どの程度上を狙うべきかを感じ取ります)
・負けた原因分析、相手の行動の振り返り、それを理解するためにYoutubeなどで情報収集、プレーの分析、そしてそれの実践。この繰り返しというPDCA実行力
・どうやれば勝てるか、、、そこに正解はありません。自分の創意工夫が問われます

今ここであげた能力は、まさに社会に出て、ビジネスを推進していくうえでの基礎的な能力の一部に他ならないと思うのです。

だから私は今日も息子を誘います。断られるかもしれませんが・・・

「ちょっとフォートナイトでもしようか?」

ヒーローに憧れて頑張るという原動力はそのまま生き抜く力となる

みなさんにとって、最高のスポーツプレイヤーは誰でしょうか。野球なら、ヤンキースの田中投手でしょうか。私にとってのヒーローは、イチロー選手であり、野茂投手でした。

メジャーリーグでトップクラスの選手は10億円から20億円の年俸を稼ぎます。eスポーツ(ゲームのプレーによる戦い)でも同じくらいの年俸があり得ることはご存知でしょうか?

世界大会である「Fortnite World Cup」は、賞金総額が1億ドル(110億円)にもおよぶのです。

野球は、競技人口は3500万人と言われています。プロリーグがあるのは、アメリカ、キューバ、日本、韓国、台湾あたりしかありません。そのトップがメジャーリーグであり30チーム存在します。1チームの1軍が25人とするなら、750人がトッププレーヤーとなるわけです。その中のトップ選手が年俸10億、20億と稼ぐのです。

テニスの競技人口は、1億1000万人と言われています。錦織選手、大坂選手が嬉しいことに世界トップレベルで活躍しています。彼らの年収はメジャーリーグトップの田中選手を凌ぎ、30億円を超えています。野球の3倍あるゆえに、年俸もプロテニスプレーヤーの方が野球より高いということは、ザラにあります。

サッカーの競技人口はさらに多く2億6000万人に登ります。ロナウド、メッシ、ネイマール。史上最高額の移籍金が278億円だったネイマール選手。競技人口の多さから、その金額が納得できます。

そして、フォートナイトの競技人口は3億5000万人を超えました。さらに増えていくと思います。だから「Fortnite World Cup」は、賞金総額が1億ドルという図式が成立するのです。

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10歳くらいの頃、初めてプロ野球を見に言った時、ブルペンで投げる投手が投げる球に私はびっくりしました。140km/hを超える速球を生で見たのは初めてだったからです。どうやってこれを打つだろう。興奮したことを覚えています。しかし、これまでに一度もプロの選手と野球、サッカーなどスポーツの試合を共にしたことはありません。そういう機会はほとんどの人にとって皆無だと思います。

今は、Youtuberを見れば、フォートナイトで160km/hを超える速球のような操作を繰り出すプレーをいくらでも目の前のパソコン画面で見ることができます。そして、実際にPS4でプレーすれば、そうしたメジャークラスのプレーヤーと共にプレーしたり、敵として遭遇したりと、「Day1からプロと戦うこと」ができてしまうのです。

プロと接するという環境はその後に非常に大きな影響を与えると思います。プロとの力の差、遠さ、近さ、それを痛感する。そして実力をあげた時にもなお感じる距離。世界トップレベルのものを、それがゲームでもなんでも、肌身で感じる経験。それはその後の価値観、行動する力に大きな糧となると思います。

だから最近私は息子にこう言ってます。「フォートナイトをやるのはいい。でも、やるからにはまずは日本トップになれ」

プレーをしていく中で、次はその場所をどうすれば産み出せるのかを考えるようになる

フォートナイトは1つの島が舞台です。そこで100人がトップを目指して戦う。島ですが、子供達にとって、それは広大な世界を知るきっかけとなります。

なぜなら、プレイヤーは世界中から集まっているからです。プレイする中ではわかりませんが、気づかないうちに数十カ国の人が参加していることだと思います。

プレーを続けていく中で、次は想像が始まります。

・なんでこんなにもたくさんの人がプレーしているのか?
・どうやってプレーヤーを集めたのだろうか?
・どうやって瞬時に100人が同時にプレーするゲームを作っているのか?
・ログイン後の少しの待ち時間に流れる「サーバに接続しています」という処理はどういうものなのか
・各プレーヤーはどんな練習をしているのか
・どうやってこのゲームを作っているのか
・どうしてこのゲームの中で音楽ライブがあるのだろうか
・どうしてマーベラスのキャラが出てくるのだろうか

問題を解いて、巻末の答え合わせをする。

それは極めて短絡的な作業であり、脳の創造性を排除するタスクになってしまいがちです。テレビ画面の前に広がる島の向こう側の仕組みを想像するところに、これからの世界で必要な生き抜く力を身に着ける、その最初のきっかけがある気がしています。

ちなみに、もうすぐ10歳になる息子ですが、彼が誕生日に欲したのは、キャプテン・アメリカのスキンでした。これは彼にとって、まさにヒーローのユニフォームなんです。背番号3のユニフォームと同じ憧れなんだと思います。

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最後に。

あまりにもフォートナイト推しのnoteになりましたが、やはりやりすぎには注意が必要です。そして、もちろん子供に害を与えるゲームもたくさんあると思います。ゲームすべてが素晴らしいものだとは思っていません。天気の良い日にはサイクリングや山道を散歩に行く。それも重要で楽しいことだと思います(写真は近所をサイクリングした時の様子)。

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