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恋愛は進化しているのか?~SATCからの学び~

私たちの身の回りは目まぐるしく変化、進化していく。
そんな自分たちも様々な状況によって進化を迫られている。今回の「コロナ」で大きく生活が変わった。
変化というよりも進化がぴったりなのかもしれない。
働き方改革!と声をあげても、それほどの目に見える改革を感じることはなかったが、「コロナ」によってあっという間に改革。
会社に行かなくともリモートで事足りてしまう・・・便利or不便に関わらず強制改革となったのだから、大変上から目線で恐縮ではあるが ”やればできんじゃん!”なのだ。オンラインが急速に普及したのも「コロナ」のおかげなのだろう。まさに進化!なのだ。

私たちは必要に迫られてはじめて動き出す。
もちろん、前もって準備をして様々な出来事に対応できるようにしておく方もいらっしゃるだろうが、私は末っ子の次女と来たもんだから夏休みの宿題も遠足の用意も『その日暮らしのノリエッティ』なのだ。長男、長女の皆さんを心から尊敬している。進化できない女ノリエッティなのかもな・・・。

できないことをできるようにする、不便なことを便利にする、不快なことを快適にする・・・これが進化の根底なのだろう。
江戸時代にスマートフォンなんぞ必要ないだろうし、電話さえもなかったのだから・・・スマホを見たらびっくりして「これは心を乱す悪魔の使いだ」と穴を掘って葬り去られただろう。

時代時代で必要な事がどんどん生まれ変わってきているのだ。
これは物や仕組み、体制だけではないのだろう。扱う側もスピードの差はあるが確実に進化についていっている。

恋愛の形。
まず、出会いの形だけでも驚くほど今と昔では違う。昔は友達の紹介(これは今も健在)や学校内、職場内・・・他に思いつかないが、自分の半径10メートル以内での出会いが主のような気がする。
今では半径をぶっ飛び海外の人との出会いさえも可能になったのだから、インド人もびっくり!これはご存じのようにSNSの普及が著しいからだ。それもPCを開かなくとも、スマホで恋愛を吹っ飛ばして結婚まで導いてくれるのだから宇宙まで行けるロケットは時代錯誤なのかもしれない。
昭和生まれの私にはなんだか味気ないような気もするが、これが今の形なのだ。
みんながこのような恋愛ではないが、恋愛も便利に進化していることはうかがえる。

さて、私の恋愛は・・・どうだったのだろう。しばし遠い目をして思い出してみる。
中学の時は相手の家に電話をかけるのにもドキドキだった。親が出たらどうしよう・・・とか、何を話そうか?とか。こんな純粋さもあったのだ。
中学三年の時、私は人生で初めてラブレターというものを頂いた。
内容は
「I LOVE YOU LONGER THAN  FOREVER」・・・以上。
比較級を用いた素敵な告白方法。

当時、空前のバンドブームでボウイというバンドが大好きだった私はこの比較級ラブレターはボウイの曲のタイトルだとすぐにわかった。
差出人もイニシャルだったが、すぐにわかった。私は当時とても不器用で(今も少し不器用さは残っているからご安心ください(笑))

その日から彼を避けるようになった。好きかどうかもわからない・・・嫌いではない。
友達から聞いた話によると、卒業後に彼は東京の高校に通うらしく・・・思い切って私に思いを告げたのだという。
避けていた心がチクッと痛んだ。
しばらく会えないと思うと尚更心が揺れた。ここでの思い出を作って、東京で頑張ってほしい。

季節は夏、私は思い切って彼を花火大会に誘った。最寄りのバス停で待ち合わせ、一緒に会場へと向かった。実は私・・・お弁当を作っていったのである。それもサンドイッチ(笑)夕飯にはふさわしくないのだが、我が家の冷蔵庫にはどう考えてもサンドイッチにしか選択肢が残されていない内容のものばかりだった。
ピクニックシートもお手拭きも準備してきた。早速広げて、二人ですわる。
しばし無言・・・
「あのね、サンドイッチ作って来たんだけど食べる?」
「ありがとう。夕飯は食べてきちゃったんだけど食べる」
しばし無言・・・
「東京に行っちゃうんだってね。どこの高校なの?」
「あ、慶応」
「すす、すごいね」
「さかいさんは?」
「え、私?頭悪いし、勉強嫌いだから・・・どこかの私立かな?」
※我ながら、この時の発言は実に的を得ている!

2人は花火とほんの一瞬の会話を楽しみながら、思い出作りを終えた。
「帰りはどうするの?」意外にも彼から話かけてきた。
「う~ん、歩いて帰るよ」
「送っていくよ!」

ええっ!予想だにしなかった彼の言葉にドキドキしたが
数分後、このドキドキが全く違うドキドキに変貌することを私は知らなかった。
「お母さんに電話してくるから、待ってて!」彼は慌てて近くの公衆電話へと向かった。
・・・お母さんに電話してくる・・・どういう意味だ?
彼がマザコンだという噂はちらっと聞いていたが・・・

電話を終えて私の方に近寄って来る。
「帰ろう!」そう一言つぶやいて、彼はどんどん早歩きで道を進んでいく。
あれ?私の家の方向はこっちじゃない・・・あ!わかった、どこかでお茶でもしよう!作戦ね!なんてのんきに構えている私を振り返りもせずに、先へ先へと急ぐ。
住宅街に入っていくところで、やっと私は声をかけた。
「ねぇ?どこにいくの?」
時すでに遅し。彼の自宅の前だった・・・
「お母さんの車で送って行ってもらうから~」ここまで来るとポカンだ。
「お母さん~ただいま!さかいさんを送っていって欲しいんだけど」
私と話す声のデカさが桁違いで驚いていると目の前に!なんと美しいご婦人!そう、お母さんなのだ。
「す、す、すみません・・・さかいです。お願いします」渾身のお願いしますを中三で言うとは。
「こんばんは~、お家はどちらなの?」
「〇〇です」
「近いのね。わかったわ~ちょっと待っててね」見れば見るほど美人なお母様なのだ。
「としゆきさ~ん!さかいさんのこと、送っていきますね~」ご主人に敬語だ!感動。しかも旦那にさん付けだ!すっかりこの家庭の気品あふれる環境に魅了されていた。
車の中・・・お母さま、彼、私。3人の無言は破壊力抜群なのだ。
工藤静香の「MUGON・・・色っぽい」は幻なのだ。静香さん、ごめんなさい。
道案内だけの会話だった。お母さまは花火大会の様子などは気にならないのか?と今でこそ思う。
家に着いた・・・正直、知られたくなかった。うちは一階が店で二階が住まい。しかもボロっちい。住宅設備の会社というと聞こえはいいが看板には
「おふろのサンワ」とある。銭湯だと勘違いしないだろうか?そればかり気になっていた。
「ここなのね?」とご婦人の声も少し疑問形に聞こえたのは気のせいだろうか?
「ありがとうございました」と丁寧にご婦人に挨拶をし、彼への挨拶を忘れていた。自分の部屋へ直行し深い深いため息をついた。疲れからのため息だった。
予期せぬ展開に自分の思考がついていけない疲労感をこの時味わっていた。
母が部屋に入ってくるなり「早かったじゃない。花火どうだった?」と聞いてきた。
「送ってもらったの〇〇君のお母さんに」と言いかけたが飲み込んだ。
要らぬ詮索をされて疲労をこれ以上拡大させたくないからだ。
ただ「楽しかったよ・・・」にとどめた。
中三の2人の花火大会の思い出は、3人の花火大会の思い出なのだ。
この花火大会を最後に私は受験勉強モードに変わった。
淡い恋かもわからぬ思い出・・・大人になってからも花火をみると、あの時の花火大会を思い出す。

恋愛は進化してるのか?
私の恋の思い出はお楽しみ頂けましたでしょうか?
昔は相手と連絡を取り合うにも電話、進化してポケットベル。
今でこそ公衆電話を見かけることが少なくなった。
母親世代は駅の伝言板に連絡事項を書き込んだというのだから驚きだ。
今では画面を開いてタッチするだけで相手と会話ができる。便利ではあるもののロマンチックな部分は断然!昔のほうが多かったような気がする。
今頃、何をしているのかな?
今日はもう遅いから、明日電話しよう。
家の人が電話口に出ることを想定して、言葉遣いに気をつけよう・・・
ポケットベルで更にロマンチックになったような気がする。
愛してる・・・114106♡
他にもときめく暗号があったが忘れてしまった(笑)
今はすぐに繋がる。便利になったと同時に「待つこと」や「相手の今の状況を想像すること」を忘れがちではないだろうか?
彼と夜中に電話をしていてスマホ片手に寝落ちしちゃった・・・なんていう話を聞くと、
彼はいつの間にか寝てしまった彼女の寝息をリアルタイムで聞けるのだから、これはこれでロマンチックな恋の進化形なのかもしれないな。

次回は恋愛は究極の痛み?をお届け致します。

必要な方に届きますように・・・愛と感謝を込めて♡

ノリー・ブラッドショー








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