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B線TNS日記20 長男の髪色

某月某日 TNSにて

高1の長男の髪色の変化がめまぐるしい。

この春入学した都立高校には校則がひとつしかない。「校内では上履きを履くこと」だけ。したがって、服装や髪型、持ち物などはすべて自由。生徒たちの自主自律性にまかされている。

そんな自由な校風と学校行事の盛んさに憧れて受験勉強をがんばり、入学した長男。自由に、しかし自分の行動に責任を持ちつつ、高校生活を謳歌してほしいと思っているのだが…。君の髪色は自由すぎないか?長男よ。

「髪を青くしたい。」と言われ、「いいよ。でもヘアカラーはメンテにめちゃくちゃお金かかるから、よく考えてね。お小遣いの範囲でやってください。」と告げた。

お年玉の残りを持って、美容院に行き、ブリーチとヘアカラーをして帰ってきた長男の髪色は、青というよりはアッシュブルーという感じで、さりげなく青のニュアンスが出ている程度だった。おしゃれじゃん。

しかしながら、長男がしたかったのは、こんな微妙なおしゃれではなく、パキッとした青髪だったらしく、気に入っていなかったようだ。

今度は、学校の髪色フリーダム組の先輩たちから情報を仕入れ、ドラッグストアでブリーチ剤とヘアカラートリートメントなるものを買い、自分で染め始めた。前の晩には金髪だった彼が、翌朝真っ青な髪で自室から出てきたときには息をのんだ。「まじな青じゃん、それ…」(昭和52年生の母)

その後も半月と置かずに金髪→濃いブルー→金髪→ターコイズブルー→金髪のような感じで髪色を変えている。もう息子の髪色について何も思わなくなった。

先月、高校での懇談会に参加した。学校の最寄り駅から学校へ向かう道を、土曜授業を終えて駅に向かう高校生たちとすれ違いながら歩いた。

派手なバンドTシャツにダメージジーンズの男子、制服っぽいチェックのミニスカートを履いた女の子、赤い髪に部活のユニフォームを着ている子、チェックのシャツにデニムを合わせたいわゆる学生スタイルの子、サンダル履きの子もいる…。いでたちは本当にさまざまだけど、みな楽しそうに友と語らいながら歩いていた。

すごくいいなと思った。フランスのリセに通う子たちを思い出した。

制服に清潔感あふれる髪型の高校生の姿もいいなと思うけれど、この自由な、大人のルールに縛られていない子供たちの姿は胸を打つものがあった。

あまりブリーチしすぎると髪が痛むことが心配だけれども、これからも長男の髪色変化を見守っていきたい。



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