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B線TNS日記40 何かを鼻に入れる遺伝子

某月某日 TNSにて

3年前の今頃、次男が事件を起こした。

夕食を終えて風呂にも入り、少し仕事をしようと自室でパソコンに向っていると、リビングから次男が入ってきて、

「どうしよう〜鼻にLEGOが入っちゃったよ!」

と号泣。え?どういうこと?

懐中電灯で覗いてみると鼻の奥の方に小さいブロックが入っていて、私では全く取れそうにない。
通常LEGOは対象年齢別でブロックの大きさが設定されているけれど、うちは長男が小学生の頃に買い与えたものをお下がりとして次男に使わせていたので、すごく小さなブロックが混在していた。
それをなぜか鼻の中に詰めてしまったらしい。

急ぎ近所の救急病院に電話すると診てくださるとのこと。よかった。

病院に向かう道すがら、次男はこのLEGOが果たして本当に鼻の中から取り出せるのかどうかを気にしている。

「ねえねえお母さん、LEGO取れるかなぁ。」

私は疲れた一日の最後にこんな事件を起こした次男に冷たく接してしまう。

「どうかなぁ。大きくなって鼻の穴が大きくなるまで取れないかもしれないね...」
我ながら意地悪な返しだな。次男は半べそ状態である。


病院に着くとあまり待つこともなく診察室に呼ばれた。

年配のドクターはまずは私の状況説明を聞き、鼻の穴を覗くと、

「ほんとだ、小さいのが入ってるね。」

とニコッと笑い、看護師さんに頭を押さえられた次男の鼻に入れたピンセットでLEGOをひょいっとつまみ取ると笑顔で、

「第3水曜日なら僕当直だからまた取ってあげるよ〜」

と不安ではちきれそうになっていた次男に冗談を言ってくださった。

さっきまで「なんでこんなことしたの?」とイライラしていた私も、泣きべその次男も担当の看護師さんたちも思わず大爆笑。

先生はカルテを入力する間に自分の子育て中のことなどを面白可笑しくお話しくださり、緊張していた心が解れた。ありがたい…。小児科の先生、尊い。

帰宅して次男に打ち明け話。これは言うか言うまいか迷っていたことなのだが、さっき余裕のない態度を次男に取ってしまった以上、自戒の意味と、言わずにいるのはフェアでないという判断のもと、勇気を出して告白する。


実は私も次男と同じ歳頃に、リカちゃんハウスの部品を鼻の穴に入れ、救急病院に行ったことがあるのだ。しかも2回。TWICEだよ。


なので次男が鼻にLEGOを入れたと部屋に入ってきたときから確信したことがあった。この行為は私の遺伝子がしっかりと次男に受け継がれた結果起こったことであると。

この話を、当時SNSにアップしたところ、友人たちから続々と「子供の頃、鼻の穴に〇〇を入れた人を知っている」という情報が寄せられた。

子供というものはこちらの予想のつかないことをしでかすものだ。

小さすぎる玩具や誤飲につながるものなどが紛れ込んでいないか大人たちが気を付けなくてはならないなと猛省した次第です。

当の次男は、「もうLEGOに鼻入れないよ~。」と誓っていた。LEGOと鼻が逆になってるけれど、その後彼が鼻の穴に何かを入れることはなかった。

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