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ボーイズライフ!

いがぐり頭に真っ黒に日焼けした笑顔。

これが我が長男の小学生の頃のイメージである。

幼少時代からおとなしく読書やカードゲームを好んでいた彼。小2の終わり頃にお友達の影響なのか、突然「野球チームに入りたい」と言い出し、私たちインドア夫婦は驚いた。我が子が野球のような王道のスポーツを始めるとは思ってもみなかったからである。そこから4年間、毎週末の練習や試合に勤しみ、長男はどんどん野球少年らしくなっていった。

当然中学に入っても野球部に入るのだろうと思っていたが、彼が選んだのはまさかの文芸部。週1回のみの活動しかない文芸部に入って、小学生の頃から憧れている某高等学校に入るために勉強を頑張りたいという。そして高校生になったらまた野球をしたいとのこと。もう彼の中で確固たるプランがあるようだったので特に口出しもしなかった。

そしてその努力が実って希望の高校に入った長男が選んだのは野球部ではなく、なぜかバンド部であった。

長男の学校は上履き着用以外の校則がなく、服装や髪型、メイクにアクセサリー、なんでも自由である。携帯もパソコンも持ち込んでも構わないし、学校生活におけるほぼ全てが生徒の自主・自律性にまかせられている。

息子は早速髪を真っ青にし、音楽の世界に入っていったのだった。

(そのへんのことはこちらの記事にも書きました。↓)

もともと音楽を聴くのが好きな子だったけれど、楽器は何も習っていなかった。そんな彼がまさかバンド部に入るとは、またまた意表を突かれた。

入学祝いでエレキギターを買い、YouTubeのチュートリアル動画などを観ながらの練習の日々が始まった。

長い自宅学習期間を終え、学校での練習が少しずつできるようになると、部屋にはさまざまな音楽機材が散らばるようになった。

エフェクター、アンプ、ベースやギター、ドラムスティック。

部屋を片付けろと叱るのと同時に、それらの道具を見てわくわくしている私もいた。

「これぞボーイズライフ、ってやつだな」

しかしながら世の状況下、文化祭やライブなどのイベントへの出演はほとんどできなくなってしまった。発表の機会が限られる中、練習を頑張っている長男のことを気の毒に思っていた。

時は経ち、先月校内で行われた保護者向けのライブと、先日ライブハウスで行われた自主ライブで、生で演奏する長男たちの姿を見ることが出来た。

仲間たちと目を合わせ、息を合わせて演奏する姿は本当に嬉しそうで、こちらまで幸せな気分になった。

そして音楽を通してのびのびと表現活動をしている高校生たちの姿がとてもまぶしかった。

スポーツに頑張る高校生たちを見ていて、感動することはよくあったけれど、文化系高校生たちの青春もめちゃくちゃ熱いじゃないか!

そんなことを考えながら家路についた母だった。

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