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フランス式ホームパーティーのススメ

 Bonjour! 東京フランスかぶれこと新行内です。陸サーファー的にフランスを語っております。

 やっと春がきたと思えば、今日は少し汗ばむような陽気である。屋外で過ごすのが楽しい季節の到来だ。私も先日次男とフランス式お花見ピクニックをしてきたところだ。

 構えず気軽に、簡単な準備だけして楽しむ「フランス式ピクニック」についての記事はとても多くの方に読んでいただいた。ありがとうございます。

 そして今回はフランス式シリーズ続編として、「フランス式ホームパーティー」について書きたいと思う。

 フランス留学から帰ってから、私は頻繁に自宅に人を招くようになった。

 これはいきなり性格が社交的になったとかでも、広い家に引っ越したからとかでもなく、ただただフランス式のパーティー、La fête(ラ・フェット)というものを覚えて帰ってきたからである。

 留学してすぐは、各国からの外国人留学生と一緒に行動することが多く、現地のフランス人学生と遊ぶことは稀だったのだが、その後徐々にフランス人の友達が増え、それにつれてよくFête に誘われるようになった。

 まずはこの Fête という言葉の語源は、宗教的な祝祭や祭りのことなのだが、普段 「Fêteに行こうよ」とか、「Fêteするからおいで」というように誘われたらそれはほぼ(ホーム)パーティーのことである。

 フランスの友人や知人たちの自宅で開催される Fête に参加することで、私は日本で家族や友人と行っていたホームパーティーと、フランスでのそれがかなり違っていることに気づいたのである。

 例えば下記のような点である。

(日本でのホームパーティーには☆、フランス式 Fête には★印をつけて箇条書きしてみる。)

パーティーの目的

☆ホームパーティーには目的ありき。誰かの誕生日とか、何かの記念日、または前に誰かに呼ばれたからその返礼としてなど。

★ Fête には特別な理由は要らない。もちろん何かの記念日のためのこともあるけど、基本純粋に友達と楽しむために開催する。

招待の仕方

☆ホストが招く人に連絡をする。もちろん「何月何日の何時から」をきちんと伝える。呼ばれた人が自分の友達を勝手に連れていくことはできない。

★ホストは適当に何人かに声をかける。呼ばれた人は、他にも連れていきたい人がいればその人にも声をかける(私は大体このパターンで呼んでもらっていた)

食事の準備

☆ホストは出席人数がわかったらその分の食事のメニューを決め、基本的にそれらをすべて用意する。飲み物も然り。

★ホストは大体の人数を想定してナッツやチップス、簡単な料理を用意。飲み物も誰かが持ってくるだろうから無理のない程度に用意する。

会場の準備

☆当日は大掃除に料理、テーブルセッティングなどしっかりめの準備をする。

★当日はある程度部屋の整理整頓をしておくだけ。

招待されたら

☆招待された人は時間厳守で到着。お酒やデザート、仕出しの総菜など、自分がごちそうになるであろう金額程度のものをギフトとして持ち込む。

★客は時間より少し遅れての到着を目指す。食事会的なものでなければかなり遅刻しても問題なし。自分たちが飲むくらいの量のワインやお菓子などを持ち込む。

(パーティーへの到着時間についてはこれらの記事でも書いたり話したりしています。)


お開き

☆ホスト側の後片付けなど考慮して、早めのお開き。ホストはすべてを自分で片づける。翌日はぐったりしてしまうことを見越して、休日前に開催するのが基本。

★開始時間が遅いので、夜明け近くまでお開きにならないこともざら。後片付けはみんなで手伝う。ホストも「これを手伝って」という感じでどんどん指示出し。

 こういった感じで、しっかり準備をして客人がくつろいで楽しめるようにホスト側が配慮するのが日本式、ホスト側にあまり負担がかからないように、各々が勝手に動いてするのがフランス式という印象を私は受けた。

 私はフランス式ホームパーティーの楽しさにすっかりハマってしまった。いろいろな人と知り合いになれるし、一緒に Fête をした友人たちとは、親しさのレベルが格段に上がるからである。

 そして、こんなに簡単な準備でいいのなら自分もどんどんやりたいと、帰国後は気軽に家に人を呼ぶようになったのだった。

 豪華な食事が無くても、きれいな部屋でなくても、気心知れた人たちでわいわいおしゃべりをしたり、音楽に乗ってダンスをしたりすれば、それが最高の贅沢。そんな考えが Fête の根底にある。

   友人を気軽に呼べる時期が再来したら、すぐにでも小さな Fête を開こうと思っている今日この頃である。

 みなさんもいかがでしょうか?

 それでは A bientôt!


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