このムダな努力をやめなさい : 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ (成毛 眞)
(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)
変わったタイトルが気になって手にとってみました。
著者は、元日本マイクロソフト社長の成毛眞氏です。ちょっと前に同氏による「日本人の9割に英語はいらない」という本も読んだところです。
本書で開陳されている成毛氏お薦めのアドバイスは、首肯でき実践できそうなものもありますが、ごく普通の会社勤めをしているビジネスパーソンには「ちょっとそこまでは・・・」といった類のものもあります。
当たり前に重要な指摘という点からは、「チームワーク」についてのコメントが挙げられます。
ただ、ここでも「チームの利益は自分の利益でもある」といった考え方が基底にはあるのですが・・・。
他方、ちょっと難しいかなと思えるのは、たとえば、こんな割り切りです。
確かに、適材適所を追求する考え方からみると、成毛氏のいう役割分担のほうが効率的なのかもしれません。
しかしながら、現実的には、そういった仕事のやり方を「一社員」の判断でやるのはやはり無理でしょう。勝手にやったときのリスクは(個人にとっても所属する組織にとっても)それなりのインパクトになるのが通常です。
ひょっとすると日本マイクロソフト社ではできたのかもしれませんが、少なくとも多くの会社では難しいと思います。
ただ、本書で挑戦的に訴えている成毛氏の想いは、ある意味、誠実な姿勢の表れであり、私自身単純に否定すべきではないと思います。
これが、本書を貫いている成毛氏一流のメッセージの本意です。
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