「思考編」に続いて読んでみました。
こちらは「成果をあげるための具体的な方法」について記されています。
もちろんドラッカーが語る示唆に富むアドバイスが列挙されているのですが、「行動」に焦点を当てている分、「思考編」に比べて解説が若干表層的なような印象を持ちました。
とはいえ、引用されているドラッカー自身の言葉は、それぞれ、読者に対して改めて考え直すことを求めるものでした。
その中からひとつ、「意思決定」について語ったくだりを紹介します。
これは、私としてもまだまだ習慣化されていない考え方です。やはり、何か「判断」や「決定」をしようとするときには、まずは「事実」を押さえてからというやり方に固執してしまいます。
ドラッカーは、「事実」だと思われるものの多くは「仮説」であると指摘しています。すなわち、「意思決定」は、結局のところ、正しい問いをスタートにした「仮説→検証」プロセスによるのだというのです。このあたり、なかなか理解し難いところですし、どうもまだ身につかないですね。
さて、本書も、「思考編」と同様に、実際にドラッカーの思想を行動に移すための整理ツールを用意しています。15の「実践シート」です。それらを覚えに書き留めておきます。
本書の最後の項は、ドラッカーの究極の問い「自分は何によって憶えられたいか」の答えについて記されています。
ドラッカーの組織論おける重要なコンセプトは「貢献」です。
人は何に対して貢献するのか。それは「組織」に対してであり、「社会」に対してであり、より根本的には「人」に対してなのだと思います。ドラッカーにおける「顧客」は「人」であり、ドラッカーの「人に対する貢献」が「その人を変える」ということだったのでしょう。
「人を変える」のは無理ですが、私もせめて「人が変わる手助け」ぐらいはできるようになりたいと思います。