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行動経済学の使い方 (大竹 文雄)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 大竹文雄さんの著作に限らず「行動経済学」の本は久しぶりですね。

 冒頭、行動経済学の基本概念として、「プロスペクト理論」(確実性効果・損失回避)「ヒューリスティックス」の説明がほんのお飾り程度に触れられていますが、大半は、行動経済学的観点からの働きかけの実例を紹介した内容です。

 いくつも実験結果が並べられていますが、どうも「ふつうの消費者の損得勘定」の感覚との整合性という点では首肯できても、その実験結果の一桁%の違いについては、施策効果が有意なのかどうかは「?」でしたね。

 むしろ、「伝統的経済学」が前提としている “合理的な経済人” の異様さ(特殊性)を改めて認識しました。
 共通議論するためのスタート(基本概念)として無意味とは言いませんが、これで現実に即した「施策」を立てることはできません。実社会には「こんな人」は決して存在しませんから。



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