捨てられないおもひで
もう捨ててもいいのに
あれもこれも
何年も袖を通していない
母が買ってくれた洋服たち
母が着ていた洋服たち
どうしても捨てられない
いずれこの家も処分して
どこかの施設に入るかと
息子たちには迷惑を掛けられないから
おもひでの中に生き続けるわたしは
いつまで生きるのか
今は少し孤独ではない
ちょっと前まで孤独感に苛まれていたが
嘘のようにひとりでいることに慣れてゆく
好きなことをして
自由に生きている
「しあわせだよね」
そうかもね
ただ夢も希望もない
あとは彼の世に還るだけ
希望はある
苦しまずにサッと還りたい
夢はもう彼方の世界で笑いながら過ごすこと
それにはこの世でお稽古して
それを受け入れて生きないと
今世でももう友達と生きる教えを学びながら笑い合う
やさしい友達をおやさまは用意してくれている
人との絆も大切だよね
あれもこれもまだまだ捨てられないのも仕方がないか
少しずつ少しずつ納得いくまで持っていて、気が済んだら捨てれば良い
焦らずに気持ちを楽にしていればいいのか
そんな風に思っていたら庭に小鳥が飛んできて渋い声で鳴いてゆく
まるでそれでいいよというように
やっぱり涙が出る
孤独ではない
いつでもあたたかいやさしさに包まれている
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