引っ込み思案
十日に一度
母を連れて神様に会いに行く
その日は半年ぶりにやって来たという
母の友だちに会う
「よくお母さんの夢を見るのよ」
とその人から言われる
わたしのところにはなかなか出て来ないのに
ちょっとだけ不満になる
それでもこの人にとっても母は大事な存在だったのかと思い直す
母は彼方の世界で忙しくしているのか
あちこちと人の夢に出てくるらしい
自由自在に飛び回る
本当はいつも母の側にいたい
どうして後悔だけが残るのか
どこへ行っても母のことを思い出す
母は引っ込み思案な人だった
でも自分の意志を曲げない
イヤなものは絶対にイヤ
こちらも振り回される
それでも母のことが大好き
もっともっと口に出して言えば良かった
恥ずかしがり屋の母だから
嫌な顔をされるかも知れない
でもやっぱりもっともっと口に出して言えば良かった
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