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それでも出逢う(日記)


ゲッシュタルトの祈り

わたしはわたしのために生きる

あなたはあなたのために生きる

わたしは何もあなたの期待に沿うためにこの世に生きている訳じゃない

わたしはわたし

あなたはあなた

でも偶然がわたしたちを出会わせるなら、それは素敵なことだ

たとえ出会えなくても、それもまた素晴らしいことだ

テレビドラマ「虎に翼」の中で書記官の高瀬さんが戦争で亡くした兄の死をまだ認められないと言う場面に出合う。
寅子もまだ夫の死を受け止められていないことに気づく。

その時に私もまだまだ母のことを受け入れられていないと思う。
どれだけ掛かるのか、時間ではない。

今日は歯医者さんのクリーニングの後に少し散歩をする。
散歩がてら美味しいパン屋さんで甘くないパンを買う。
なんだかやさしい味のするパンだった。
母にも食べさせてあげたかったと思う。

そしてゲッシュタルトの祈りを思い出す。
わたしの家のトイレの壁に貼ってある祈りだ。
母がうちに来て、トイレを使う時に「何か書いてあるね」と言っていた。
あの祈りを教えぬまま、母は還って行く。

母は自分はかまうくせに、かまわれることを嫌っていた。
わたしは必死に母をかまおうとしたが嫌がった。
それがどうやら母とわたしの溝になったらしい。
わたしは母のことをかまい過ぎたのか…

多分今ならば、分かるはず。

いつもそばに母はいる。
でも姿は見えない。
いつまでわたしをひとりぼっちにするの?
孫が出来ると言ったって
やっぱりそれは孫でしかない

母はよく言っていた
「娘が可愛いから、孫を可愛がるんだよ」
わたしもそんなものかと感じていた。

孫は孫でしかない。

自分の人生を楽しまないと…
そんなことを考える
ゲッシュタルトの祈りを見つめながら

母は施設にも入らないで家で過ごし、思い通りに生きて、あの世に還ってゆく

幸せな生き方をして
父の待つ
彼の世に還って行った

幸せな人生だった

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