マガジンのカバー画像

なんだろう

338
自分でも不思議に思う詩のような、エッセイなのか…内容もなんなのでしょうか?と思うような作品です
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

しびれます

しびれます

二年前、粉砕骨折した左足がしびれる

致し方ないと思う

いまは三ヶ月に一度
骨粗鬆症の薬をもらいに通院してる

昨年の初夏に毎日の注射から飲み薬に変わった
一年弱の注射は飲み薬とは比べ物にならないほど大変だった

右、左、右、左
交互に
毎日へその横に注射する
時たま失敗もする

医師は骨折で入院中の担当医
「変わりはないね」と聞かれるから
「先生、足がしびれます」
「それは仕方ないよ、あんなに

もっとみる
メッキのこころ

メッキのこころ

わたしは
昔からメッキの心がきらいです
いつか剥げるから

メッキではないほんものを求めています

ところがなかなかほんものには出合えません

世の中はメッキだらけであふれています

別にわざわざ剥がそうしているわけではありません

ちょっとさわっているうちに剥がれてしまうんです

大切にしようと思えば思うほど
剥がれるのです

触るもの、触るもの
メッキだらけ

世の中にはメッキの心しかないのか

もっとみる
手放したら

手放したら

預言カフェで手放しなさいといわれ

本当に手放してもいいのかと

わたしが悩んでも

それはわたしだけの問題ではない

母の命は母が決めること

いつもわたしは見守るしかなかった

「病院に行かなくていいの?」と聞いても
「いや」
いやといわれて無理強いするわけにもいかないと
でもあの時もっと真剣になっていたらと後悔する

「おかあさんの思う通りにして良かったんだよ」
と言ってくれる友がいて
救わ

もっとみる
悪者になれ

悪者になれ

こっちからごめんねと謝ったらいいんです

先に謝ったら物事が全ておさまる

いい人は自分を正当化するそうです
人のせいにするそうです
言い訳をするそうです

だから悪人になりなさい

そういえば母とも言いあいをして
わたしはよく「ごめんね」と謝った

でもわたしの言葉が足りなくて
母はいつも「何が」と不満顔

なんでも許してくれる母
わたしは甘えてばかりいた

悪人なんて怖いけど
自分を悪者にでき

もっとみる
少しずつ少しずつ

少しずつ少しずつ

母があの世へ旅立ってから、わたしはずっと沈んだままでした。
立ち上がろうと頑張ったけれど、無理をしていました。
何だかさみしくて、もの悲しい気持ちばかりが襲ってきて、どうしようもない思いばかりを過ごしてきました。

何をやっても母のことを思い出す。
どこかに出かけても母との思い出が追いかけて来ます。
母がいないことが、こんなにもつらくて、胸が張り裂けんばかりの思いだったのかと自分でもびっくりしまし

もっとみる

ニゲラさん、ニゲラさん
とってもかわいらしい花ですね
なんとなくポピーのようなつぼみをもって
お母さんの月命日に何を買おうかと迷いながら
ユリ、ガーベラ、ひまわりと見て回り、決めました

カーネーションはもうすぐ母の日、かなしくなる
母がいなくなって初めての母の日だから…

削ぎ落とされる

なんだか変、変な感じがしていた

私はもうあなたには必要ないと
離れてゆく
ただそれだけ

驚いた、驚いた

そんなことが起こるんだ

それでいいんだ

自然とそんなことになる

いつまでもそばにいるのは

母だけだった

その母がいなくなって
やっぱりね
去ってゆくんだね

不思議な感覚
あぁ、ビックリした

誰もいなくはならないけれど

削ぎ落とされて

少なくなる

いらないものは

消えて

もっとみる
転ぶ

転ぶ

体力が落ちてきた

最近よくつまずいて

転ぶ
こけるではなく転ぶ

小さな小さな段差だったり
うまく足が上がらない

それはね
身体を動かさないから
食事をちゃんと取らないから

身体を怠けさせてしまったから

そんなこといわれても

母がいなくなって全く気力が出ないの

数日前もね
隣の駅まで歩いたら
帰りの坂道ですっころんだ

多分ね、運動不足
ふらふらする

家の階段もたまに足が上がらずに

もっとみる

晩遅く買い物に行く
人に会いたくないからね

これってやっぱり引きこもり

このところずっと頭痛が止まない
いつからと思い起こすと母が亡くなる少し前

家に帰って来ても
ひとりで「ただいま」「お帰り」を繰り返す

むなしくて、涙が出る

本当にこんな生活嫌なのよ
でも立ち直れない

誰にも言えない

誰にも言えない

ほんとの気持ちは誰にも言えない

さみしいとか

かなしい思いは

こころに秘める

女の人は誰しもが姫
姫は秘め
秘めること

つらくて
助けてほしいのに

一番大切なことは

秘めてゆく
いつもふふふ…と黙っている

そんな自分がむなしくて
せつなくて

中途半端なわたしです
何でも投げやり

恵まれているのも
分かっている

泣きたくて、泣きたくて
涙が出る

母がいないから

ほんとはね

もっとみる