見出し画像

秘境おおづち村〜折鶴を炭化させて飾り炭にする方法〜

今回は加賀市山中で最奥の秘境、大土町(おおづちまち)の炭作りの現場に行ってまいりました。僕の住む黒崎町もなかなかの田舎ですが、更に上をいく最強の田舎です。

画像1

秘境、大土町(おおづちまち)

大土町は重要伝統的建造物群保存地区に指定された場所の一角で、赤瓦の屋根の民家に、段々畑。どこか懐かしい気持ちにさせるようなそんなノスタルジックな場所です。

ここでは地域おこし協力隊のみなさんや学生さんが時折訪れ、村人の方と協力して伝統的な暮らしを体験しつつDIYを学んでいます。今回は黒崎BASEに来た金沢大学のインターン生に紹介してもらい僕も訪れ炭作りの現場を見学しました。住人の方が自作した炭窯による、間伐材を活用した炭作りです。

画像5

画像2

飾り炭ってなんぞ

「飾り炭」とは従来、正月につかう松飾りに炭を結びつけて飾る炭ことで、黒が邪気を払う色とされており、読みを「住み」に通じさせて永住を祝う意から玄関飾りなどの縁起物として扱われます。

そもそも炭化というものは何なのかというと、 通常「木材」などの炭素化合物が主成分の素材を加熱する周りの酸素を使って燃焼が起こりますが、物体の燃焼中に酸素の供給が不完全であれば炭化が起こります。

炭素は周囲の酸素と結合して気体の二酸化炭素となりますが、酸素を遮断した状態で加熱を行うと、炭素化合物には分解という現象が生じ、その中から揮発性の低い炭素分が多く残ります。この現象を通称で炭化(たんか)と呼びます。この原理を活用すれば、写真のような松ぼっくりや折り紙の様に繊細なモノを炭にすることが可能です。

画像3

伝統文化との調和、持続可能な農的生活

現代では冷暖房機器がコスパよく手に入りますが、冬の寒さ厳しい北陸で昔の人はタフに暮らしてきたわけですね。それを現代まで継承して体現している方々もいらっしゃいました。

一方ですでに伝統に固執するのではなく、現代の利器を活用したハイブリッドな生活もそこにはありました。秘境と呼ばれる大土町ですがちゃんと通信インフラが整っており携帯の電波もバリバリ通っていたのです。

農的な生活の営みを体験しながら過ごすのも悪くなさそうですね。

画像6

多くの課題を乗り越えて

今年はコロナや熊の大量出没の影響で来訪者は少なくなっていますが、今後この地で仕事をするにも生活をするにも文化的な活動するには十分な状況が整ってきたのではないかなと思えます。

このような集落は全国に多く存在しますが、コロナの状況は世の中に大きな変化をもたらしました。

現状では商業的な営みは苦しい状況にありますが、その先にあるリモートワークが当たり前になった世の中ではここのような都会にはない豊かな生活ができる暮らしも現実味を帯びてきたのではないかなと思いました。

画像4

目で見て感じて、実践して

今回のまとめとしては炭工房の見学など通してビヨンドコロナの「地域ぐらし」、「新しい働き方スタイル」に思いを馳せるなど。

伝統的なスタイルと規範をテクノロジーやデザインを活用して現代的なスタイルに調和させること、耳障りのよい言葉としては「持続可能な社会づくり」に向けての自分自身の関わり方を考えるということですね。

まずは目で見て感じて、実践してですな。みなさんも機会があればぜひ大土町を訪れてみてください。

@norinity1103でした。

この記事が参加している募集

この街がすき

サポートありがとうございます😃 いただいたものは、我が家のウコッコさんのエサ代か、書籍などのインプットに活用させていただきます! Twitterフォローいただけると嬉しいです!気軽に絡んでください https://twitter.com/@norinity1103