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退職金のバクチに勝った。

インドに来て2日目にものすごく良いことがあった。
退職金が無事振り込まれていたのだが、はらたいらもビックリの予想を超える金額がネットバンキングで表示されて、嘘やろ、って思わず声が出た。

エラワン様!!ありがとー!
上司ー!愛してるー!
仕事辞めて良かったー!


と心の中で叫んだ。
そのまま友達のしめちゃんに報告したら、「上司、愛してるは言い過ぎ」と厳しくたしなめられたが、「いや言いたくもなる金額やねん」と返したら「いくら積まれても、愛してない人に愛してるなんて絶対私は言わへん」と言われて我に返らせてもらった。
ごめんねしめちゃん。
でも私はバクチに勝ったのである。
15年勤めた私への正当(以上)な評価をありがとう。


そんな訳で、1年間旅をしようと思えば割と余裕でできるし、それ以上もできそうだし、予算を大幅に値上げしても大丈夫そうになった。とにかくお金がなくなったという理由で旅をやめなくても良さそうである。
これはかなり、心に余裕ができた。
私のような長旅をしている一般的な旅人なんて、しょせん無職で収入もなくて持ち金が減り続ける生活をしているニートだという考えが私には常にあるから、持ち金が多けりゃ多いほど、社会復帰しなくてはいけないいつかまでのモラトリアムが伸びる。
こんな喜ばしいことはない。

その知らせを受けて、あまりに寒いインドのデリーにて、H&MでスウェットのパンツとレギンスとロンTを買い足したし、行きにくい場所へ行くのにUberでオートリクシャーを呼んだりした。
そして、おしゃれなケーキ屋で高いドーナツを買って食べた。85ルピー(136円)
それからお湯を沸かす鉄の棒のやつを買った。160ルピー(256円)
そしてアロマオイル300ルピー(480円)と例のインドの謎のジェル160ルピー(256円)を買い足した。
おいおい、いきなり調子乗っちゃって。

インドの湯沸かし機と例のインドの謎ジェル



自分で自分にすぐ反省し、細かな計画を立て直した。

実はタイとラオスの40日間ほどで13万円使ってしまっている。8万円で抑えるはずだった。
アジアは1日2000円の予算でいこうかなと思っていたが、3000円以上も使っていたらしい。
ワクチンを3回ほど打ったり、体調不良による療養費もかさんで仕方ないが、インドではもう少し抑えることはできるだろうと思って意気込んでいた。
でも、退職金プレゼントのおかげで、インドでも1日平均3000円の予算でいいんじゃないか、と思い直すことにした。
1泊1000円程度の宿を選ぼうと思っていたが、1500円〜2000円程度まで範囲を広げるとかなりいい宿を選べるし、インドもご飯は安いから問題ないし。
と思ってジャイサルメールでは、口コミのいい宿の個室を1泊1000円で予約したと思ってたら、3泊で1000円だったことがさっき分かってびっくりした。
1泊330円の宿泊費に、朝食とチャイと水が無料で、200円くらいのフライドライス食べて、贅沢してラッシー飲んだりコーラ飲んでも、ジャイサルメールでは1日1000円いかないじゃないの。
こりゃ、長旅は余裕だな、と今少し調子に乗っている。

自分の中で許したこととしては、
・体調最優先で無理しないこと、
・いい宿に時々泊まるのもOKにすること、
・体調が悪い時は自分で洗濯するのをやめて、どうせ安いんだしランドリーサービスを使うこと、
・食費もインドに関しては、値段を気にせず、食べて大丈夫そうなものや食べたいものを選ぶこと。
この程度である。

お金に余裕ができると気持ちに余裕ができるのは、お金に動かされているようでとても悔しいことであるが、選択肢が増えるのは事実である。
ただ、選択肢がいくら増えようと自分のやりたいスタイルは変えないし、歩けるだけ歩きたいし、1ルピー(1.6円)でもぼられたくないから戦うし、それは支払うべき価値のあるものなのかをこれまで通り熟考し、これからも旅したい。

とかなんとか偉そうなこと書いたけど、やっぱり浮き足立っている。
あそこも行けるしあそこも行きたい。
カメラも買い足そうかなとか、日本に帰ったらパソコン新調しようとか、イメージが膨らむ。いかんいかん。
でも、もうしばらくは浮かれさせてもらおうと思う。
インド、それもジャイサルメールで贅沢など、ほとんど何もできないのだから。

「町1番のスーパーマーケット」「何でも揃う」とGoogleに書いてあったスーパーマーケットにわざわさ15分歩いて来てみてら、私の欲しかったものは何一つなかったのだから。
トリートメントも、ボディーオイルも、靴下も、のど飴も、コーラさえもなかった。
何があるって色んなスパイスとかチャパティの粉とか、インスタント食品とかビスケット、シャンプーと石鹸、乾電池や洗剤。
何でも揃うが私の欲しいものは何も揃わないスーパーマーケットしかない町で、贅沢のしようがない。
次にデリーに戻ったら、めちゃくちゃたくさんの靴下とか、高いボディーオイルを買うかも。それから気に入らないボロくなった靴下は捨てちゃうかも。
そしてまたジェルネイルに挑戦しちゃおう。
インドで私にできる贅沢とはその程度かも知れない。
金銭面や買物欲で本当に注意すべきはヨーロッパである。
まだ先だから一旦忘れよう。

とりあえず、願いを叶えてくれたバンコクのエラワン祠には、願いが叶ったら必ずお礼をしに行かないと痛い目に遭うらしいので、旅が終わったらもう一度バンコクに行くお金は残しておかねば。そしてまたラオスに行ってもいいな。

そんな訳で久々の私にとっての吉報でした。

その直後に、悲しい知らせが日本から届いてとても心を痛めていたのだけれど、またその話はいつか書けたら。
どこで何をして生きていようと、いいことも悪いことも色々ある、人生。


旅のnoteは、ゴールデンシティ、ジャイサルメールの写真をいっぱい貼りたいのだけど、Wi-Fiがなく、simカードのギガにも限りがあるのでしばらくあげれず。それにしんどくて文章も上手く書けなかった。

なお、今朝はインド人に連れられてインドの薬を手に入れたので、体調はめきめき良くなってます。
「インドのバクテリアにはインドの薬しか効かないよ」というインド人の言葉は確かだった。明日にはほぼ回復かなという期待を秘めて。
おやすみなさい。

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