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運命のジャイプール①【インド#17】

「運命のジャイプール」という大げさなタイトルをつけたが、旅人には時々起こるのだが、私の旅でも割とちょこちょこ起こる旅のミラクル。
それがジャイプールで運命的に起きた。
「のりまきさん、やっぱり旅運持ってますね!」と彼女は言ったが、それはそのまま彼女にお返ししたい気持ちだった。

ジャイプールのオシャレ宿で2泊した朝。
この宿は、ウダイプルで仲良くしていたジュンさんが「ジャイプールに泊まった宿がものすごく良かったですよ。」と言っていて、後日ジャイプールに行く予定の私がジュンさんに教えてもらって、やって来た場所。
2泊しか予約をしていなかったが、この宿が気に入ったため5泊くらいに延泊しようと思ったら、「女性用のドミトリーは別の予約が入って、今夜だけ満室だから、1泊だけミックスのドミトリーに移ってくれ」と言われた。
なので、別の部屋への引越しをしないといけなくて、荷物を移せる時間まで共有スペースで時間をつぶそうと思って、Youtubeを見ていた。
そして、なんでそうなったのか忘れたが、いつの間にか、RRRの「Naatu Naatu」のダンスの振り付けを宿のスタッフに教えてもらうという流れになっていた。

(宿のスタッフから、YouTubeで「Naatu tutorial」で検索して、再生スピードを0.5倍速にして練習しろ、というありがたいアドバイスをいただいた。みなさんもぜひ)


ナートゥの足の振りを3人で集まってわいわいやっていたら、一人の金髪ボブの女性が通り過ぎた。

おや。
日本人かな。
韓国人かも。
いや日本人ぽい。

そう思ったら急に恥ずかしくなった。
やばい。
インド人と下手なダンスを踊ろうとしている日本人の女と思われたら嫌だな。
海外の人たちに囲まれていると恥ずかしくないくせに、日本人が他に1人でもいるだけで急に恥ずかしくなる内弁慶ならぬ日本弁慶現象が起きた。
日本弁慶はもはやただの弁慶だが、私あるあるである。
金髪ボブの女性は受付でチェックインの手続きをしていた。
私がその後ろを通り過ぎたときに、パスポートが日本のものだったように見えた。
覗き見の罪はここでは見逃してほしい。

へえ、日本人か。
あとで話しかけてみようかな。
でもナートゥを踊ろうとしている変な日本人に話しかけられても、ちょっと嫌かな。
そう思って、いったん引っ込んでしまった。

私の部屋の引越しまでもう少し待たないといけなかったため、共有スペースで時間つぶしにnoteを開いてみた。
そして通知欄をチェックしたら、同じ頃に世界一周旅に出ていたでんでんさんのnoteに書いた私のコメントに、返信が来ていたのでのぞいてみた。
確かでんでんさんは、タイとラオス、マレーシアと来て南インドから北上すると書いていたけど、今どこを旅してるのかなぁ。


「私はさっきジャイプールに着きましたよ。ニアミスするかもですね。」

へえ。
そうなんだ。インドに入ったのね。
ジャイプールのどこにいるんだろう・・・。
え?え?え?
ジャイプール?
同じ町にいる!

それから、よくサスペンスドラマで犯人が分かったときに伏線を回収していくような感じで、いろいろと頭をめぐった。
(注意:この女性は犯人ではない。)

金髪のボブ?
そういえばでんでんさんのnoteで見たな。タイでおかっぱヘアをオシャレに染めていた気がする。
ジャイプールにさっき着いた?
さっきここに来た人はまさか。

でんでんさんなのかー?!

急にどきどきしてきた。
嘘やん嘘やん。

おっと、でんでんさんらしき金髪おかっぱが外に出かけようとしている。
階段を降りていく。

ああ。

私は勇気を出して階段を駆け下りた。
タタタタタ…。
でんでんさんらしき人物は素早い。

「あのー!」とようやく追いついた私が声をかけた。
宿の入り口のドアを出たところで、彼女が足を止めた。

「あの、もしかして・・・。」と私が言ったら、
「えー?!」と彼女の方も何らかの動揺をしている。
ゴクリ。
「あの、でんでんさんですか?」
「えー!のりまきさんですか?」
「えー!!!」


大興奮の私たち。
嘘でしょ。
笑ってしまう。
すごい偶然に驚きを越えて笑う。
しかし、ふと、私の人見知りが絶賛発動してしまった。
そして、確かでんでんさんも人見知りだとnoteに書いていた気がする、と思い出して、あまり初対面でグイグイいくのもいかんぞ、それに出かけようとしている人をこの暑いところで長く引き止めるのもいかんぞ、と思ったらソワソワしてきた。
少しだけ立ち話をしてから、「じゃあまた・・・」と緊張したまま、彼女の外出を見送った。

宿に帰ってきたら、夜にまた話しかけてみようと思ったが、ちょっとまだ興奮が収まらない。
こんなことってあるんだな。
これって旅運?ミラクル?運命?
何でもいいけど、不思議な感じがする。
初めて会った人なのに、noteを読んできて、お互いまったく知らない人なわけじゃないし、同じ頃に旅に出たからどこかで出会うかもしれないなあと漠然と思ってはいたけど、会おうと思って会うわけじゃなく偶然出会うとは。
全く知らない人同士となら、最初から積極的に誘えたか、あるいは全く話もせず通り過ぎたかも知れないけど、ちょっとかじってるというか、ちょっと知ってる人で、勝手に共通点が多いと思っている人で好きな人なので、ドキドキする。
でも、いろいろ旅のこととか聞きたいし、夜、頑張って話しかけてみよっと。
でんでんさん、何時頃帰ってくるかな。楽しみだな。
旅でいろんな人と出会ってきて、たくさん話もしてきたが、言葉で説明しにくいこの種類のドキドキは初めてであった。

思い出したらドキドキしてニヤニヤしてきたので、いったんこの辺で。

私たちの宿は、フェスみたいなリストバンドをつけないといけないのが、割と嫌だった。私は黒髪のおかっぱ。
共有スペース
居心地が良い共有スペース。
そんな偶然が待ってると知らずに食べてた朝食1日目。バナナにちゃんと蜂蜜かけてる。
でんでんさんと2時間後に出会うとは知らずに食べてた朝食2日目。
寝坊したので、もうゆで卵が1つしかなかった。
india circusという店
なぜか、日本でもその辺の雑貨屋で売ってそうなタッパー2つセットを、つい買った。
そしてまたジェルネイルをした。
フレンチネイルにして欲しかったが、爪が割れてて深爪すぎるから無理と言われて、ほぼ塗ってないみたいな色にした。


でんでんさん、ありがとう。
次のでは、あの2人組の話とか、ボトルでうまく水を飲む方法とか、タンドリーチキンやジャンタルマンタルの写真程度にして、残りは私の思い出として胸にしまっておくね。(また我慢できずにネタバレしてる。)

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