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夜の散歩 in 飛騨高山

国内旅行は、それほど治安が悪くないので、女一人旅でも夜のお散歩が楽しめる。

観光地は、意外と日帰りする人が多いのか、夜は宿でゆっくりしている人が多いのか、コロナ禍のせいもあって、町から人がほとんどいなくなる時がある。
高山は特に、日が暮れはじめると閉まる店も多く、みんなどこかへ行ってしまうような、そんな古い町並み。
雪も降っているのに、宿に戻って温泉に入ったのに、またわざわざ服を着てニット帽をかぶって、カメラとiPhoneと財布だけ持って外へ出て古い町並みに向かった。

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江戸時代にタイムスリップしたJIN気分で歩く。

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雪が降っているから、昼間歩いた人たちの足跡が消されていく。

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お正月の飾り。
我が家は自営業だったせいもあり、昔はうちの玄関にしめ縄を飾ったり、車にもナンバープレート辺りにみかんとともにしめ縄飾りをつけていたけど、いつの頃からかやらなくなったし、今の日本でほとんど見ない。そんなことをなんとなく思い出したり。

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宮川朝市の夜。静かで何もない。

宮川に架かる鍛冶橋の手長と足長。

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手長と足長は夫婦らしい。てっきりミニスカートの足長の方が妻だと思ったら手長の方が妻だった。
吹雪の夜に出会うとちょっと怖い。
寒くて写真を撮るのを早々に切り上げてラーメン屋に入った。

高山ラーメンを食べていたら、
紙の束を持った若いお兄さんがお店に入ってきて、
「役場から回ってきたからこれをよく読んで、こっちを貼ってね」とラーメン屋の大将のおじいさんに紙を2枚渡した。
岐阜県でも独自の緊急事態宣言態勢に入るらしく飲食店の営業時間についての指導が書かれた紙だった。
おじいさんはおとなしく「はいはい。」と言って受け取っていた。
英語で書かれたメニューが充実している店だったが、客は私1人。
お上からのお達しは、粛々と受け取って従うしかないよなぁと思いながら、ラーメンのスープをすすった。
どこも大変だ。

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ラーメン屋巡りがライフワークでもある私だが、高山ラーメンは、可もなく不可もなく、パンチに欠けるけど、食べやすかった。
雪で冷えた体を温めるにはちょうどいい。
勘定を済ませて「ごちそうさま!」と元気よく言ってみたがおじいさんはメガネをかけて役場からの紙を読むのに集中していた。
店を出たら、雪が強くなってきていたので宿に戻ることにした。
いつもは、夜の人気のない町を散歩するのが楽しいんだけど、今夜の散歩は、いつもよりも少し寂しく感じたし、もっとこの町に人がいてほしいなぁと願った。




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