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静岡旅の夜のよもやま話 【静岡旅4.5】

夜の三保の松原でのよもやま話をいくつか。

①羽衣伝説についてあれこれ

日が暮れた頃、晩ご飯を食べにレンタサイクルで清水駅付近まで行こうと思い、自転車を走らせた。
しみずマリンロードという名前らしく、走りやすかった。
橋に天女がいた。

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天女が天からやってきて、松に羽衣をかけて海でちゃぷちゃぷやってたら、羽衣を隠されて天に帰れなくなったからその辺の男とくっついたという昔話を子供の頃に読んだことがある。


こういう伝説は日本、いや世界のあちこちにある。
大学で心理学者ユングの「集合的無意識」や「元型」のことを学んで、世界のあちこちに文化の差を超えて似たような昔話が残っているのは、人類共通の普遍的な無意識の層が存在しているからだという捉え方が私は好きなのである。


確かに天からやってきたら、三保の松原の松に羽衣をひっかけてちょっと富士山見ながら海に入ってみたくなると思う。綺麗な人が羽衣脱いで泳いでたら羽衣隠して意地悪したくなるのが男心かも知れないし、女が帰れなくなってその地の男と一緒になるってのは全世界の男の願望の一つかも知れない。
この謎が人類の無意識の部分に隠されていると思うと何故だかワクワクする。まだ解明されていない人間の謎が、たまらなく私をワクワクさせるのだ。
しかし、羽衣が空を飛ぶシステムになっているのも不思議。スーパーマンのマント的役割かな。全世界に空から美女がやってきて帰れなくなる話はよくある。これも元型かな。
無意識ではなく、もしかしたら天女とは宇宙人のことなのではないかと、何でも宇宙人に結びつけて考えるのも私は好きだ。あちこちにUFOから宇宙人が舞い降りて羽衣的な何かを松の木に引っ掛けていたという大昔の目撃談だったりして。空想好きな私は、自転車に乗ると空想の世界の広がりが加速する。
天女の像を見て、空を見てUFOが飛んでいないかを自転車を漕ぎながら確認する私であった。

②港町では魚を食べる肉食系

港町に行くと肉好きのミートリアンな私も、魚を食べてみようという気持ちになる。
と言っても刺身はアレルギーで食べられないので、いつも焼き魚、煮魚、天ぷらなどを探すはめになる。南インドのビーチではバカみたいにガーリックシュリンプを食べまくっていたが、清水港はどうしようか。
調べていると、国内で食べるマグロの半分は清水港でとれるくらいマグロが有名らしかったので、マグロの竜田揚げを食べられる場所を探すことにした。 
生魚を食べられない人が、港町で魚を食べるご飯屋さんを探すのって結構難しいのである。大体、港町のお店は海鮮丼や刺身、寿司で勝負をかけてくるので、サブメニューの豊富な店を見つけないといけない。
メニューが多い食堂というふれこみのお店を見つけたのでそこに入ってみることにした。
この店はメニューが豊富というか、クセが強かった。
蒸しマグロサラダとかいわしの煮付けから、くじらのさえずり、いるかのすまし、いるかの煮付けなどなど。
のスティーブ・ジョブズで食べ物に冒険がなかなかできない私は、無難にマグロの竜田揚げとエビ天丼ミニ、味噌汁を単品同士で組み合わせて注文し勝手に海鮮定食にした。

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マグロの竜田揚げが多すぎてびっくり。おいしくペロリといただきました。
ちなみに、かね田食堂という場所でちびまる子ちゃんのひろしこと、さくらももこのお父さんの行きつけの食堂だったらしく、さくらももこ先生のサインが飾ってあった。ランチのミックスフライ定食にも惹かれたので次はランチで食べに来たい。


③有吉事変

ちびまる子ちゃんランドを通り、30分くらいかけて三保の松原に戻った。

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多分7時頃だったと思う。
サイクリングロードを走っていたら、やたらとLINEが鳴っていたが無視してご機嫌にチャリンコを漕いでいた。
続けざまにチロリロリンと鳴るので、一体どうしたよ、と思い信号待ちでLINEを開いてみることにした。
しめちゃんもう一人の友達からだった。
「びっくりや!」「のりまきちゃん、大丈夫(涙の絵文字)?」「のりまき、今どんな気持ち?泣いてない?」
一体どうしたのよ。
すると、弟からも来た。
弟からLINEが来る時は、ハイスタやブラフマンの新譜が出た時とテレビ東京の「都市伝説」の放送がある時とM-1グランプリの前の予想する時と私の誕生日しかない。
「姉上!!知ってたか?!」
それ以外にも私の近しい人たちがLINEを送ってきており、やたらと驚いていて、何故か私を気遣っている。
何人もが私のコメント待ちをしている。
何なのよあんたたち。
「今静岡で自転車漕いでるけど、どしたん?」
と返事すると「ネット見ろ」と「静岡で自転車?は?」の2種類しか反応がない。何なのよ。
しめちゃんだけが
「有吉!」と返事してくれた。
何よ、有吉どうしたの。
Twitterを開くと有吉、夏目ちゃん、結婚などの言葉が並んでいた。やたらと右斜めに傾いている文字の本人からの結婚報告のFAXを見て膝が笑った。
しばらくしてから全員に
「静岡で朝日を見て富士山を見る予定やから、今日は早く寝ます。会社、休み取っててよかった。有吉ロスです。夏目ちゃんで良かったけれど失恋した気分です。さようなら、私の有吉。」と返事を送った。
これ以上は言葉が出なかった。

よく「女芸人は恋をすると面白くなくなる」と言う(主に男の)芸人がいるが、「はあ?お前ら何言ってんの?」といつも腹が立ってしまう。友近はずっと面白いからな。それに、男の芸人も結婚して急に面白くなくなる奴が多いから。性別関係ないからな。
お笑い芸人には、結婚してつまらなくなる芸人と変わらない芸人、さらに面白くなる芸人の3パターンがあるなと私は勝手に感じている。
だから私が面白いと思っていた人が結婚するとちょっとガッカリする。守りに入って面白くなくなるんじゃないかと思ってしまうから。
あ、今からかなり主観的に笑いを語ります。一人の素人の戯言です、流してください。

松ちゃん、オードリー若ちゃんなんかは残念なことに結婚してからイマイチである、私の中で。
好きな芸人のノロケ話を聞きたくないというやっかみがそこにあるのかも知れないけど、家族話が面白くないのである。
あまりハッピーでいられると見てて遠くに感じるのかもしれない。もともと遠いんだけど、近い部分を勝手に感じて笑っていたしルサンチマンがなくなって物足りないというのもあるかも知れないけど。
春日、小木なんかは妻自体が面白いから、結婚してからの方が面白いし、家族の話を聞きたくなる。もともと彼らが異性として私のタイプじゃないからそう思うのかも知れないけど。
ザキヤマとかバカリズムなどの家庭を感じさせないタイプの芸人は結婚してもノーダメージ。家族の話をあまりしないというスタイルの芸人は安心して変わらずに笑っていられる。
有吉はきっとザキヤマ型だと思うから、芸人としての面白さはノーダメージだと思うのだけど、私は有吉が異性としてタイプだから、ひとまず私自身の心の整理が必要だと思う。

お笑いを愛し過ぎているため、私が面白いと思えること、思えないことについてついつい分析したくなるのだが、結局人として好きかどうか、男の芸人に関しては異性として好きかどうかが関係してきちゃうというとてもシンプルな結論になる。何らかのタイミングで、面白かった人が面白くなくなる(ように感じる)ことは私にとっては最大の悲しみと言える。だからこそ、有吉には、そのままでいてほしいと願ってしまう。
(余談だが、チュート徳井が面白くなくなってしまったことも悲しい。罪を犯した人間にセカンドチャンスをやらない社会はしんどいと思うが、才能があるんだから負けずに笑いで跳ね返してほしい。私は、河本と違って徳井は笑いで返り咲くことを信じて待っている。しかし世間はお金の絡んだ躓きに厳しいね。)

夜にライトアップされた神の道という松の道を、気持ちを切り替えて通り抜ける。神聖な気持ちになろうと努力して通ったがどうだろうか、よく分からないのが正直なところ。人がいない場所はもうそれだけで、ある程度神聖な気持ちになってたりもするけど。

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自転車を漕いで宿に着く頃には、結婚することだけが幸せとはちっとも思わないが有吉が好きな相手と結ばれたことに対して心から祝福していた。これからも変わらずに私を笑わせてよね、と願う。
radikoを付けると槇原敬之が流れていた。

大事なのは
"変わってくこと"
"変わらずにいること"             「遠く 遠く」

私もこれから色々と身の回りのことが変わっていくこともあると思う。変化をおそれず、だけど、変わらずにいることも大事にしたい。

有吉の結婚からごちゃごちゃ考えて自分の哲学を見出すという人。それが私です。


自転車に乗ると色んな曲が頭の中に流れて、空想が広がり、自己分析をしがちな私のよもやま話でした。

おやすみなさい。



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