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[ラジオ番組へ応募済]超短編&エッセイ

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あるラジオ番組で募集していた「色にまつわる物語またはエッセイ」400字程度、に応募したものです。
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ラジオ番組への応募作(エッセイ又はコラム):お題「クイズ」1200字程度 その2

ラジオ番組への応募作(エッセイ又はコラム):お題「クイズ」1200字程度 その2

「正解」どよめきが起きる。「いよいよ最終問題です。ここまでやってきた挑戦者は、この番組始まって以来、あなただけです。賞金金額もぐっと上がり3億円。ここでやめれば1000万はあなたの物。最終問題にチャレンジして、不正解なら今まで稼いだ金額は全て没収です!最終問題、やりますか?やりませんか?さあ選択は!」濃い顔の司会者がニヤニヤ笑いながら迫る。観客が俺を見つめる。こいつ大物らしいが稼いでるんだろうな。

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色について「うすだいだい色」

色について「うすだいだい色」

 そうか。最近は肌色と言うのはだめなのか。薄橙色というのか。でも肌色と橙とは少し違う気がする。そしてこのような言い換え置き換えは、言葉を大事にしたい世代にはカルチャーショック。グローバルで偏見なき世界のためにはそれ相応に言葉も変わるのだろう。それが人類の進化なのかもしれないが、本当にそれで良いのだろうか?
人間の感情や行動は言語に支配されるという。言語化され、事物に名前がつくことにより共通認識とな

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色について「茶色」

色について「茶色」

 今回のお題は、茶色。茶色って何やねん?そもそもお茶の色なら緑やろ。百歩譲って一日ほっといたら茶色っぽくなるけど、そうじゃないやろ。それにあの色は茶色とはちょっと違うやろ。
んー、麦茶の茶のことか?いやいや麦茶より緑茶やろ。番茶ってのもあるな。番茶は何色や?ようわからん。番茶って何なん?
茶色なあ、そや、コーヒーなら茶色やな。褐色の恋人言うしな。ちょっと昔のラジオCMでよく聞いたな。懐かしいな。ん

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色について「ねずみ色」

色について「ねずみ色」

俺、鼠。今回のお題は俺達の毛色たる鼠色だってな。君らは俺達、鼠の色覚がどういう物か知ってるか?俺達の視細胞はさ、青紫付近と黄緑付近に吸収極大を持つのさ。つまりさ、紫外線も見えるってことなんだ。
君達が思う鼠色ってみすぼらしい白と黒の中間だろ。色気も何もない寂しいモノトーン。俺達の毛並にそんな失礼な話があるかいってことさ。俺達の眼では紫外線に反射した輝くような、まるで深い夜空に輝くオリオン座大星雲の

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色について「すみれ色」

色について「すみれ色」

 「かんざし、これいいね。」彼女はそう言ってすみれ色の和紙で出来たかんざしを手に取った。
「うん、先生に似合う。」僕は曖昧に返事をした。正直、高校生の僕にはかんざしの良し悪しなんてわからない。彼女が良いっていうから良いのだろう。そんなものだ。「今日はありがと、付き合ってくれて。」「いいの?彼氏さんに悪いんじゃないの?」「いいのよ、最後のデート。」「うん。もう最後だね。」「最後にさ、これ買って?」「

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自己紹介

自己紹介

こんにちは。玉木則巻(たまぎのりまき)と申します。もちろんペンネームです。

本職はとある業界の技術者ですが、技術専門紙からの依頼でエッセーを連載したりしています。

また、友人からの依頼で、エッセイや小説を書いたり、とある劇団向けの脚本を書いたりしています。

このnoteでは、いままで書き溜めた雑文を掲載していこうと思います。

よろしくお願いします。