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FBライブを"ポチッ"から癌サバイバーに 第6話

ドイツのパートナーとしての患者と医師関係


病棟に"パ一トナ一としての患者と医師関係"というパンフレットがあった。その中に患者の権利として要求できること:

理解するまでの説明、助言/セカンドオピニオン/適切で質の高いケア/患者本人が決定/守秘/医師の自由選択/カルテの閲覧/治療ミスの際の損害賠償と証拠提示

と記載されている。

訴訟社会のドイツ。医師も患者もサインをし、治療が始まる。

放射線照射は6回を終え、週末の抗がん剤2ク一ル目の金曜日の早朝、まだ電車で病院に行くことができた。

先週と同じく受付の100㌔は軽くありそうな女性が、重そうな体で病室を案内してくれた。

今回の同室の女性は、声がでないようだった。喉がとても炎症していた。
彼女はIpadでドイツのドラマを観るか、編み物をしていた。夜遅くにも音声を出してドラマを観ていた。

私はイヤホンをしながらYoutoubeで日本のお笑いをたくさん観て、悪いことは考えないようにしたり、クリスチャンなのでフランフルト日本語教会の矢吹先生の心に響くメッセージ、東住吉教会の高原先生の笑える説教や関西カルバリ一フェロ一シップの小崎先生の素晴らしいメッセージを聞き、感謝をしながら時間を過ごした。

食事もまだとれた。飲み物は(水、炭酸水、ハ一ブティ-、コ-ヒ-)やキッチンの冷蔵庫内にあるもの(ヨ一グルトやプリン)はセルフサ一ビス。

その日に飲む薬が朝、昼、夜に分かれて、ケ一スに入っていた。一体なんの薬で、食前、食後、いつ飲むのかも書かれていない。看護師に確認すると、痛み止めと吐き気止めだった。まだ痛みはなかったので、そ一っと痛み止めは飲まずにいた。だんだん便秘がちになっていた。

カウンセリングの女性が病室を訪れて来た。
ず一と話を聞いてくれた。隣ベッドの女性には他のカウンセリングの女性がきた。すでに何度もセッションをしているようだ。彼女は泣きながら、何度も紙に何か書いて女性に見せていた。どうやら息子さんと問題があるようだ。

金曜日に放射線7回目と抗がん剤2回目終了。土曜日も1日経過観察のための入院。帰宅することもできたが、自宅に帰っても週末は子供のいない一人なので、何かあった時心配だったので入院した。1日10ユ一ロ(1300円ほど)だが、飲食付き、Wifiもあり、たくさん睡眠もとれた。ただ、毎夜、血栓症(trombose)を調べるためお腹にブチッと注射を打たれるのが嫌で嫌で仕方がなかった。寝たふりをしたが、起こされてブチッと。

翌朝、主治医のフライシュッマン先生が病室を回ってきた。質問にはすべて親身になって答えて下さった。

先生は隣ベッドの女性に移った。

彼女は退院日が延びたようで、泣きながら、先生に怒りを紙に書いて渡していた。訴えるとも書いていたようだ。壁を叩いて泣いていた。彼女の辛さを思うと涙がでてきたが、怒りの感情は身体に悪い。しかし、医師にあのようなことを書いて、目の前の本人に渡していたのには驚いた。

2泊の入院後、まだ食事がとれる間にと思い、帰りにパスタを食べに行った。『ここのお店、こんなにまずかったっけ~』ほとんど残した。

デザートにソフトクリームを食べに行った。『ここの腐ってる~』と思ったももの、『あっ!もしかして、味覚がわからなくなっているのかもしれへん..』

胃ろうの手術を4日後に控えていた。





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