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さよこちゃんと オルガン教室へ


先の記事に登場した 4階のさよちゃんが
オルガンを習いたいというので 
Nちゃんも一緒にどうですかと
とっこちゃん(前出のとしこ叔母さん)
が母に声をかけてくれた。

ウチには何処かから頂戴した
古いオルガンがあったが

姉が時々ブーカーブーカー自己流に弾くだけで 私に教える気も、技量もなかったので
オルガンを習うことになった。

その教室にどれだけ通ったのか
どんなレッスン受けていたのかも
一切覚えていないのだが

たったひとつだけ あった。

先生が黒板に書いた音楽記号を指差して

「これはなんていう記号かわかるひとぉ」と、
皆を見まわしながら聞いた。

人見知りのわたし。
かなんなぁと下を向く
(覚えてないけど多分そうしただろう)

見たことない記号で
就学前のわたしらにわかるかいな!だ。

ところがおかっぱ刈り上げのさよちゃんは 
大きな声で 自信ありげに答えた。










「ウサギの目玉!」 

クスクス ゲラゲラ 大人も混ざって
吹き出した。

ワタシは笑ったか?
そんな名前あるわけ無いのに、
「ウサギの目玉」と言えるさよちゃんへの驚きの方が大きかった。

ちょっと感受性が不思議なわたし。

そんなワタシの目は
さよちゃんの真後ろにはりついていた
お母さんに向いた。

さよちゃんのお母さんは
刈り上げの真下をぎゅっとつねった。

みんなが大笑いの中
ワタシだけが見てしまった、、、

オルガン教室の思い出は
ウサギの目玉 によって
他の全てが消されてしまったという話。

めげないさよちゃん。強い。


そうそう、ウサギの目玉は

フェルマータのことでした。

おしまい


お読みくださいました方がおられましたら
ありがとうございます♪

秋です。音楽はお好きですか?🎹


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